【新潟2歳S】スロー濃厚、上がり特化型のレース 東大HCの本命はキタウイング

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新潟2歳Sインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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暮れのGⅠ戦線へ

今週日曜、新潟競馬場を舞台にGⅢ新潟2歳Sが行われる。ディアンドルの弟・アイスグリーン、東京の芝1400m戦2レースで安定した走りを見せたロードディフィート、函館の新馬戦を逃げ切ったシーウィザードなど11頭がエントリー。例年に比べやや小粒なメンバー構成にはなったが、GⅠ戦線に名乗りを上げる馬の登場を期待したいところだ。今週も過去のデータを分析し、馬券戦略を検討していく。


スロー濃厚、上がり特化型のレース

過去10年新潟2歳S前走上がり3F順位別成績,ⒸSPAIA


<過去10年の新潟2歳S 前走上がり3F順位別成績>
1位【8-6-4-53】勝率11.3%/連対率19.7%/複勝率25.4%
2位【2-4-6-23】勝率5.7%/連対率17.1%/複勝率34.3%
3位【0-0-0-16】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
4・5位【0-0-0-18】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
6位以下【0-0-0-12】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

過去10年のデータで顕著な傾向が出ているのは前走上がり3F順位。スケールの大きい新潟外回り、スローペースになりやすい2歳戦とあってほとんどが最後の直線でのキレ勝負となる。前走で上がり3位以下だった馬は1頭も馬券に絡めておらず、一定の末脚がなければ上位進出は難しい。

同2位以内だった馬のうち、前走上がり3F33秒7以下は【5-1-3-7】複勝率56.3%、単勝回収率115%、複勝回収率106%と好調。このうち前走マイル戦だった馬は【5-1-3-3】複勝率75%とより強調できる。昨年は該当馬がアライバルとオタルエバーの2頭のみだったが、ともに馬券圏内に好走。今年はキタウイングがただ1頭これに当てはまる。


新潟の夏はミルファーム

◎キタウイング
福島芝1200mからキャリアをスタートしたが、スプリント戦の速い流れについていけず後方からの競馬に。だが直線ではジワジワと脚を伸ばして4着に食い込んだ。距離を2ハロン延ばした前走は道中8番手ながら先行集団と差のないポジションに位置し、直線では圧倒的な1番人気のバロックダンスとの叩き合いを制した。上がり3F33秒4はバロックダンスの同34秒1より0秒7も速く、メンバー中では桁違いの末脚を披露している。連闘ながらコンディションに問題はなさそうで、戸崎圭太騎手を配し勝負気配が漂う。先日ビリーバーがミルファームに馬主としての初重賞を届けた地で、同馬も出世街道に乗ってほしい。

◯ウインオーディン
新馬戦ではゲートで後手を踏んだものの、スッと前目につけスローの展開で折り合い、直線では32秒5の上がりを使う好内容だった。勝ち馬ダノントルネード、2着馬シャザーンから0秒4差の5着とはいえ、位置取りの差がそのまま結果に表れたもの。デビュー前から評判を集めていた2頭と差のない内容だった。続く2戦目は新馬戦で見せた脚力を証明する形で完勝。若干のかかり癖があるがペースが流れるマイル戦ならば悪癖も顔をのぞかせないだろう。こちらも連闘だがポテンシャルはメンバー中上位の存在だ。

▲アイスグリーン
2、3歳時に短距離で活躍し、古馬になって福島牝馬Sを勝ったディアンドルの弟という血統背景。新馬戦はファントムシーフ、ピヌスアモリスという評判馬2頭に離されたものの、2戦目は出遅れながら番手につけ、平均ペースの1800m戦を勝ち切った。特に評価を下げる点がなく、ノーザンファーム唯一の出走馬として堅実な走りを期待できそうだ。

以下グラニット、ロードディフィート、スタンレーまで印を回す。馬券は◎から印に流す馬連とする。

▽新潟2歳S予想▽
◎キタウイング
◯ウインオーディン
▲アイスグリーン
△グラニット
×ロードディフィート
×スタンレー

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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