【ジャパンC】ヴェラアズールは消し! ハイブリッド式消去法の本命候補はシャフリヤールとダノンベルーガ

八木遊

過去10年のジャパンC『前走で人気より上の着順』かつ『騎手乗り替わり』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『マイルCS』は、最終追い切り前の時点でシュネルマイスターに「◎」を打つつもりだった。しかし、当日のイン前有利の馬場とパドックを見て、最終的にはダノンザキッドに変更。これが吉と出た。

今週は日曜の東京メイン『ジャパンC』を予想していく。いつも通り過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消していく。なお、今年は海外から4頭が出走を予定しているため、6つ目に外国馬専用の消去データを特別に追加する(※5つ目までは日本馬が対象)。

『前走4番人気以下』×『前走から斤量増 or 増減なし』★0.0%★

まずは前走4番人気以下だった馬を取り上げたい。過去10年の成績は【3-2-3-71】(複勝率10.1%)で、かなり苦戦している。馬券に絡んだ8頭に共通していたのが、ジャパンCで背負った斤量が前走より減っていたこと。つまり、前走から斤量増か増減なしの馬は【0-0-0-31】(同0.0%)で、1頭も馬券に絡んでいなかった。

21日時点で出走予定の18頭のうち、この組み合わせに当てはまったのは以下の4頭。ユニコーンライオンは不気味な存在だが、東京の長い直線では後続に捕まる可能性が高いだろう。

【今年の該当馬】
・ゴールドスミス
・シャドウディーヴァ
・ハーツイストワール
・ユニコーンライオン

『前走から距離短縮』×『前走2着以下』★0.0%★

続いては前走から距離短縮となる組に目を付けた。過去10年の成績は【0-2-1-28】(複勝率9.7%)。このデータだけでも消去対象の複勝率10%未満。しかし、ハイブリッド式ではもう一つのデータを掛け合わせる。今回は前走2着以下の馬をピックアップ。この組み合わせだと【0-0-0-27】(同0.0%)で、馬券に絡んだ馬は皆無だった。

今年この条件に当てはまったのはテーオーロイヤルとハーツイストワールの2頭。後者はすでに消去済みなので、ここではテーオーロイヤルを消す。

【今年の該当馬】
・テーオーロイヤル
・(ハーツイストワール)

『前走で人気より上の着順』×『騎手乗り替わり』★0.0%★

3つ目のデータは再び前走人気順を取り上げたい。前走で人気より上の着順に好走していた馬の、過去10年の成績は【1-1-2-45】(複勝率8.2%)。これだけでも“消せる”数字ではあるが、これに騎手乗り替わりのデータを掛け合わせる。そうすると【0-0-0-23】(同0.0%)で、該当する23頭全てが4着以下に沈んでいた。

鞍上はあくまでも想定だが、今年このデータに当てはまりそうなのが以下の2頭。ヴェラアズールは芝転向後に本格化し、初GⅠでも人気を集めそうだが、松山弘平騎手からR.ムーア騎手への乗り替わりがマイナスに作用するとみる。

【今年の該当馬】
・リッジマン
・ヴェラアズール

『関東馬』×『非社台系生産』★0.0%★

続いては東西別データで、過去10年成績が【2-3-1-34】(複勝率15.0%)の関東馬を取り上げたい。馬券に絡んだ6頭の関東馬に共通していたのは、いずれも社台系の牧場で生産されていたこと。つまり、非社台系生産馬は【0-0-0-13】(同0.0%)で、全て圏外に敗れていた。

今年このデータに当てはまったのは2頭いるが、うち1頭は消去済み。新たに対象となったのは昨年のオークス馬ユーバーレーベンだった。

【今年の該当馬】
・(ゴールドスミス)
・ユーバーレーベン

『非サンデーサイレンス系』×『今回単勝オッズ10.0倍以上』★1.6%★

5つ目の消去条件は血統に注目。父がサンデーサイレンス(SS)系以外の馬は【3-2-4-69】(複勝率11.5%)と苦戦傾向にある。それでも最終オッズが10倍未満の上位人気馬であれば、【3-2-3-6】(同57.1%)と好走率は高い。一方で、最終的に単勝オッズが2桁以上だった馬は【0-0-1-63】(同1.6%)。唯一、3着に入ったのが9年前に単勝100.3倍で激走したトーセンジョーダンだった。

残っている日本馬のうち、非SS系の馬はカラテ、デアリングタクト、ボッケリーニの3頭。最終オッズ次第だが、おそらく3頭そろって消去することになりそうだ。

【今年の該当候補】
・カラテ
・デアリングタクト
・ボッケリーニ


■『海外馬』×『3~4歳』×『今回馬体重480kg以上』★6.5%★
※1990年以降に東京競馬場で開催されたジャパンCが対象

6つ目の消去条件は外国馬だけの特別バージョン。そもそも過去10年で3着以内に好走した外国馬はゼロなので、ここでは1990年以降に東京競馬場で開催されたジャパンCをデータの対象とした。

ピックアップしたのは『3~4歳』×『今回馬体重480kg以上』という組み合わせで、【0-0-2-29】(複勝率6.5%)という成績が残っている。同じ3~4歳馬でも馬体重480kg未満だと【1-3-2-48】(同11.1%)で10%を超えており、東京の軽い芝で好走するには馬体も軽い方がいいのかもしれない。

出走予定の海外馬4頭のうち3頭が3歳馬。当日の馬体重次第で取捨を決めたいが、消去を免れたとしても押さえまでにとどめるつもりだ。

【今年の該当候補】
・オネスト
・シムカミル
・テュネス

全ての条件を終えて、確実に残るのは、グランドグローリー、シャフリヤール、ダノンベルーガ、ヴェルトライゼンデの4頭。本命(軸)はシャフリヤールかダノンベルーガのどちらかにするつもりだが、気になるのは2年連続参戦のグランドグローリー。

6歳牝馬ということで今年も人気にはならなさそうだが、昨年はレース前半に不利がありながらも5着に好走している。シャフリヤールと0秒3差で、ユーバーレーベンにはしっかり先着していた。プリンスオブウェールズSではシャフリヤールにも先着したこの馬の複勝は押さえておきたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は67.4%(11月20日現在)。

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