【秋華賞】2017年以降に好走率アップ 「休み明けのGⅠ直行」を徹底分析

東大ホースメンクラブ

中15週以上の「GⅠからGⅠローテ」成績,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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「GⅠからGⅠへ」

今週日曜、阪神競馬場でGⅠ秋華賞が行われる。春の桜花賞から始まった牝馬三冠のグランドフィナーレに、デアリングタクト以来の三冠制覇がかかるスターズオンアース、オークス2着から前哨戦の紫苑Sを制したスタニングローズ、ローズS覇者アートハウス、オークス3着ナミュールなどの精鋭たちが集結する。

最大の注目はやはりスターズオンアース。両前脚の剥離骨折というアクシデントのため、オークス以来の直行で大一番に臨む。同馬以外にもナミュールやプレサージュリフトなど、上位をにぎわせそうな実力馬がこの直行ローテに該当する。

近年では前哨戦を使わず「GⅠからGⅠへ」の臨戦過程が市民権を得ているが、その有用性はいかほどのものか。今週は秋華賞展望の一つの切り口として「休み明けのGⅠ直行」を分析。馬券に役立つヒントを過去のデータから探っていく。

直行はアタマでも十分狙える

「GⅠからGⅠローテ」年度別成績,ⒸSPAIA


<「GⅠからGⅠローテ」年度別成績>
2011~2016年【2-7-3-53】勝率3.1%/連対率13.8%/複勝率18.5%
2017~2022年【16-8-7-65】勝率16.7%/連対率25.0%/複勝率32.3%
※中15週以上のみ

まずは「GⅠからGⅠへ」のローテーションを全体的に概観する。なお、天皇賞(秋)→ジャパンカップのような一般的な臨戦過程を除くため、前走でGⅠに出走し、「中15週以上」を空けて再度GⅠに挑む馬たちの成績のみを抽出した。

2011年から現在までの約12年を前後期に分けると差は歴然。前期の6年間では65頭が該当するものの、勝利したのは2011年の東京・南部杯を勝ったトランセンド(前走ドバイWC2着)と、2015年のマイルCSを制したモーリス(前走安田記念1着)のみ。一方後期は96頭が挑戦、ちょうど6分の1にあたる16頭が勝利している。後期の単勝回収率は98%と黒字域までもう一歩のところで、精査すれば該当馬だけを買っても十分収支プラスが見込めるようになってきた。

後期における主な狙い目は人気馬で、2番人気以内に限ると【12-3-4-5】複勝率79.2%、単勝回収率113%・複勝回収率103%を記録。2020年にホープフルSからぶっつけの皐月賞を勝ってそのまま三冠馬となったコントレイルや、秋華賞をオークスからの直行で制して牝馬三冠を達成したデアリングタクト、桜花賞以降は前哨戦を一切使わなかったアーモンドアイなど、実績馬がことごとく結果を出したのが記憶に新しいところだ。

今年は直行ローテが【0-0-1-11】と不振だが、これは2番人気以内がNHKマイルCのセリフォス(1番人気・4着)のみという事情もある。近頃のイメージでスターズオンアースを嫌うのは早計だろう。

3歳戦は前走着順で明暗

「GⅠからGⅠローテ」条件別成績,ⒸSPAIA


<「GⅠからGⅠローテ」条件別成績>
3歳戦【7-2-0-16】勝率28.0%/連対率36.0%/複勝率36.0%
500kg以上【3-2-1-20】勝率11.5%/連対率19.2%/複勝率23.1%
6歳以上【1-0-1-19】勝率4.8%/連対率4.8%/複勝率9.5%
※2017年~2022年

引き続き2017年以降に限定して、同様のローテーションを踏んだ馬の条件別成績を確認する。

3歳限定GⅠは25頭が挑戦し、9頭が連対、16頭が着外と両極端な成績。このうち前走で3着以内だった馬は【7-2-0-8】、4着以下は【0-0-0-8】と明暗が分かれている。ぶっつけで挑むこと自体にデメリットはないものの、冬、もしくは春に結果の出なかった馬が休んでいる間に成長し、既成勢力を超える、といったシーンは望み薄のようだ。なお好走した馬は全頭4番人気以内だった。

他で秋華賞に関連するところでは、牝馬【10-2-4-22】の勝率の高さが目を引く。

気になるのは500kg以上の馬が、全体成績より数字を落としている点。大型馬に関しては休み明けのリフレッシュよりも「一度使った上積み」の方がプラスに働くようだ。単複回収率はともに30%台と妙味にも乏しく、評価を下げたいところ。

また6歳以上馬についても低調な数字が並び、自身の衰えと若い新興勢力の登場がコントラストとなるような数字。人気薄がほとんどだが、中には過去の実績から人気を集めて凡走するパターンもあり、同様のローテーションとなった高齢馬は過信しないようにしたい。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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