【2歳馬ジャッジ】評判馬フェイトが5馬身差圧勝で好指数マーク OP勝ちミシシッピテソーロ、重賞戦線で期待
山崎エリカ
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評判馬が5馬身差で圧勝した、8月1週目の2歳戦
このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。2着に5馬身差をつけ圧勝したフェイト、2戦連続で最速の上がり3Fタイムを記録したドゥーラなどが勝利した8月6日、7日の2歳戦について指数と評価を掲載する。
8月6日(土) 札幌1R 優勝馬 ドゥーラ 指数-8 評価A
頓挫明けだった新馬戦は出遅れ後方2番手からになり、最後の直線では良い脚で追い込み4着だった。今回はデビュー2戦目。7番枠から五分のスタートを切り、好位の外3番手からの競馬。4角では2番手の外に上がり、直線では逃げていたドゥラエレーデとの叩き合いとなった。ちょっと苦しくなったか、外にヨレる場面もあったがしっかり伸びて快勝した。
3着以下には大きな差をつけており、指数はこの時期の未勝利戦としてはかなり優秀。1クラス上でも通用するレベルのものだった。今回の走りは余裕があったものかは何とも言えないが、2戦連続で最速の上がり3Fタイムを記録したことは評価できる。勝ち負けを繰り返しながら、重賞クラスで戦う馬になっていきそうだ。
またこのレースで2着だったのはドゥラエレーデ。この馬は6月阪神のカルロヴェローチェが勝利した新馬戦では1番人気に支持され5着だったが、今回は大きく上昇した。並の未勝利戦ならば勝利濃厚レベルの指数を記録しての2着と、今回は運がなかった。そう遠くないうちにこのクラスは突破できそうだ。
8月6日(土) 札幌5R 優勝馬 メイクアスナッチ 指数-3 評価A
大外8番枠から余裕を持って2番手外を追走したメイクアスナッチ。掛かりそうになるのをコントロールしながら4角では早々に先頭に立った。直線では外から迫るセフィロの追撃を封じて勝利した。
このレースではセフィロとクビ差だったが、3着以下は3馬身以上離れており、上位2頭はなかなか強い競馬だった。ラスト2Fは11秒0-11秒6。最後の直線でのスピードはもっとあったようにも感じたが、最後は減速している。過剰評価はできないが、この2頭が記録した上がり3Fタイムはこの日の札幌芝ではNO.1、2だった。どちらもこの先面白い活躍をしていきそうな気配を感じた。
8月7日(日) 札幌1R 優勝馬 サトノミスチーフ 指数-6(ダート) 評価B
今回の未勝利戦はダート。しかし出走馬でダートを経験したことのある馬は不在、全て芝からの転戦馬による一戦となった。勝利したサトノミスチーフは前走の新馬戦では好発を決めたが、大外9番枠から二の脚ひと息で、2角でポジションが悪くなるロスがあって7着だった。
今回も大外11番枠からだったが、五分のスタートから促されて好位の外まで上がり、レースの流れに乗ることができた。そこから3~4角で前の馬との差をじわじわ詰め、直線では早々と先頭に立ち、6馬身差の圧勝だった。今回の相手は強かったとは言えないが、初ダートで好位から伸びて勝利したことは評価できる。今後の上昇に期待だ。
8月6日(土) 新潟1R 優勝馬 サイブレーカー 指数-5 評価B
前走の7月福島新馬戦ではなかなかの好指数勝ちしたナチュラルハイに、直線良い脚で迫り2着だったサイブレーカー。前走は出遅れたが、今回は大外9番枠からスタートして中団待機した。
最後の直線では好位の内々を上手く立ち回ったラフィーニの想定以上の抵抗にあったが、しっかりかわして勝利。もっと高い指数で勝利するかと期待していたが、それほどでもなかったのはやや期待外れ。それでも未勝利クラスとしては悪くない指数を記録しており、評価すべきか。今後は勝ったり負けたりしながら、上を目指す馬になるだろう。
8月6日(土) 新潟5R 優勝馬 フェイト 指数-5 評価A
