【札幌記念】ハイペースで恵まれるのは好位勢 東大HCの本命はジャックドール

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札幌記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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夏のスーパーGⅡ

今週日曜、札幌競馬場を舞台にGⅡ・札幌記念が行われる。例年豪華メンバーが集結し「夏のスーパーGⅡ」の異名を取る一戦。今年も連覇を狙うGⅠ・3勝馬ソダシを筆頭に、ドバイを席巻したパンサラッサ、大阪杯5着からの巻き返しを期すジャックドール、香港GⅠ・2勝馬グローリーヴェイズ、オークス馬ユーバーレーベンなど現役屈指の実力馬がエントリーしてきた。出走馬たちと同様に秋GⅠへ弾みをつけるため、馬券的中をつかみとりたいところだ。


ハイペースでは先行組から

札幌芝2000m、ハイペース時の脚質別成績,ⒸSPAIA


<札幌芝2000m重賞 前半5F59秒5以下脚質別成績>
逃げ【1-0-0-12】勝率7.7%/連対率7.7%/複勝率7.7%
先行【6-4-4-30】勝率13.6%/連対率22.7%/複勝率31.8%
差し【3-1-6-45】勝率5.5%/連対率7.3%/複勝率18.2%
追込【0-4-1-39】勝率0.0%/連対率9.1%/複勝率11.4%
マクリ【1-2-0-0】勝率33.3%/連対率100.0%/複勝率100.0%
※1990年以降

札幌競馬場は円形に近いコース形態で、他場に比べコーナーでの減速が比較的少なく、淀みないペースでの持続力勝負となりやすい舞台だ。さらに今回は超ハイペース逃げを身上とするパンサラッサ、同じく逃げの手を中心に5連勝を決めたジャックドールが出走し、速い流れが想定される。似た展開となった過去レースからヒントを探るべく、札幌芝2000m重賞で前半5Fが59秒5以下で流れた際の脚質別成績を確認する。

最も恵まれるのは先行勢で、良馬場×5番人気以内に限定すると【6-4-3-7】複勝率65%と素晴らしい成績を残している。このうち前走同距離組は【1-1-2-0】でパーフェクト。パンサラッサを行かせて番手に控えそうなジャックドールの信頼度が高いか。好走率は一枚劣る差し・追込勢だが、前半5F59秒0を切った5レースに限ると全レースで馬券に絡んでいる。後方勢にも一席はあると見たほうがよさそうだ。

13頭の逃げ馬のうち、馬券に絡んだのは1991年のメジロパーマー(のちに宝塚記念、有馬記念制覇)のみ。GⅠ級の脚力があれば評価を下げる必要はない。またレアケースだがマクリ戦法を取った馬が3頭全て連対を果たしている点も覚えておきたい。


秋GⅠ獲りへ即逆襲

◎ジャックドール
昨夏から今年の金鯱賞まで2000m戦を5連勝。そのすべてがGⅠ級の内容だった。前走大阪杯は若干の出負け、2ハロン目に10秒3と凄まじいハイペースを刻み、さらに道中落鉄しながらも5着に踏ん張った。並の馬なら大敗していてもおかしくない展開で、負けてなお地力を証明したといえる。今回は同型のパンサラッサがいるが、6走前の中京1勝クラスのように番手での競馬もできるタイプ。ハイペースに付き合わず番手で運び、4角で前を捉えて押し切るプランがハマりそうだ。札幌記念は6年前に父モーリスがまさかの敗北を喫したレース。秋に悲願のGⅠタイトルをつかむため、父のリベンジを果たすため、巻き返しといきたい。

◯グローリーヴェイズ
近年は海外を主戦場としているため他馬との比較が難しいが、3年前の香港ヴァーズではラッキーライラックを置き去りにし、2年前のジャパンカップでは8枠15番を引きながら三冠馬3頭を相手に5着と健闘した。昨年のオールカマーでは1枠2頭がワンツーを決める典型的な内有利の一戦を、己の脚力だけで外々をマクって3着。暮れの香港でのパフォーマンスからも衰えは感じられず、後方勢のなかでは最もチャンスがありそうだ。

▲ソダシ
昨年覇者。父クロフネの宿命といえる距離の壁を、ラヴズオンリーユーを筆頭とする超強力メンバーたちを相手に突破してみせた。芝マイルがベストコースになりつつあるが、ノームコアやサングレーザー、ペルシアンナイトなど近年の好走馬にはマイラーが多いため、大きな減点はしづらい。ただし強力逃げ馬2頭がいる今回、早め先頭から押し切りという昨年のリプレイはかなり難しい。1番人気濃厚だが若干評価を下げたい。

以下、ドバイターフ制覇に敬意を表してパンサラッサにも印を打つ。馬券は◎から印へ流す馬単とする。

▽札幌記念予想▽
◎ジャックドール
◯グローリーヴェイズ
▲ソダシ
△パンサラッサ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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