【2歳馬ジャッジ】芝未勝利戦で好指数勝ち続出 一番の期待は武豊、幸四郎兄弟タッグのランフリーバンクス

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10月3週目の2歳戦
このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は東京ダート1勝クラスで7馬身差の圧勝を飾ったトレド、好指数勝ちが続出した未勝利戦で、ひと際は目立ったランフリーバンクスなどが出た、10月15、16日の2歳戦について指数と評価を掲載する。
10月15日(土) 東京1R 優勝馬 サンライズジーク 指数―12(ダート) 評価B
芝の新馬戦では5着だったが、次走初ダートの未勝利戦で2着となったサンライズジーク。前走は2着敗退ではあったが、3着馬を5馬身も引き離しており、並みの未勝利戦なら勝利濃厚の指数を記録していた。
今回はダート2戦目、どう勝つかが注目された一戦。本馬は大外9番枠からトップスタートを切って、逃げて勝利。走破タイムは1分36秒6と優秀。指数は古馬1勝クラス勝ちレベルのものを記録した。今後もダートで渋い活躍を見せてくれそうだ。
2着のラフエイジアンは勝ち馬から大きく離されずに入線。並の未勝利戦なら楽勝の指数を記録した。この馬も今後がんばってくれそうだ。
10月15日(土) 東京2R 優勝馬 シルバーティムール 指数―7 評価A
新馬戦では8着、次走未勝利戦では5着とここまで目立った成績を残していなかったシルバーティムール。レースは4番枠からやや出遅れて後方待機。最後の直線半ばまでは前に届きそうな感じはなかったが、最後に前が苦しくなったところをジワジワと伸び2馬身差で勝利した。
ラスト2Fは11秒9-11秒9。長く良い脚を使った結果の好指数勝ちだ。前走の新潟戦から約2ヵ月の間に随分と成長したことになる。最後までバテない脚は距離が延びる舞台で活躍が期待できるだろう。
10月15日(土) 東京3R 優勝馬 リックスター 指数-2 評価B
15番枠から好スタートを決め、2列目の外2番手で流れに乗ったリックスター。最後の直線では前を目標にラスト2Fで先頭に立ち、そのまま押し切った。特に目立つようなレース内容ではないが、こういったレースぶりが競馬では一番強い内容になる。
ラスト2Fは11秒4-11秒3と、なかなか評価できる。走破タイムは1分36秒3と平凡、これならば疲れも大きく残らず、順当に上昇できそう。今後の活躍がなかなか期待できる一頭だ。
10月15日(土) 東京5R 優勝馬 ヒシタイカン 指数-2 評価B
10番枠から五分のスタートを切ると、序盤は頭を振っていたが鞍上が抑えると収まり、好位直後の外に付けたヒシタイカン。向正面では中目に入れて追走。2~4角で包まれ、最後の直線でもしばらく前が壁になっていたが、ラスト300m辺りで外に出されると、そこからは良いフットワークで伸び、最後にきっちりと差し切った。
ラスト2Fは11秒3-11秒4。上がり3Fタイム33秒4は特筆すべきレベルではないが、悪くない。順調な成長を期待したい。
10月15日(土) 東京9R 優勝馬 トレド 指数―21(ダート) 評価AA
新馬戦は逃げて6馬身差の圧勝。タイム、指数とも優秀だった。ラスト2Fは12秒4-12秒4と減速せず、非の打ちどころのない内容で勝利し、高評価したトレド。今回はデビュー2戦目、大外8番枠から五分のスタートを切り、二の脚で逃げ馬の外2番手まで上がって折り合う理想的な競馬。最後の直線では早めに先頭に立ち、そこから後続馬を突き放して7馬身差の圧勝を飾った。
記録した指数は古馬2勝クラスの水準を超え、3勝クラスでも相手次第では好勝負になるレベル。現2歳ダート路線ではヤマニンウルスの新馬戦と並んでトップタイ。当然、今後のダート路線での活躍が大いに期待できる。
10月16日(日) 東京2R 優勝馬 シルトホルン 指数-7 評価A
新馬戦は4着、次走未勝利戦は7着とここまで特に目立つ成績ではなかったシルトホルン。今回はデビュー3戦目、9番枠からスタートは五分だったが、そこから先頭に立つ勢いの行きっぷりの良さを見せ、2番手で折り合った。最後の直線ではラスト2Fで前を交わして先頭に立つと、そこからはジワジワと後続を引き離し、結果は6馬身差の圧勝。
当然のことながら未勝利クラスとしては優秀な指数を記録。前走の札幌未勝利戦から2ヵ月の間隔を開けたことで、まさに一変。好位から突き抜けたレース内容も高評価できる。昇級後も活躍が期待できる馬だ。
10月16日(日) 東京4R 優勝馬 ビターゼノビア 指数―8(ダート) 評価B
