【注目2歳馬】馬体は成長途上も好タイムで勝利 ハーツクライ産駒・ダノンザタイガー
三木俊幸
ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)
道中は6番手追走、2馬身差の勝利
出走馬がパドックに姿を現した時から曇ってはいたものの、本馬場入場が終わると突然の大雨に見舞われた8月13日(土)の新潟2R・未勝利戦。雨を切り裂きながら芝1800m戦を制したのは、単勝1.2倍と断然の支持を集めたハーツクライ産駒・ダノンザタイガー(美浦・国枝栄厩舎)だった。
新馬戦ではスタートも遅く、進んでいこうという気配があまり感じられなかったが、今回は一変してゲートを五分に出ると6番手を追走する。
ハナを切ったピーエムギャレットは極端にペースを落とすこともなく、12.5-11.1-11.9-12.7(48.2)で外回りの3角へ。そこから13.0へとペースダウンしたものの、1000mの通過は1:01.2と2歳戦としては流れていた。
直線に入って、内回りコースとの合流点の手前で川田将雅騎手はゴーサインを出す。その後右ムチが3発入り、逃げ粘るピーエムギャレットに迫る。残り100mでかわすと後続に2馬身差をつけた。
全体的な内容としては、新馬戦を使われた効果が見受けられてレースの流れに乗れていた。今回のレース映像を見てもやはり強いと思わせるものであったが、グラウンドレベルで撮影していると、エンジンがかかるまでに時間を要しモタモタしているようにも感じた。
それでも、馬体が薄くまだまだ成長途上という印象を受ける中で、勝ちタイム1:48.2で完勝したことはかなりのポテンシャルを秘めている証。これからさらにレースを経験していき、一戦一戦どのような成長を見せてくれるか楽しみにしたい。
活躍馬を輩出している新馬戦
今週末は豪華メンバーの揃った札幌記念と北九州記念が行われる札幌、小倉開催に注目が集まりそうだが、その裏開催となる8月21日(日)の新潟5R、芝1800m戦を取り上げたい。
この週の新潟新馬戦では、2017年に後のGⅠ・4勝馬ラッキーライラック、2018年に後のダービー馬ロジャーバローズが勝利するなど、活躍馬が出ている。
注目したいのは、ロードカナロア産駒の牝馬ブレイディヴェーグ(美浦・宮田敬介厩舎)。母インナーアージは現役時代4勝、近親には2015年オークスと秋華賞などを勝ったミッキークイーンがいるという血統。
1週前は美浦Wコースで先行する馬を追いかける形で、5F67.9-52.6-38.0-11.7というタイムで併入。驚くほどの動きではないが、瞬発力もありそうな雰囲気を感じる。鞍上は福永祐一騎手が予定されている。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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