【2歳馬ジャッジ】ファントムシーフが現2歳世代最高指数を記録 今後のクラシック戦線で主役級の活躍に期待

山崎エリカ

9月4週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA,ⒸSPAIA

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現2歳世代最高指数を記録 9月4週目の2歳戦

このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は中山ダート1800mでレコード勝ちしたトレド、野路菊Sで現2歳世代最高指数を記録したァントムシーフなどが出た、9月24日、25日の2歳戦について指数と評価を掲載する。

9月24日(土) 中山3R 優勝馬 トレド 指数-12(ダート) 評価A
12番枠からスタート五分だったものの、加速力の違いでハナに立つ競馬となったトレド。マイペースの逃げも3角過ぎから後続が少しずつ離れていった。外から一頭、並んで負かしに来たフレスコバンクールを4角でバテさせ、そこからは独走態勢。直線は外からデルマツリダシが追ってきたが6馬身差で逃げ切った。

走破タイムは1分51秒9のレコード。この日の中山ダートは不良馬場で時計が出やすい状態ではあったが優秀なもの。指数は古馬1勝クラス勝ちレベルのものを記録した。またラスト2Fは12秒4-12秒4と減速せず、余裕を感じさせるレースぶりで強かった。

ダート新馬戦で高指数を記録しても余裕がなくなるまで走ってしまえば、その後の伸びしろは微妙になってしまうことが多い。しかし、本馬は指数もなかなか優秀、かつ最後にまだ余裕を感じさせる内容。理想的な新馬戦の勝ち方で今後の成長が楽しみだ。

9月25日(日) 中山5R 優勝馬 スマラグドス 指数-2 評価B
7番枠から好スタートを決めて2列目の外で流れに乗ったスマラグドス。3角で外を回って前を負かしに行く強気な競馬。4角でさらに外を回り、直線を入るとグンとフットワークの回転が上がり、前を捕らえて先頭に立った。そこから脚色は衰えることなく、2着馬に1馬身1/4差で勝利した。

ラスト2Fは11秒4-11秒6。最後の減速度合いは少なく、悪くない。上がり3Fタイムの34秒9は、この日の中山芝では古馬のレースを含めて2位タイとなる優秀なもの。最後の直線で一瞬見せたフットワークの回転上昇には非凡なものを感じた。なかなか面白い馬になっていきそうだ。

9月24日(土) 中京3R 優勝馬 エゾダイモン 指数-5 評価B
前走で2着している馬が2頭、3着している馬が2頭となかなか良いメンバーが揃った未勝利戦。勝利したのは前走6月東京のノッキングポイントが勝利した新馬戦で4着だったエゾダイモンだった。

本馬は4番枠からまずまずのスタートを切り好位の2列目を追走。逃げ馬の直後で行きたがる場面もあったが、鞍上がなだめるとすぐに折り合いがつき、最後の直線に向くまでじっと我慢していた。直線では前がやや狭いと見ると、前のトーホウガレオンの後ろを通ってその外へ。そこからは前を行く馬を目標にしっかりと差し切った。

本馬はレースセンスが良く、指数もこの時期の未勝利クラスとしてはなかなか優秀。エゾダイモンは半兄に国際的な名馬グローリーヴェイズがいる良血馬。兄同様に使われながらの成長が期待できる。

9月24日(土) 中京4R 優勝馬 セラドナイト 指数-7(ダート) 評価A
10番枠から好スタートを切り、好位馬群の外でレースの流れに乗ったセラドナイト。最後の直線では楽な手応えで早々と先頭へ。最後は2着ハンベルジャイト、3着ファイアネイドも良い脚で迫ってきたが、本馬の脚色も衰えず、そのまま押し切って勝利した。

指数はダート新馬戦としてはなかなか良い。ラスト2Fは12秒3-12秒3秒と減速せず。好位から早め先頭で最後まで減速しなかったレース内容はかなり高く評価できる。本馬はダート短距離で大活躍したコパノキッキングの半妹にあたる良血馬だけに、今後の活躍が期待できそうだ。

