【みやこS】怪我を乗り越え大物食いだ 京大競馬研の本命はハギノアレグリアス

京都大学競馬研究会

みやこSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

実績馬か、新興勢力か

11月6日(日)に阪神競馬場でみやこS(GⅢ)が行われる。昨年の東京大賞典1、2着のオメガパフューム、クリンチャーが出走するほか、3歳重賞で活躍したタイセイドレフォンやブリッツファング、オープン勝ちの実績あるウィリアムバローズやハギノアレグリアスなど新興勢力の出走も目立つメンバー構成になった。

先日のJBCクラシックではテーオーケインズが貫禄勝ちを見せた。幾度となくGⅠで勝ち負けを繰り返すオメガパフュームも力の違いを見せることが出来るだろうか。データを集めてみた。


59kg、54kgが不振

過去10年みやこS斤量別成績,ⒸSPAIA


過去10年(2018年は休止で9回)の斤量別成績を調べた。みやこSは別定戦で3歳馬54kg、古馬56kgを基準とし、牝馬はマイナス2kg、1年以内にGⅠを勝つとプラス3kg、1年以内のGⅡまたは1年以上前のGⅠ勝ち馬はプラス2kg、1年以内のGⅢまたは1年以上前のGⅡ勝ち馬はプラス1kg。重賞勝ち鞍が牝馬限定戦である場合はマイナス1kgされた斤量を課される。複雑だが出馬表と照らし合わせてみていただきたい。

斤量の重い順に見ていこう。まずは59kg。GⅠ勝ち馬であることから力上位であるはずにも関わらず【0-0-1-3】とあまりに物足りない成績。出走した4頭とも前走は馬券圏外に敗れており、メンバー内で力が完全に抜けているとは言い難かったとはいえ、それを踏まえても厳しい成績。買いにくい。58kgは【0-2-1-7】で紐までとなるが、今年は該当馬なし。

57kgは【2-1-4-23】と並程度だが単勝回収率が16%と悲惨。人気どころを紐で抑える程度に留めたい。古馬の基本斤量となる56kgは【7-3-2-60】で単勝回収率は104%。頭数が多いため複勝率が16.7%と低いのは当然で、7勝は優秀。新興勢力の逆転が目立つ重賞であると言えるだろう。ただし72頭の中には3歳のGⅡ勝ち馬も含まれており、そちらは【0-0-0-4】と全滅。同じ56kgでもブリッツファングはデータ上買えない。

55kgは過去6頭出走して全てが3歳のGⅢ勝ち馬。【0-2-1-3】と悪くないが今年は該当馬なし。3歳馬と古馬牝馬が背負う54kgは【0-1-0-8】と不振。2015年ダノンリバティが1番人気6着、2017年エピカリスが1番人気8着と3歳馬が期待されながら大敗してしまうケースも存在する。同世代の重賞で勝ちきれないようでは古馬相手では通用しないと考えられる。割り引きたい。


外目の枠有利

過去10年阪神ダ1800mの枠順別成績,ⒸSPAIA


次に過去10年の阪神ダート1800mのオープン戦(OP特別、リステッド、重賞)における枠順別成績を調べた。施行数が少ないながら外枠偏重の結果が出ており、1番勝利数が多い枠は5枠。【7-1-3-34】で単勝回収率は164%と非常に優秀だ。次点で6枠【5-2-2-36】、7枠【3-6-4-33】も悪くなく、外目の枠を中心に買っていきたい。ただし8枠は【0-3-0-43】と不振。1枠【1-1-4-38】も8枠同様不利になっており、極端すぎる枠は割り引いて予想を組み立てたい。


不利データ重なるオメガに勝てるのは1頭だけ

◎ハギノアレグリアス
屈腱炎で1年半休んだが、2走前は距離が短いながらも4着。休み明けを1戦叩いた前走は自信を持って先行し、並の先行馬は突き放して勝ちきった。オープンでは力上位で、普段通り先行出来れば重賞でも結果も付いてくるだろう。6枠12番も好枠を引いたと言えるのではないだろうか。56kgで外枠とマイナスデータのないこの馬から買いたい。

◯オメガパフューム
左回りが苦手で盛岡のJBCをパス、相手が軽くなるこちらへ。東京大賞典4連覇は当然実績最上位で、59kgでも過去【2-0-1-0】。負けた1戦も3年前かつ相手がチュウワウィザードでは仕方がなかった。GⅠ級・5勝馬で並のGⅠ馬でないことは確かだがデータ上は59kgの不振が目立つ。枠も内目を引いてしまいマークが厳しくなることが予想される。そのことで力を発揮できなくなる馬ではないが、追い出しの遅れや詰まりといったミスが出る可能性は高くなり、絶対に安全とは言い切れなくなった。

▲ウィリアムバローズ
ダートに転じて7戦、未だに連対を外さず底を見せていない。1800mを使い続けてオープンでも先行して堅実。しかし3枠5番はこのコースにおいては少しばかり不利。減点材料はないが強調材料も少ない。また、後ろからの競馬をしたことがなく、不利があった際の挽回が厳しい可能性を考えて3番手。

△ハピ
近走連続で好走しているが、どれも展開の差で負けている。斤量減と乗り替わりで前進要素の多かった前走も2着止まり。運に見放されているのが現状だ。JBCを含めた交流重賞で古馬>クラウンプライド>JDD、レパードS組という構図が続いており、3歳世代のレベルは微妙か。展開がハマれば上位だがオメガを脅かすほどではない。

×メイショウフンジン
3走前が苦しい展開を逃げ粘る良い内容。2走前はオーバーペース、前走は距離長めと敗因明確。逃げて面白い馬。

×タイセイドレフォン
前走レパードSは完璧に乗られたが、最後競り負けての2着。前走以上は望めない。当日の気配次第では消しもあり得る。

×サンライズホープ
砂を被らない外枠はプラス。前につけて失速するレースが多いため、別の脚質を試してみるようならまだ見限れない。

馬券は◎1着軸の馬単6点、◎◯軸の三連複5点で勝負する。(文:福山)

みやこS予想印
◎ハギノアレグリアス
◯オメガパフューム
▲ウィリアムバローズ
△ハピ
×メイショウフンジン
×タイセイドレフォン
×サンライズホープ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



《関連記事》
【アルゼンチン共和国杯】テーオーロイヤルは消し! ハイブリッド式消去法で残ったのはヒートオンビートら4頭
【アルゼンチン共和国杯】基本的に軸は上位人気から 複穴候補は昇級初戦のブレークアップ
【みやこS】ラジオ日本賞組の3着内率100%! 好データ満載ウィリアムバローズに要注目

おすすめ記事