【天皇賞(秋)】ジャックドールは消し、3歳馬たちの取捨は枠次第! ハイブリッド式消去法が導き出した本命候補3頭は
八木遊
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5つのデータから絞れた馬は?
先週の『菊花賞』は、8番人気のディナースタを本命に抜擢。勝負所での“マクリ”に期待したが、思わぬ好スタートも仇となり、大敗を喫してしまった。1着のアスクビクターモアは押さえていたが、2~3着馬を消していたため、当然馬券は惨敗。春、夏、秋と悪戦苦闘は続く。
今週は日曜の東京メイン『天皇賞(秋)』を予想する。いつも通り、過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消していく。
『前走ローカル』×『前走3番人気以下』★0.0%★
1つ目の消去データは前走場所を取り上げたい。今回は過去10年で【1-1-1-30】(複勝率9.1%)の前走ローカル組だ。これだけでも複勝率は10%未満だが、ハイブリッド式消去法ではもう一つのデータを掛け合わせる。ここでは前走人気順に注目。前走1~2番人気だった馬は【1-1-1-10】(同23.1%)と本番でもまずまずの成績を残していた。一方で、前走3番人気以下だった馬は【0-0-0-20】(同0.0%)。まずは複勝率0%のこの組み合わせを採用する。
登録15頭のうち、4頭が消去データに当てはまった。札幌記念で強い勝ち方を見せたジャックドールだが、前走3番人気だったため、消去することにする。
【今年の該当馬】
・カデナ
・カラテ
・ジャックドール
・ユーバーレーベン
『前走GⅡ以下』×『前走8着以下』★3.6%★
続いては、前走クラスに注目。GⅡ以下から参戦してきた馬は【6-3-6-103】(複勝率12.7%)と、前走GⅠ組の【4-7-4-24】(同38.5%)に比べると、かなり苦戦していることがわかる。中でも前走8着以下だった馬は【1-0-0-27】(同3.6%)。本番で巻き返して馬券に絡んだのは、12年の優勝馬エイシンフラッシュだけで、この時は毎日王冠9着から変わり身を見せての激走だった。
今年この条件に該当したのは2頭。ユーバーレーベンはすでに消去済みのため、新たにレッドガランが消去リスト行きとなった。
【今年の該当馬】
・(ユーバーレーベン)
・レッドガラン
『非社台系生産』×『5歳以上』★4.2%★
3つ目は生産者別データをピックアップ。このレースはいわゆる社台系牧場の生産馬が無類の強さを誇っており、非社台系生産馬は【2-2-1-57】(複勝率8.1%)という有様だ。これに掛け合わせるのは年齢データ。6歳以上なら複勝率0%となるが、今回は5歳以上の【2-0-0-42】(同4.2%)とする。
今年この条件に当てはまったのは5頭。うち2頭は消去済みで、新たに消去の網に引っ掛かったのはアブレイズ、バビット、パンサラッサの3頭だった。
【今年の該当馬】
・アブレイズ
・(カデナ)
・(カラテ)
・バビット
・パンサラッサ
『前走から斤量増』×『前走4角4番手以内』★5.1%★
続いては前走からの斤量増減に注目した。苦戦傾向にあったのは前走から斤量増の馬で、過去10年の成績は【5-3-3-94】(複勝率10.5%)。辛うじて10%台という状況だ。特に苦戦が目立つのは前走時の4角通過順が4番手以内の先行馬。その成績は【0-1-1-37】(同5.1%)で、同5番手以下の【5-2-2-54】(同14.3%)よりも好走率は低かった。
今年このデータに該当したのは以下の5頭だが、4頭は消去済み。新たに対象となったのは、54kgを背負った前走・小倉記念を4角2番手から押し切ったマリアエレーナだった。
【今年の該当馬】
・(アブレイズ)
・(ジャックドール)
・(バビット)
・(パンサラッサ)
・マリアエレーナ
『前走距離2000m以上』×『今回7~8枠』★3.3%★
5つ目の条件は距離変動別データを用いたい。取り上げるのは前走で2000m以上を走っていた馬で、過去10年の成績は【5-7-4-83】(複勝率16.2%)とまずまず。ところが、枠順次第で明暗が分かれる。1~6枠の【5-7-3-54】(同21.7%)に対し、7~8枠の馬は【0-0-1-29】(同3.3%)。コース形状からも内目の枠が有利と覚えておきたい。
残っている6頭のうち、前走2000m以上のレースを使われていたのはダービーから直行する3歳馬の3頭。斤量の恩恵もあり、いずれも有力視されているが、7~8枠に入った時は迷いなく消去したい。
【今年の該当候補】
・イクイノックス
・ジオグリフ
・ダノンベルーガ
全ての条件を終えて、確実に残るのは、シャフリヤール、ノースブリッジ、ポタジェの3頭。まずは3頭のワイドボックスを押さえた上で、ノースブリッジとポタジェから消去を免れた3歳馬3頭へのワイド馬券も検討したい。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は59.3%(10月23日現在)。
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