13番枠から五分のスタートを決め、内枠の出方を窺いながらジワっと出て好位の外で流れに乗ったビターゼノビア。4角では余裕たっぷりに外から先頭列に並びかけ、直線では持ったままラスト1F辺りで先頭。そこからゴーサインを出されると、5馬身差の圧勝。良い指数で勝利した。
新馬戦だったが、キャリアを積んだ馬のようなレースセンスのいい内容で、ラスト2Fは11秒8-12秒4。レースぶりほどは余裕がなかったようだが、好指数勝ちだったことは確か。勝ち負けを繰り返しながら活躍してくれそうだ。
10月15日(土) 阪神3R 優勝馬 フォーサイドナイン 指数-7 評価A
前走の新馬戦では大外14番枠から先行して勝ちにいく競馬で3着、負けはしたが好内容だったフォーサイドナイン。今回はデビュー2戦目、1番枠からスタートでややアオったが、押していって二の脚で2列目の内を追走。4角で前に行った2頭が外に出したことで、内がガラっと開き、直線序盤で最内から抜け出し先頭へ。そこからも脚色は衰えず、後続にしっかりとした差をつけて勝利した。
走破タイムの1分46秒4はなかなか優秀。ラスト2Fは11秒2-12秒4で、今回は目一杯に走った感がある。しかし、今回記録した指数は未勝利クラスとしては優秀なもの。勝ったり負けたりしながら、上で活躍を目指す馬となりそうだ。
10月15日(土) 阪神5R 優勝馬 エイムインライフ 指数―3 評価B
2番枠から好スタートを決め、一旦は1番枠の逃げ馬の外だったが、3番枠の馬が前を主張してきたので、そこから下げて好位の最内に付けたエイムインライフ。最後の直線では前を行く2頭を目標にしながら、なかなか良いフットワークで抜け出すと、迫ってくる後続馬たちの追い込みを抑えきった。
ラスト2Fは10秒7-11秒6ではあるが、上がり3Fタイムの33秒4はこの日の阪神では古馬を含め2位タイと、なかなか優秀なものだった。祖母がビリーヴという良血馬だけに、将来的に大きな成長が期待できそうだ。
10月16日(日) 阪神3R 優勝馬 ランフリーバンクス 指数―7 評価AA
新馬戦では後にサウジアラビアRCを勝利するドルチェモアの2着だったランフリーバンクス。新馬戦は8番枠から出遅れて中団馬群で脚をため、最後の直線では外から良い脚で伸びて2着。前が残る流れを目立つ脚で追い込んだ走りは印象的だった。
今回はデビュー2戦目、前走同様にここでも7番枠から出遅れ道中は中団待機。しかし、最後の直線で外に出されると新馬戦同様に目立つ脚を見せた。ラスト1Fで先頭に立ち、そこからもグングン伸びて結果は5馬身差の圧勝。
2戦続けて素晴らしい末脚を見せ、未勝利戦としては優秀な指数を記録した。この週の芝の2歳未勝利戦は東西で好指数を記録する馬が多かったが、中でも一番目立ったのはこの馬だった。今後の活躍が大いに期待できそうだ。
10月16日(日) 新潟1R 優勝馬 ダンシングニードル 指数―6 評価A
新馬戦では3着。次走の未勝利戦では2着だったが、相手が強かっただけで並の未勝利戦なら勝利できるだけの指数を記録していたダンシングニードル。ここでは当然の1番人気ではあったが、前走でなかなか良い指数で走った直後でもあり、弱い馬なら疲労が残って凡退も考えられるところ。そこにきて1番枠、疲労残りだとスタートが悪くなることが多く、楽観視できる一戦ではなかった。
レースはスタート微妙もダッシュが良く、ハナを奪う競馬。そうなってしまえば懸念材料は半減。結果は逃げて3馬身差の快勝だった。指数も未勝利クラスとしてはなかなか優秀。秘めた潜在能力は高そうで、今後も活躍が期待できそうだ。
10月16日(日) 新潟2R 優勝馬 パクスオトマニカ 指数―7 評価A
このレースは前走の新馬戦で2着していた馬が3頭、未勝利戦で3着の経験がある馬が3頭も出走しており、新潟の未勝利戦にしてはレベルが高く、粒揃いの一戦だった。
勝利したのは前走の新馬戦で2着だったパクスオトマニカ。5番枠からのスタートでやや接触したが、先手を主張。マイペースの逃げから脚をため直線に入ると、後続を引き離して5馬身差の圧勝。好指数を記録しての勝利となった。
ラスト2Fは11秒2-11秒7。自らレースを作ってのものだけに悪くない。かなりスタミナがありそうな走りで、距離が延びての活躍が期待できそうだ。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ランフリーバンクスの指数「-7」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.7秒速い
ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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