【小倉記念】あるぞ、今村聖奈の重賞2勝目 カデナ激走に期待できる根拠とは

SPAIA編集部

カデナ、4歳以降の条件別成績,ⒸSPAIA

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ロングスパートで持続力勝負に

2022年8月14日に小倉競馬場では小倉記念(GⅢ・芝2000m)が行われる。人気の中心は三冠牝馬を母に持つジェラルディーナになりそうだが、ローカルのハンデ重賞らしく実績の飛び抜けた馬は不在。データと個々の戦績を見ながら注目馬を紹介していく。

本題に入る前に、小倉記念のレース傾向について触れておく。小倉記念特有の傾向は、ロングスパート戦になりやすいこと。2コーナーが標高の最も高い地点になることも作用して、残り1000m付近からペースが上がる年が多く、他場では瞬発力が足りないようなタイプにもチャンスのある重賞だ。

昨年のモズナガレボシや、和田竜二騎手がとにかく追い続けた2016年クランモンタナ、生涯で上がり最速が1度もない2017年タツゴウゲキなどが典型例。ちょっとズブくてジリっぽい馬を探してみるのも面白そうだ。

夏場好調、ローテもOKのジェラルディーナ

ここからは注目各馬の戦績に触れながら、小倉記念の傾向と照らして好走の可能性を探っていく。

まずはジェラルディーナ。小倉コースでは昨年2連勝。6~9月の時期に【2-1-1-1】、着外は手綱が切れて制御不能になった城崎特別なので、実質複勝率100%。暑い時期も歓迎だ。小倉記念の過去10年で、前走・鳴尾記念という馬は6頭出走して3勝。1番人気に推された2例はともに1着という好相性のローテーションでもある。

強いて不安点を挙げるなら、消耗戦をあまり経験していないことか。未勝利戦を除くと、レース上がり3Fが35.0秒以上かかったレースの経験はわずか1回。もっとも、その1回はきっちり勝利しているので適性的には大丈夫そうだが、不慣れな展開になって戸惑う可能性はある。

フレッシュな状態で走るマリアエレーナ

マーメイドSで2着に好走したマリアエレーナ。3歳時には48キロのケフェウスS3着、51キロの新潟牝馬S1着と斤量の軽い番組を選んでいた馬ゆえに、初の55キロを背負った前走で結果が出たことは大きな収穫といえる。

マリアエレーナの戦績を見ると、4着以下に敗れたのはいずれも中3週以下という詰まったローテーション。中4週以上では【3-3-2-0】と崩れ知らず。今回もマーメイドSから中7週とリフレッシュされており、自分の力は存分に発揮できるだろう。焦点は、牡馬混合の重賞で純粋に能力面が足りるかになりそうだ。

上がり要するローカルGⅢなら強いカデナ

今村聖奈騎手が騎乗することでも注目を集めるカデナ。古馬になって以降の戦績に注目すると、GⅡ・GⅠでは【0-0-0-12】と力不足の感が否めないが、ローカル場の芝GⅢ以下では【1-1-4-4】とよく馬券圏内に顔を出すキャラクターになってきた。このうち、レース上がり35.4秒以上を要したレースに限れば【1-1-3-1】とさらに確率が上がる。

前走の中京記念は非常に時計の出やすい馬場で行われ、1000m通過59.9秒、レース上がり4F46.0秒、3F34.6秒。馬場を考えれば遅いペースで、ベレヌスが逃げ切りを決めた一戦であった。カデナは最後方待機から上がり最速タイの33.9秒を繰り出して6着まで猛追。展開は全く向かなかったが8歳にしてなお健在の姿を見せた。

前述したように、小倉記念によくみられる持続力勝負で上がり3Fがかかる競馬は大歓迎のタイプ。今村騎手の重賞2勝目にも現実味アリだ。



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