【天皇賞(秋)】上位人気馬中心の堅いレース 京大競馬研の本命はシャフリヤール

京都大学競馬研究会

天皇賞(秋)の年齢別成績,ⒸSPAIA

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白熱の一戦に期待

10月30日(日)に天皇賞(秋)(GⅠ・芝2000m)が東京競馬場で行われる。昨年は人気上位3頭、エフフォーリア、コントレイル、グランアレグリアによる白熱した勝負が展開された。今年は皐月賞・ダービー2着イクイノックス、札幌記念勝ち馬ジャックドール、皐月賞馬ジオグリフなど注目のメンバーが揃った。過去のレース傾向等を踏まえて予想していく。


厳しい6歳以上馬

過去10年天皇賞(秋)年齢別成績,ⒸSPAIA


まず、過去10年間の天皇賞(秋)における馬齢別成績について調べると、3~5歳馬と6歳以上で成績に大きな違いがある。3歳は【1-1-1-9】で勝率8.3%、連対率16.7%、複勝率25.0%、4歳は【3-6-4-27】で勝率7.5%、連対率22.5%、複勝率32.5%、5歳は【6-3-4-39】で勝率11.5%、連対率17.3%、複勝率25.0%。3~5歳で成績に大きな差がある訳ではないが、好走率が高い4歳馬を一段高く評価したい。

一方、6歳以上は【0-0-1-55】で複勝率1.8%となっており、馬券になったのは3歳からGⅠで実績を残した2013年のエイシンフラッシュのみとなっている。カラテ、カデナ、レッドガランは評価を下げたい。


穴馬は厳しい結果続く

過去10年天皇賞(秋)人気別成績,ⒸSPAIA


次に人気別成績を調べると、上位人気馬中心、穴馬苦戦の傾向が分かる。1番人気は【5-3-1-1】で勝率50.0%、連対率80.0%、複勝率90.0%とかなりの好成績を残しており、唯一馬券外になったのは2018年のスワーヴリチャードだった。以下、2番人気【1-2-3-4】、3番人気【1-1-1-7】、4~6番人気【3-2-4-21】あたりは1番人気ほどではないが好走傾向にあるので、人気馬はしっかり抑えたい。イクイノックス、ジャックドール、ダノンベルーガ、シャフリヤール、ジオグリフあたりは6番人気以内に入ってくるだろうが、この5頭は先述した馬齢のデータとも合わせて、データ的には強く推せる馬達だ。

一方、7~10番人気は【0-2-0-38】、11番人気以降の馬は【0-0-1-59】と成績は奮っていない。7番人気以下で馬券になったのは、歴史的な不良馬場だった2017年の3着レインボーライン、皐月賞と菊花賞の2着馬で、ドバイターフ1着の実績があった2016年2着リアルスティール、翌年の同レースでも3着に入るなどこのレースと相性がよかった2015年2着のステファノスとなっており、このレベルの高いレースで穴馬が食い込む余地は大きくない。


外枠不利が顕著な東京芝2000m

2003年以降同コース馬番別成績,ⒸSPAIA


最後に、天皇賞(秋)が行われる東京芝2000mの馬番別成績について過去20年間のデータを調べた。

1~3番の馬は【197-187-198-1612】で勝率9.0%、連対率17.5%、複勝率26.5%、4~6番の馬は【196-209-189-1601】で勝率8.9%、連対率18.5%、複勝率27.1%、7~9番の馬は【172-165-165-1602】で勝率8.2%、連対率16.0%、複勝率23.9%となっており、やや内有利ながらも真ん中辺りの枠までは成績に大きな差はない。

10~12番の馬は【114-110-118-1243】で勝率7.2%、連対率14.1%、複勝率21.6%と、ここから外の枠になると成績が若干落ちる。13~15番の馬は【45-51-48-726】で勝率5.2%、連対率11.0%、複勝率16.6%と、さらに悪くなっている。このような傾向から、今回外枠に入った馬たちの評価は下げたい。


人気馬決着と予想

◎シャフリヤール
4歳馬で8番枠、上位人気も確実でデータ上の好走条件はクリア。前走は坂に苦しみ敗れるも、ドバイSCはレベルの高いメンバーの中で勝ち切っており、地力に関してはメンバートップ。過去2度GⅠを勝利したのは2400mだが、この馬の適性距離は1800~2000m。また、パワー型というよりはキレ型の馬で、時計の出る東京コースで2000mという条件であれば世界でもトップクラスの強さを誇る。本命がジャパンCということもあり、状態面が完全ではないのは確かだが、調教での動き的には8割5分程度の状態にはあり、他馬との能力差からもここは勝ちきれる。ハイペースで先行してもキレる末脚が使えるので、ジャックドールらが相手でも最後には差しきれる可能性が高い。

◯ジャックドール 
こちらも好データは満たす。前走札幌記念は不向きな洋芝・右回りの条件で、パンサラッサによる先行馬には厳しいペースを勝ち切ったのは高く評価できる。大阪杯の敗戦も状態面、右回り、かつ道中落鉄していたことを踏まえれば、割り切れる敗戦であった。今回はこの馬にとってベストな条件となる高速馬場で左回りの2000m。ただ、状態的にまだ完全には物足りない部分がありそうなので、ここは対抗に留める。

▲イクイノックス
皐月賞・ダービー2着という結果だけではなく、能力に関しても出走する3歳馬の中では頭ひとつ抜けている。ただ、ダービーでの走りを見る限り追走力があるタイプではないので、パンサラッサが作るハイペースになると脚が削られる、もしくは位置取りが後ろになりそうなので勝ち切るのは難しい。

△ダノンベルーガ

買い目としては、3連単◎◯-◎◯▲-◎◯▲△、3連複◎-◯▲△で勝負する。

▽天皇賞(秋)予想印▽
◎シャフリヤール
◯ジャックドール
▲イクイノックス
△ダノンベルーガ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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