【セントライト記念】ドウデュースに迫った脚力はGⅠ級 東大HCの本命はガイアフォース

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セントライト記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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三冠最終戦・東のトライアル

今週月曜、中山競馬場を舞台にGⅡセントライト記念が行われる。三冠を締めくくる菊花賞の関東圏トライアルに、競馬の祭典・日本ダービーで3着に入ったアスクビクターモア、京成杯覇者オニャンコポン、前走の条件戦で2着に1秒1差の大楽勝を決めたガイアフォースとローシャムパークなどがエントリーしてきた。

3歳秋のトライアルレースで最大のテーマとなるのが、春のクラシックを経験した実績馬と力をつけてきた上がり馬たちの比較。どちらを重要視して馬券を組み立てるべきか、今週も過去のデータを参考に戦略を考えていく。


クラシック経験組、未経験組の狙い方

過去10年セントライト記念クラシック経験別成績,ⒸSPAIA

<過去10年のセントライト記念 クラシック経験別成績>
経験あり【7-5-4-31】勝率14.9%/連対率25.5%/複勝率34.0%
経験なし【3-5-6-90】勝率2.9%/連対率7.7%/複勝率13.5%

3歳春二冠(皐月賞・日本ダービー)を片方でも経験してきた馬、そうでない馬の成績は大きく明暗が分かれている。経験した馬は3頭に1頭以上が馬券圏内に入り、該当馬が1頭だけだった2013年を除いて連対馬を輩出。昨年は9番人気のアサマノイタズラが制するなど穴馬の激走も随所に見られ、単勝回収率154%、複勝回収率100%と妙味も上々だ。

一方、未経験の馬は好走率がぐっと落ちる上、好走はほとんどが人気馬に限られるため単勝回収率17%、複勝回収率44%と基本的には買いにくい条件となる。ただし裏を返せばある程度の支持があれば信頼でき、実際に5番人気以内は【3-4-4-14】複勝率44.0%とクラシック組を凌駕する。こちらは2014、2015年以外は馬券圏内に入っていた。

それぞれについてさらに好走条件を精査する。まず、クラシック経験組のうち、中山重賞の勝っていた馬が2番人気以内に推されると【2-3-1-1】複勝率85.7%を記録している。唯一着外だった昨年のタイトルホルダーは不利が響いたケースで、2番人気以内となる可能性が高いアスクビクターモアがやはりこの組の一番手となる。

未経験組×5番人気以内のうち、馬券圏内に入った11頭は全てが前走1800mか2000mで、このうち前走で0秒3差以上の着差をつけて勝った馬が【2-2-1-1】複勝率83.3%。着外の2019年ルヴォルグは重馬場の特殊な条件で4着だった。当日の人気次第でガイアフォース、ローシャムパーク、マテンロウスカイが該当候補となる。


ダービー馬に迫った脚力は本物

◎ガイアフォース
新馬戦ではドウデュースと対戦してクビ差の2着。ラスト3F11.8-11.4-11.1を刻む質の高い加速ラップで、のちのダービー馬にこそ屈したものの3着以下には3馬身差をつけた(ちなみに3着馬はラジオNIKKEI賞を勝つフェーングロッテン)。3走目のあずさ賞ではまさかの敗北を喫するも、前走の国東特別では2着に1秒1差をつける大楽勝。左回りではパフォーマンスを十全に発揮できない印象で、右回り替わりでは当然の楽勝だった。どの路線に進んだとしてもGⅠ級の活躍を期待できる馬。ほぼベストの舞台と思われる中山芝2200mで父キタサンブラックとの親子制覇を飾りたい。

◯アスクビクターモア
ダービー3着馬。こちらもアイビーSや弥生賞などでドウデュースと互角に渡り合ってきた。前走こそドウデュースの乾坤一擲の走りに完敗したものの、ハイペースを堂々と先行して地力勝負に持ち込んでの好走。着実に力をつけてきている。中山は4戦3勝。唯一5着に敗れた皐月賞は馬場のいい外からジオグリフが快勝する中で、内を通った不利が大きかった。最後の一冠に向けて堅実に結果を残しそうだ。

▲マテンロウスカイ
前走の小倉1勝クラスでは後半11.7-11.7-11.9-11.8-11.5-11.6と11秒台を連発しての逃げ切り。3歳夏ではキツいラップを自ら作り上げての勝利で、新星登場の感がある勝ちっぷりだった。今回は気性面に課題があってハナに立ちたいショウナンマグマがいるため、そちらに先手を譲る形になるだろうが、3走前のような後方待機から先行策まで、横山典弘騎手がじっくりと教育したかいあって引き出しが多い。どのような形でも競馬ができる。上記2頭に割って入るとすればこの馬か。

以下ショウナンマグマ、オニャンコポンまで印を回す。馬券は◎から印に流す馬単とする。

▽セントライト記念予想▽
◎ガイアフォース
◯アスクビクターモア
▲マテンロウスカイ
△ショウナンマグマ
×オニャンコポン

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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