7番枠からまずまずのスタートを切った後、力みを見せていたが、宥められて好位中目の直後で流れに乗ったフェイト。最後の直線では外に出され、ラスト2F目でゴーサインが出ると一気に加速して独走。結果は2着馬に5馬身差を付けての圧勝だった。
この日の新潟ダートは午前中稍重発表だったことから、芝もパンパンの良馬場だったわけではない。その状況下で走破タイム1分48秒1は、なかなか優秀だったと言える。
ただラスト2Fは11秒3-12秒0と失速。馬場もそれなりにタフだったことから、そこまで余裕があったわけではないだろう。今後もやや過剰人気になりそうな馬で、過大評価は禁物と見る。しかし、新馬戦で好指数勝ちしたことは確か。ここからすんなり伸びるかどうかは、潜在能力次第だろう。
8月6日(土) 新潟6R 優勝馬 ニシノコウフク 指数-2 評価A
9番枠からトップスタートを切って内の馬を行かせ、すっと好位の外で折り合う競馬センスの良さを見せた。隊列が決まってからは、逃げ馬と自身の位置をキープしながら、最後の直線では3番手の外。そこから残り300mあたりで先頭に立ち、そのまま押し切るなかなか強い競馬だった。
ラスト2Fは11秒0-11秒4。早め先頭の競馬だったことを考慮すれば、減速度合いは小さいと言える。最後もほぼまっずぐ走れており、体幹の強さも感じる。地味な馬ではあるが、なかなか強くなりそうだ。
8月6日(土) 新潟9R 優勝馬 ミシシッピテソーロ 指数-10 評価A
6月東京の新馬戦をラスト2F11秒8-11秒8と減速することなく勝利し、評価Aだったミシシッピテソーロ。昇級戦となった今回も前走同様出遅れたが、後方でじっくりと脚をタメ、最後の直線では鋭い差し脚を見せた。これで2戦2勝だ。
ただ今回記録した指数は、例年のダリア賞と比較すると並レベル。今後は勝ち負けを繰り返しながらになっていくだろうが、重賞戦線での活躍も楽しみだ。
またこのレースは2着フミサウンド、3着ブーケファロスと、上位は全て前走評価Aの馬で占められた。これらは全て強い馬なので、今後オープン級で活躍していくだろう。
8月7日(日) 新潟1R 優勝馬 サイモンオリーブ 評価-3 評価B
前走の新馬戦ではミシシッピテソーロの3着だったサイモンオリーブ。今回は前に行きたい馬が複数いて、前走でも逃げていたスナイチゴールドが外からいったんハナを主張した。サイモンオリーブは5番枠から時間をかけてハナに立ち、逃げる競馬。このため緩みない流れになった。
最後の直線では外から迫る馬にやられそうだったが、しぶとく粘って勝利した。ラスト2Fは11秒9-11秒9。この数字にはちょっと驚かされた。
新潟の芝1400mは3角までの直線距離が長いため緩みないレースになりやすく、最後は大幅に減速してゴールすることが多い。逃げて自ら緩みないペースを作って最後まで減速しなかったことは、かなり高く評価できる。今回記録した指数は並レベルなので過大評価はできないが、意外と奥がありそうだ。
8月7日(日) 新潟6R 優勝馬 ミトノオー 指数-7(ダート) 評価B
13番枠から歩くような感じの一完歩目だったが、促されるとすぐに加速がついて、勢いよく好位に取りついた。道中は好位の外を進み3~4角で前との差を詰め、直線では早めに先頭に立ってそのまま2着に2馬身半差、3着に9馬身半の差を付けてゴールした。
走破タイムの1分54秒9は当日の古馬レースと比較しても優秀。タイム上は2着のツウカイリアルもなかなか良かったと言える。勝ったり負けたりしながら、上を目指す馬になりそうだ。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)フェイトの指数「-5」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.5秒速い
ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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