また、このレースは2着ハンベルジャイト、3着ファイアネイドも直線で良い脚を見せ、勝ち馬と大きな差のないところまで迫り、悪くない指数を記録した。特に3着馬ファイアネイドは1番枠から出遅れ、そこから挽回していく大きなロスがあった。このレースの上位3頭は今後もなかなか楽しめそうだ。

9月24日(土) 中京9R 優勝馬 ファントムシーフ 指数-16 評価AA
6月阪神の新馬戦を優秀な指数で勝利したカルロヴェローチェが断然の1番人気に支持された一戦。同馬が新馬戦で負かした馬たちが後に続々と未勝利戦を勝ち上がっており、ここは勝利濃厚のようにも思われた。

しかし、新馬戦のラスト2Fは10秒8-11秒5。世間では直線で余裕があっての楽勝だったと評価されていたが、数字上はそこまでの余裕はなかった。場合によっては疲れが残り、凡退と言う可能性もあると理解していた。

ただ新馬戦の2着以下の馬たちがあれだけ活躍しているとなると、そんな不安要素など関係ないかなと思い込んでもみたが、現実は甘くない7着。今回のカルロヴェローチェは新馬戦を好指数勝ちした馬の怖さが出たと言える。

レースは4角2番手にいたカルロヴェローチェの外から余裕たっぷりに進出したファントムシーフが、直線で前を行くアリスヴェリテを交わして快勝した。3着以下は大きく離れており、今回のファントムシーフが記録した指数は、現2歳世代最高値の優秀なものとなった。

昨年との比較なら同じ野路菊Sを優秀な指数で勝利したロン、札幌2歳S勝ちのジオグリフの指数を上回るもの。これで本馬はクラシック戦線の主役候補になったと言えるだろう。また、このレースで2着となったアリスヴェリテも2歳重賞級の優秀な指数を記録している。今回の上位2頭は今後のクラシック戦線で目が離せない存在となった。

9月25日(日) 中京2R 優勝馬 メイクザビート 指数-10(ダート) 評価B
6月中京芝の新馬戦で2着、次走芝の未勝利戦で3着。そして前走は初のダート戦で勝ち馬からは離されてしまったが、2着を死守し、ダート適性の高さを感じさせたメイクザビート。今回はデビュー4戦目、ダートでの2回目の出走となった。

レースは5番枠から外にヨレながら五分のスタートを切り、鞍上がかなり気合いを入れていたが、行きっぷりが悪く中団から。終始モタれ気味の走りで、向正面で外に出されてムチが飛ぶと一気に前と差を詰める。しかし、そこからは前と差が詰まらずムチがかなり飛んでいた。最後の直線では前にかなり離され絶望的な状況。しかし、最後まで本馬はバテず、前が崩れたことに乗じて最後に差し切った。

今回は相手が強く、なかなか良い指数決着となった。走りに余裕があったとはとても思えないが、かなり豊富なスタミナを感じる内容での勝利。ダート中長距離での今後の上昇が期待できる。

9月25日(日) 中京5R 優勝馬 バロッサヴァレー 指数-3 評価B
7番枠からまずまずのスタートを切ったが、スタート直後からあまり良いダッシュが付かず、中団よりやや後方外からの競馬となったバロッサヴァレー。向正面では逃げ馬が後続を大きく引き離す中、3角手前から徐々に位置を上げ、4角では2列目に並びかけていく競馬。直線に入ると大逃げしていた馬が急失速する中、2列目からともに抜け出した シルヴァーアーマーとの激しい追い比べとなったが、バロッサヴァレーはそれを1馬身半差で制した。

ラスト2Fは11秒9-12秒1とマズマズ。長く良い脚を使っての勝利は豊富なスタミナを感じさせた。使われながら着実に成績を伸ばしていきそうだ。

2022年9月4週目の2歳馬PP指数,ⒸSPAIA


※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ファントムシーフの指数「-16」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.6秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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