【神戸新聞杯】同コースの京都新聞杯の内容を重視 京大競馬研の本命はリカンカブール

京都大学競馬研究会

神戸新聞杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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近年とは趣の異なるレース

9月25日(日)に中京競馬場で神戸新聞杯(GⅡ)が行われる。ダービーの1~4着馬が不在で、押し出されて実績最上位になる青葉賞馬プラダリア、同コースで京都新聞杯を制したアスクワイルドモアなどのダービー下位組と、パラレルヴィジョンやボルドグフーシュといった上がり馬との対戦になりそうだ。

神戸新聞杯は日本ダービーの上位馬を買っておけば高い確率で当たる、日本で1、2を争う堅い重賞として有名。しかし今年は上位馬がプラダリアのみで、例年と比較すると寂しい構成になった。ダービー組が優位といったデータも今年に関しては使いづらい。そこで今回は同じく中京芝2200mで行われた京都新聞杯を参考に、神戸新聞杯の展開を予想していく。


今年は京都新聞杯組が多数出走 レースラップも参考に

今年の神戸新聞杯を予想する上で欠かせないのが、コース経験のある京都新聞杯組の取捨だ。京都新聞杯を使った馬が6頭もいるため、レース展開を予想する上でも参考にできるだろう。当時のラップは下記の通り。

2022年 京都新聞杯
12.5-10.9-10.6-12.1-12.1-12.1-11.8-11.8-11.8-11.7-12.1

先行したメイショウラナキラとミスターホワイトがスタート後直線で先行争いを繰り広げて、10秒台のラップを2回マーク。残り1000mあたりから緩やかな下り坂があり、なおかつヴェローナシチーが早仕掛けをしたため残り5ハロン目から11秒台を4つ刻む厳しいラップ構成。抜け出したヴェローナシチーが坂を登って止まったところを最後アスクワイルドモアが差す、持久力勝負の典型例と言えるレースになった。

今回に関しても下り坂があるためスパートの開始地点は残り1000m付近と想定される。先行争いが終わった後はスローで流れ、後ろ1000mを全力で走る、京都新聞杯に似たラップを今回も刻むのではないだろうか。先述した先行馬2頭はその後の成績を見る限り重賞では力不足のため、京都新聞杯で先行して粘った馬と展開に恵まれる可能性の高い差し馬を重視したい。

ちなみに、近年の菊花賞は道中ゆっくり折り合って最後の3ハロンだけ末脚勝負になることが多く、神戸新聞杯(阪神)や青葉賞などと似たようなラップ構成になっている。一方で中京芝2200mは長い下り坂と最後の急坂の影響で、それらのレースとは問われる能力が異なる。実際、近2年の神戸新聞杯組で本番も好走したのはコントレイルしかいない。折り合い合戦となった青葉賞好走馬や長距離の条件戦を勝った馬は今回軽視して、菊花賞のために人気を落としてもらいたい。

神戸新聞杯の参考レース,ⒸSPAIA



京都新聞杯は中身の濃い競馬 夏を越して成長も十分

◎リカンカブール
京都新聞杯は先行したもののヴェローナシチーの捲りでペースが緩まず、脚が溜まらなかった。同じ位置で競馬をして5着だったブラックブロッサムは2勝クラスを勝ち上がっており、内容の濃い4着だったと考える。休養明けの1勝クラスは順当勝ちで、実績馬が少ない今回の相手関係であれば戦える。屈腱炎で無念の離脱を余儀なくされたブラックブロッサムの能力を、代わりに証明してくれるだろう。

◯ヴェローナシチー
京都新聞杯は勝ち急いだ結果最後差されて2着。白百合Sも2着で相手なりの競馬が続いている。収得賞金が菊花賞出走のボーダー上で(1500万)、優先出走権を拾う競馬をしてくるはず。勝ちが必須だった京都新聞杯ほど早仕掛けをする必要がなく、本気度は当時よりも低め。勝ちきれるかは微妙だが三連系の軸には最適と見る。

▲ジュンブロッサム
マイルで出色の末脚を使っており、GⅠ級との戦いも経験して差のない競馬を見せている。ポテンシャルは重賞馬を差し置いてメンバー中一番上。距離延長はやってみないと分からないが、もしこなせるようなら展開利も受けて突き抜ける。人気薄であってほしい。

△パラレルヴィジョン
連勝の内容は良好だがロングスパート戦の経験がない。距離も若干長い。

×アスクワイルドモア
京都新聞杯は展開に恵まれた。コース実績があるため紐には入るが能力自体は並止まり。

×ボルドグフーシュ
こちらも京都新聞杯は恵まれた面があった。末脚はある。

消プラダリア
青葉賞は前の2頭を行かせてこの馬自身はスローペース。ラスト3ハロンだけ脚を使う折り合い合戦を制したもので長距離向きの内容だった。菊花賞では買いたいが中京芝2200mは合わない。

馬券は印6頭の三連複20点と、リカンカブール、ジュンブロッサムの単複で勝負する。人気薄も絡めて波乱に期待したい。今回上位になった馬を菊花賞では軽視するところまでがセットになっているため、菊花賞の予想記事も是非楽しみにしていただきたい。(文:福山)

神戸新聞杯 予想印
◎リカンカブール
◯ヴェローナシチー
▲ジュンブロッサム
△パラレルヴィジョン
×アスクワイルドモア
×ボルドグフーシュ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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