【中京記念】近2走の敗因は明確、名手背に巻き返しへ 東大HCの本命はシャーレイポピー

東大ホースメンクラブ

中京記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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サマーマイルシリーズながら……

今週日曜、小倉競馬場でGⅢ中京記念が行われる。サマーマイルシリーズの一戦だが、1800m戦という特殊なレース。重賞戦線で入着を繰り返してきたファルコニアを筆頭に、ターコイズS覇者ミスニューヨーク、前年覇者アンドラステの弟ヴァリアメンテ、8歳ながらお盛んなカデナなど粒ぞろいのメンバー構成だ。

今回は2012年以降のオープンクラス以上で行われた同コース22レースのデータを参考に予想を組み立てていく。


追込勢に問われる舞台適性・GⅠ級の脚力

過去10年同舞台脚質別成績,ⒸSPAIA


<小倉芝1800m・OPクラス以上脚質別成績>
逃げ【4-1-2-16】勝率17.4%/連対率21.7%/複勝率30.4%
先行【10-8-5-51】勝率13.5%/連対率24.3%/複勝率31.1%
差し【3-11-10-88】勝率2.7%/連対率12.5%/複勝率21.4%
追込【4-1-5-73】勝率4.8%/連対率6.0%/複勝率12.0%
マクリ【1-1-0-4】勝率16.7%/連対率33.3%/複勝率33.3%
※2012年以降

小倉芝1800mはローカルコースの例に漏れず先行有利の舞台。先週の小倉芝は追込馬が2、3着に食い込むケースはあったが基本的には前が止まらず、日曜日に至っては計6レースの勝ち馬全てが4角2番手以内だった。単系馬券で狙うならポジションを取る馬を買いたいところ。

近年の重賞で差して好走した馬はアリーヴォ、カデナ、カテドラル、クラヴェルといったメンバー。アリーヴォはのちに大阪杯で好走、カデナは小倉で既に重賞勝ち鞍があり、カテドラルはNHKマイルC3着馬、クラヴェルはエリザベス女王杯で3着に入った。後ろから運ぶ馬が好走するにはGⅠで戦える脚力か、小倉コースでの実績が求められる。

小倉芝1800m・OPクラス以上脚質別成績(2012年以降),ⒸSPAIA

名手背に重賞初制覇へ

◎シャーレイポピー
福島牝馬Sでは最内枠が災いしてスムーズなレースができず、外が伸びる馬場も厳しかった。前走の米子Sではゲートで落鉄したが勝ち馬から0秒6差にまとめた。マイル~1800mは本来どんとこいの舞台で、2走続けて馬柱を汚したここが買い時とみた。ハンデ52kgは絶好、小倉芝1800mを得意とする福永祐一騎手を鞍上に配したのも勝負気配を感じる。

◯ファルコニア
安定感抜群。芝1800mは【4-2-1-1】と最も得意な舞台で、小倉コースはあすなろ賞勝ちがある。重賞では【0-0-3-3】と連対はないが、スプリングSは出負けして早仕掛け、神戸新聞杯と小倉記念は守備範囲外の距離と敗因は明確。特に評価を下げる材料はない。

▲カデナ
小倉コースは【1-1-1-1】。追込馬ながら重賞でも結果を残しており、今年の小倉大賞典でも4角15番手から豪脚を伸ばして3着に入った。2020年以降では小倉芝1800mしか馬券圏内がないが、間にはGⅠへ果敢に挑戦したケースも多く、脚力の衰えはない。新星・今村聖奈騎手を背に老雄がもう一花咲かせるかもしれない。

以下カテドラル、ベステンダンク、カイザーミノル、ダブルシャープまで印を回す。馬券は◎を軸に据え、印を打った馬へ流す3連複とする。

▽中京記念予想▽
◎シャーレイポピー
◯ファルコニア
▲カデナ
△カテドラル
×ベステンダンク
×カイザーミノル
×ダブルシャープ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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