【関屋記念】「前走重賞5着以下」で妙味が出た馬を狙え 東大HCの本命はザダル

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関屋記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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越後のマイル決戦

今週日曜、新潟競馬場でGⅢ・関屋記念が行われる。安田記念でともに僅差の競馬を繰り広げたイルーシヴパンサーとダノンザキッド、重賞で善戦が続くスカイグルーヴ、リステッドを連勝中のウインカーネリアン、名牝ヴィルシーナの仔ディヴィーナなどが越後のマイル決戦にエントリーしてきた。

スケールの大きい外回りコースとあって、実力がストレートに問われやすいレース。過去10年の同レースデータを参考に馬券のヒントを探っていく。


前走重賞組から軸を探せ

過去10年関屋記念前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<過去10年の関屋記念 前走クラス別成績>
重賞【8-10-7-98】勝率6.5%/連対率14.6%/複勝率20.3%
重賞以外【2-0-3-37】勝率4.8%/連対率4.8%/複勝率11.9%

前述した通り波乱の起こりにくい舞台設定のため、脚質を問わず純粋な脚力が求められる一戦。その傾向は前走クラス別成績に現れており、重賞から重賞へのローテを踏む馬が圧倒的。該当馬は直近3年で馬券圏内を、直近5年で連対圏を独占している。前走で重賞以外のレースを使った馬は2勝しているものの、2頭とも既に重賞ウィナーだった。

前走重賞組のうち、前走4着以内だった馬は【0-5-3-25】と勝ち切れない。前走が展開やハンデに恵まれての好走だったケース、勝ったことで別定重量が厳しくなるケースなどが考えられる。

言い換えれば、重賞組の8勝はいずれも前走5着以下。前走が重賞で5着以下だった馬のうち、今回距離短縮となる馬が3勝、かつ前走3番人気以内に絞ると【3-0-0-1】。2019年9着のロシュフォールを除く3頭が勝っており、直近2年の勝ち馬サトノアーサー、ロータスランドはいずれもこの臨戦過程を踏んでいた。重賞で人気に推される程度の脚力があり、なおかつ前走の敗戦で妙味が生まれた馬を買いたい。


久々の重賞勝利へ

◎ザダル
エプソムCと京都金杯(中京)を制した左回り巧者。前走のエプソムCはメンバー中最重量の58kgを背負い、不向きな重馬場で能力全開といかなかったものの、勝ち馬ノースブリッジに0秒2差まで迫った。今週の新潟も若干雨が残るコンディションにはなりそうだが、執筆時点では前走ほどの馬場悪化はなさそう。6歳馬だがまだまだ重賞タイトルが狙えるとみた。

◯イルーシヴパンサー
何といっても東京新聞杯のパフォーマンスが衝撃的。行き脚がつかないタイプであり安田記念では流れに乗れず、猛然と追い込んでの8着だったが、こちらも勝ち馬ソングラインとは0秒2差だった。結果は振るわなかったがメンバー中最速の上がりを使い、GⅠ級の脚力を証明。レッドライデンがハナを切る想定の今回は多少ペースが緩みそうで、瞬発力に長けたこの馬にはプラスに働きそうだ。ただ鮮やかな勝ちっぷりの反面、乗り難しさを抱えた馬でもあり、最内枠は歓迎材料とはいえないか。初騎乗の岩田望来騎手の手綱さばきに注目したい。

▲スカイグルーヴ
ダイナカールからつながる名牝系の出身。新馬戦で11.8-11.2-11.1という素晴らしい加速ラップを刻んで勝利したころから、ポテンシャルは相当のものを見せていた。その後は能力発揮の舞台がなかなか見つからなかったが、1400m戦の重賞で2戦連続2着。それぞれの勝ち馬は高松宮記念2着馬ロータスランド、個性派メイケイエールというGⅠクラスの馬。1ハロン延長が最大のカギだが、平坦新潟ならこなせるのではないか。

以下、実績最上位ダノンザキッド、京王杯SCが好内容だったワールドバローズ、前走8か月休を叩いて2戦目となるリアアメリアまで押さえる。馬券は◎から印へ流す3連複とする。

▽関屋記念予想▽
◎ザダル
◯イルーシヴパンサー
▲スカイグルーヴ
△ダノンザキッド
×ワールドバローズ
×リアアメリア

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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