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【2歳馬ジャッジ】クイーンオブソウルがラスト2F11.2-11.3を刻み5馬身差の圧勝 父マインドユアビスケッツの評価を高めそうなスピード馬

2022/10/11 17:00
山崎エリカ
10月1週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA

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10月1週目の2歳戦

このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回はラスト2F好ラップを刻み5馬身差の圧勝を飾ったクイーンオブソウル、ロケットスタートから危なげなく逃げ切り、重賞勝ちレベルの指数を記録したサンティーテソーロなどが出た、10月1日、2日の2歳戦について指数と評価を掲載する。

10月1日(土) 中山5R 優勝馬 クイーンオブソウル 指数―4 評価AA
中山芝1600mの新馬戦、不利な15番枠からトップスタートを決めたクイーンオブソウル。外から内に切れ込みながら、スピードの違いで自然とハナを取った。折り合いながらの逃げでスローペースに持ち込み、4角手前では後続馬が背後まで差を詰めてきたが、直線に向くと一気にスピードアップ。後続馬をどんどん引き離し、結果は5馬身差の圧勝。

ラスト2Fは11秒2-11秒3とほぼ減速することなくゴール。直線に入ったところで一気に加速したスピード感が素晴らしい。今回の走破タイムは1分36秒4と平凡だが、これなら疲れを残すことなく、順当に上昇が見込める点も良い。

本馬の父マインドユアビスケッツは、米国の短距離ダートで活躍した馬。隠れた芝適性を持っていたのだろうか。父娘ともに今後の活躍が大いに期待できそうだ。

10月1日(土) 中山6R 優勝馬 オメガシンフォニー 指数―12(ダート) 評価B
12番枠から五分のスタートだったが、ダートに入った辺りから加速がついて先頭に立ったオメガシンフォニー。そのまま緩みないペースを刻んで逃げる。隊列に大きな変化はなく、そのまま最後の直線に向くと、加速して後続を引き離す。結果は2着馬に7馬身差をつけての圧勝だった。

指数は古馬1勝クラス勝ちレベルのものを記録。新馬戦としては優秀な指数だ。ただラスト2Fは11秒8-12秒6と減速。さすがに余裕はそこまで残せなかったようだ。次走以降すんなり伸びるかは何とも言えないが、新馬戦で優秀な指数を記録した能力の持ち主だけに、軌道に乗れば強くなりそうだ。

10月2日(日) 中山2R 優勝馬 オールパルフェ 指数―6 評価A
6月東京のノッキングポントが優勝した新馬戦で逃げて2着だったオールパルフェ。当時は3着以下を離しており、並の新馬戦だったら勝利していた指数を記録した馬だ。

今回も8番枠からじわっと先頭に立った本馬は、そこから1Fほぼ12秒の均等なペースを刻む。3~4角の中間であるラスト3F地点から徐々に加速し、直線に入ったところで一気に加速。そのまま逃げ切った。

指数はこの時期の未勝利クラスとしてはなかなか優秀。ラスト2Fは11秒4-11秒8と減速したが、正攻法の競馬で好走したことは評価できる。着実に力をつけて、なかなか良いところまでいけそうだ。

10月2日(日) 中山5R 優勝馬 セブンマジシャン 指数―3 評価B
10番枠から好発を決めると、1角では枠の利を生かしてすんなり2番手外で流れに乗ることができたセブンマジシャン。そのまま隊列は大きく動かず、4角から前にプレッシャーをかけ、最後の直線に向くと序盤で先頭。追いすがる馬たちを完封して2馬身半差の快勝を飾った。

ラスト2Fは11秒4-11秒8とマズマズ。しかし、レースセンスがあり、正攻法の競馬でしっかりと勝利したことは価値がある。勝ち負けを繰り返しながら上を目指す馬となりそうだ。

10月2日(日) 中山9R 優勝馬 サンティーテソーロ 指数―11 評価A
前走の未勝利戦では1クラス上の指数で逃げて圧勝したサンティーテソーロ。今回は4番枠から前走同様にロケットスタートを決めた。本馬は1番人気に支持されていたこともあり、注目度も高く場内がドッと沸いた。そのままマイペースの逃げ。最後の直線に入ると後続を一気に引き離し、危なげなく3馬身差の逃げ切り勝ちを決めた。

今回の指数は今年の新潟2歳Sと同等なもの。能力を出し切ればすでに重賞勝ちの力があることを示した。逃げ馬だけに今後は成績にムラが出そうな感もあるが、ロケットスタートで場内を沸かせ、いずれ重賞勝ちを狙える馬だろう。

10月1日(土) 中京5R 優勝馬 ダノンタッチダウン 指数―2 評価A
五分のスタートを切ったが13番枠だったため、すぐある2角のところで自然と位置が下がり、中団の外で折り合う競馬となったダノンタッチダウン。3角も外を回り、4角大外から目立つ脚で好位まで位置を押し上げ、最後の直線では長く良い脚を使って差し切り勝ちを決めた。

ラスト2Fは11秒1-11秒4とマズマズだったが、上がり3Fタイム33秒6はこの日の中京では古馬を含めて最速タイの数字。半兄ダノンザキッドの新馬戦と比較すると指数面でだいぶ劣るが、光るものがあることは確か。次走の内容次第でクラシック戦線で活躍できる馬なのかおおよそ分かりそう。いずれにしても徐々に力をつけて強くなる馬だと見る。

10月2日(日) 中京1R 優勝馬 デルマソトガケ 指数―12 評価B
芝の新馬戦ではカルロヴェローチェの6着、次走4着。そして前走は初めてダート戦に出走。勝ち馬には大きく離されて指数は平凡だったが3着となったデルマソトガケ。今回はダート2戦目だった。

前走は初ダートだったため行き脚が付かず、道中は後方からだった。しかし、ダート2戦目の今回は11番枠から好発を決め、行き脚も付いて2番手外からの競馬。4角では早めに先頭に立ったが、脚色は外から上がってくる馬たちの方が良く、早仕掛けの失速パターンのようにも思われた。

しかし、そこからもバテることなく、逆に外の馬たちをバテさせ2着に4馬身差をつけて勝利した。指数は古馬1勝クラスレベルのものを記録。ダート2戦目でレース内容は大幅に良化した。この先もなかなか楽しめる馬になりそうだ。

10月2日 (日) 中京3R 優勝馬 メランポジューム 指数±0 評価B
新馬戦では出遅れて行き脚が付かず後方からのレースとなり、最後の直線では外に出して追い込むも5着だったメランポジューム。それでも上がり3Fタイムは出走メンバー最速を記録。素質の片鱗を見せるレースではあった。

本馬は今回も8番枠から出遅れたが、前走よりは行き脚がついて中団後方の中目を追走。最後の直線で外に出されると、よく伸びて勝利した。指数は平凡だったが、レースぶりは前走から大きな進化を感じさせるものだった。レース慣れしてくれば、意外と伸びそうな一頭だ。

2022年10月1週目の2歳馬PP指数,ⒸSPAIA


※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)クイーンオブソウルの指数「-4」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.4秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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