【菊花賞】ダービー超えの距離経験が穴を呼ぶ 2600m2勝のディナースタ

ⒸSPAIA
案外面白い2500m以上の勝利経験
はじめての3000mを走れるのか……菊花賞を予想するときに悩むこの問題。レース前に散々悩むのに、レースが終わっても「距離で負けたのか、それとも……」と悩むことを毎年のように繰り返している。大半の馬がダービーの2400mまでしか距離経験がなく、3000m級のレースは走ったことがないという中で適性を予想するのだ。そりゃあ、血統や馬体からのアプローチのほうが議論になるのも当然で、過去の走破実績データは役に立ちそうもない。
ただ唯一、過去の走破実績で参考にできる条件がある。それはダービーの2400mを超える距離を走ったことがある馬たちの成績である。
過去10年、菊花賞までに2400m超のレースを走ったことがあった馬の成績は【0-1-4-21】。これをどう思うか。3歳菊花賞前の時点で2400mを超えるレースとは、夏に行われる古馬との条件戦になる。つまりは夏の上がり馬であり、クラシック戦線の王道ではない馬たちだ。春のクラシックには乗れなかった馬たちの馬券内実績が5例もあると考えたほうが面白い。この5例は5、7、3、7、6番人気。3連系やワイドなどの配当を押し上げてくれる存在であることは間違いない。
もう少し深掘りしてみよう。菊花賞前の2400m超への出走例は、直近10年では2500mか2600mのどちらか。そして、2500m出走経験馬の菊花賞成績は【0-0-0-6】。つまりはより長い2600m出走経験組に良績は集中している。さらに2600mでは勝利が必須で、2600m戦に出走しながら未勝利だと【0-0-0-9】となってしまう。
まとめ方を変えると、「菊花賞前に2600m戦で勝利したことがあり、同じく2600mで敗戦したことがない馬」の菊花賞成績は【0-1-4-7】まで上昇する。過去の該当馬には、昨年牝馬ながら菊花賞に挑戦し3着となったディヴァインラヴ(タイランドカップ1着)や、2014年菊花賞3着馬でその後有馬記念を制したゴールドアクター(札幌500万下、支笏湖特別を連勝)などがいる。

2600mを2勝し距離不安がないディナースタ
今年の該当馬は、執筆時点での抽選対象を除くと1頭。ディナースタだ。ゴールドアクターと同様、札幌2600mの積丹特別、札幌日刊スポーツ杯を連勝しており、能力が通用するかどうかはともかく、距離への不安はまったくないだろう。
抽選を突破したシホノスペランツァは小倉2600mの1勝クラスを勝利。こちらは昨年3着のディヴァインラヴと同じパターン。注目したい一頭だ。
今年は皐月賞馬もダービー馬も不在で、なおさら王道ローテである神戸新聞杯やセントライト記念組が人気しそう。貴重な距離経験で馬券圏内に入れば面白いディナースタは、ぜひ絡めておきたいところだ。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
《関連記事》
・【菊花賞】最後の一冠を制すのは!? ガイアフォース、アスクビクターモア、ジャスティンパレスの有力馬3頭をデータで徹底比較
・【菊花賞】トライアル好走のジャスティンパレスとボルドグフーシュ、アスクビクターモア中心 上がり馬ならセレシオン
・【菊花賞】ガイアフォースとジャスティンパレスは消し! ハイブリッド式消去法で浮上した激走候補は
