【秋華賞】前走連対、上位人気馬を順当に評価 京大競馬研の本命はスタニングローズ

ⒸSPAIA
前走の連対がカギに
10月16日(日)に秋華賞(GⅠ・芝2000m)が阪神競馬場で行われる。昨年は1番人気に推されたソダシが敗れたものの、4番人気のアカイトリノムスメが勝利し、以下2、3番人気という比較的順当な結果となった。今年は、デアリングタクト以来2年ぶりの牝馬三冠がかかるスターズオンアース、オークス2着の紫苑S勝ち馬スタニングローズ、ローズS勝ち馬アートハウスなど注目の馬が揃った。過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。

まず、過去10年間の秋華賞における前走着順別成績について調べた。
前走で好走していた馬が秋華賞でも好成績を残しており、特に結果を出しているのは前走連対馬だ。前走1着馬は【4-4-4-37】で勝率8.2%、連対率16.3%、複勝率は24.5%、前走2着馬は【4-1-1-17】で勝率17.4%、連対率21.7%、複勝率26.7%。昨年も馬券内に入った3頭はどれも前走で連対していた。人気を集めそうな馬のうち前走連対しているのは、スターズオンアース、スタニングローズ、アートハウスあたりで、軸はこれらの馬の中から選ぶのが最適だろう。
逆に成績が奮っていないのは前走6着以下の馬で、【0-0-2-56】複勝率3.4%とかなり厳しい成績になっている。ウォーターナビレラ、エリカヴィータ、ラブパイローが該当する。これらの馬よりは別路線で成績を残してきた馬を狙うのがいいだろう。中間となる前走3着馬【1-2-2-15】、4・5着馬【1-3-1-19】は、前走連対馬ほどではないが一定程度の成績を残せている。頭は厳しいかもしれないが紐では抑えておきたい。
前走上位人気が好走傾向

次に、過去10年間の秋華賞における前走単勝人気別成績について調べた。
前走1~3番人気の馬が【9-8-4-48】で勝率13.0%、連対率24.6%、複勝率30.4%。過去10年の連対馬の内17頭がこの条件を満たしており、ここを中心にしていきたい。上位人気想定馬ではナミュールやプレサージュリフトを除いてほとんどがこの条件は満たすので、この要素だけで取捨を選択するのは難しいが、人気薄の馬の判別ではヒントになりそうだ。また、前走6番人気以下の馬は【0-1-3-67】とかなり劣っており、積極的に狙うべきではない。プレサージュリフト、ライラック、エリカヴィータ、エグランタインなどの馬の評価は下げるのが賢明だ。
立ち回りの上手さと先行力で勝負
◎スタニングローズ
前走紫苑Sは1番人気1着と好走条件を満たす。これまでの走りを見る限り、道中での立ち回りの上手さと先行力の高さで勝負するタイプなので、阪神芝2000mというコースはオークスの東京芝2400mより向く。前走は完全な休み明けの仕上げだったが勝利。紫苑S組では地力が頭一つ抜けていた。ひと叩きして状態的にも上向いている今回、別路線組も含めてこの馬に先着するのはなかなか容易ではない。
今回は前に行きたい馬がそれなりにいるので、前走ほど前の位置ではなさそうだが、オークスでも34.4秒とまずまずの上がりを使えている点、キレ勝負というよりはタフな展開になりそうな点、さらに当日は馬場が渋ってキレる脚をあまり要求されないであろう点は好材料。この馬の普段の走りができれば勝利を期待できる。
◯スターズオンアース
こちらも前走3番人気1着と好走条件を満たす。桜花賞以前が善戦馬であったからか、二冠牝馬にしてはイマイチ評価が上がっていないが、桜花賞は展開が向かない中差しきり勝ち、オークスは王道の競馬で完勝。内容的にもかなり評価できる二冠である。オークスから間隔が空いての出走となるが、調教を見る限り状態面に問題はなく、レースでも能力は十分発揮できそうだ。しかし、道中の立ち回りに優れているタイプではなく、小回りよりは大箱の方が良さそうなので、その点でスタニングローズよりは印を落とした。能力は確かで、当然勝ちを狙える位置にはいる。
▲ウインエクレール
前走は輸送が上手くいかず、状態が完全ではない中での出走。さらに内伸び馬場で外枠からのレースとなり、勝ち馬は内を通った馬、かつその後新潟記念で4着に入ったフォワードアゲンであったことを踏まえれば、レベルの高い3勝クラスでの2着はこの馬の素質の高さの証明である。また、前々走スイートピーSも相手関係は楽だったが、オークスに出走していたら掲示板を期待できるくらいの内容だった。今回は輸送をレース1週前には済ませており、その後も問題なく進んでいる。力を発揮できれば勝ち負けまで狙える。馬群を捌きにくい1枠1番で、かつこの馬より前に行きたい馬が数頭いるのはマイナス点だが、人気もなく、オークス未出走組では最も強いと見ているのでここは狙いたい一頭。
△ナミュール
元々能力は高く、桜花賞は展開などが向かなかったが、オークスでは3着。条件さえ整えば好走可能だ。ただ、こちらも大箱コースの方が合いそうなタイプ。
×ストーリア
能力はあるが、右回り未経験なのは不安点。
買い目としては、◎◯-◎◯▲△×の馬連で勝負する。
▽秋華賞予想印▽
◎スタニングローズ
◯スターズオンアース
▲ウインエクレール
△ナミュール
×ストーリア
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
《関連記事》
・【秋華賞】スターズオンアース、いざ三冠へ! 逆転候補筆頭は器用さ武器のスタニングローズ
・【秋華賞】ディープインパクト系、特に「Blushing Groom」内包馬に要注目 有力馬の血統を一挙解説
・【秋華賞】2017年以降に好走率アップ 「休み明けのGⅠ直行」を徹底分析
