【注目2歳馬】持ったままで5馬身差の大物感溢れる走り リアルスティール産駒・フェイトが好タイムで新馬勝ち

三木俊幸

2022年8月6、7日の注目2歳馬,ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

勝ちタイムは1:48.1

新種牡馬として大きな注目を集めながら、前週終了時点では21戦1勝という成績だったリアルスティール。しかし8月6日(土)の新潟5R、ついに大物感あふれる産駒が登場した。

2021年のセレクトセールで藤田晋氏が1億7,600万円(税込)で落札し、栗東・矢作芳人厩舎に所属することとなったフェイト。母サンタフェチーフは2018年日経新春杯5着で、現役時代に3勝をあげるなど活躍。近親には2019年の朝日杯FSを制したサリオス、2020年の府中牝馬Sを勝利し、GⅠでも2着2回という成績を残しているサラキアなどがいる血統だ。

父を知り尽くす名門厩舎と、17戦のうち9戦で手綱をとった福永祐一騎手とのコンビというのも、名前のとおり「運命」だったのかもしれない。

逃げ争いは2頭が競り合い最初の1ハロンを通過し、最終的にエイシンエランがハナを奪った。2番手アンビージャー以下がこれをピッタリとマークする中で、フェイトはまずまずのスタートから5番手でレースを進める。

長い向正面から3角に入ったあたりまでの前半800mは12.5-10.9-12.1-12.3で47.8というペース。その後ラップは12.9に落ちるが、1000mの通過は1:00.7と新馬戦にしては流れていた。

抜群の手応えのまま、4角から長い直線へ。福永騎手はスムーズに外へとエスコートする。残り400mを切ったところでゴーサインが出されると、あっという間にエイシンエランに並びかけて先頭へと躍り出る。

ラスト200mはほぼ持ったままで、後続を突き放しての5馬身差。高速馬場の新潟芝コースではあったものの、1:48.1という勝ちタイムはかなり優秀と言える。

まだまだ馬体に緩さを感じる中でのデビュー戦だったが、このパフォーマンスは先々に向けても大きな期待が持てるものだった。

8月6日に新馬勝ちしたフェイト,ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

未勝利戦にダノンザタイガーが登場

今週末の注目馬としてまず名前をあげたいのは、土曜新潟2Rの芝1800mの未勝利戦に出走予定の高額馬ダノンザタイガー(美浦・国枝栄厩舎)。

新馬戦は道中の前進気勢が乏しく、ゴール前で猛追してきたが2着とまさかの敗戦。レースを経験した今回はどれくらい強い勝ち方をするのかという意味で必見のレースだ。

デビューする馬たちの中では、土曜新潟5Rの芝1600m戦に注目。エピファネイア産駒のエナジーチャイム(美浦・手塚貴久厩舎)は追い切り本数こそ少ないものの、坂路での動きは良さそう。

キズナ産駒のショウナンアレクサ(栗東・清水久詞厩舎)は、1週前の追い切りでは3頭併せの真ん中でやや劣勢だったが、栗東CWコースで長めからの乗り込み豊富な点は好感が持てる。

その他にも日曜日には新潟、小倉、札幌と3場全てで芝1800mの新馬戦が組まれており、未来の活躍馬が潜んでいることを願って週末を楽しみに待ちたい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

《関連記事》
【注目2歳馬】11番人気ラブリーデイ産駒のオンザブロッサムが新馬勝ち 2着ダノンザタイガーの次走も必見
【注目2歳馬】世代最初の勝利はダイヤモンドハンズ サトノダイヤモンド産駒×池江泰寿厩舎、距離延びて良いタイプ
【注目2歳馬】外国産馬ヤクシマが次元の違う末脚で新馬勝ち 最大の武器はラスト1F11.1の瞬発力

おすすめ記事