【中京記念】差し決まりやすい小倉芝1800m重賞 京大競馬研の本命はミスニューヨーク

京都大学競馬研究会

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差し有利な小倉芝1800m重賞

小倉芝1800m重賞上がり順位別成績,インフォグラフィック,ⒸSPAIA


7月24日(日)に小倉競馬場で行われる中京記念。昨年の同レースはアンドラステが勝利し、その後も重賞戦線で活躍を見せた。今年は昨年よりも出走馬の数も増え、かなり難解な一戦となった。以下では過去のレース傾向やコース傾向なども踏まえて予想していく。


過去10年同コース重賞上がり順位別成績,ⒸSPAIA


まず過去10年の小倉芝1800mで行われた重賞での上がり順位別成績について調べてみると、上がり3位以内の馬と4位以下の馬の成績に大きな違いがあった。前者は【7-9-4-16】で勝率19.4%、連対率44.4%、複勝率55.6%と好成績を残している。

一方、後者は【4-2-7-117】で勝率3.1%、連対率4.6%、複勝率10.0%と格段に成績が落ちている。また、2着までに入った22頭のうち、16頭は上がり3位以内となっており、小回りでも差しが決まりやすいという特徴がある。

昨年同コースで行われた中京記念でも、1着アンドラステ、2着カテドラル、3着クラヴェル、4着ミスニューヨークまでが上がり3位以内を記録しており、実際に後ろが届いたレースだった。

さらに、過去の小倉芝1800m重賞では4角2桁番手から馬券内に絡むケースが多く見られる。先述した昨年の中京記念では12頭立ての10番手からクラヴェルが3着、今年の小倉大賞典では15番手からカデナが3着、2018年の小倉大賞典ではスズカデヴィアスが13番手から3着、2016年の小倉大賞典では14番手のアルバートドックが1着、11番手のダコールが2着に入るなど、他の小回りコースでは中々厳しいと思われる位置取りからも差し届いている。

今回人気を集めそうな馬の中には差し馬も多く見られるが、小回りだからと評価を下げるべきではない。


勢い十分の5・6歳馬、苦戦傾向の7歳以上馬

過去10年中京記念馬齢別成績,ⒸSPAIA


次に、過去10年間の中京記念における年齢別成績について調べた。4歳以下は【1-1-4-21】勝率3.7%、連対率7.4%、複勝率22.2%、5歳【6-7-3-47】勝率9.5%、連対率20.6%、複勝率25.4%、6歳【3-1-3-31】勝率7.9%、連対率10.5%、複勝率18.4%と6歳以下はまずまずの成績。一方、7歳以上は【0-1-0-29】連対率、複勝率が3.3%と大きく成績を落としていることが分かる。人気を集めそうな馬のうち、カデナ、ダブルシャープはこの条件に合致するので高い評価をするのは避けたい。


混戦模様の難解な一戦、差し馬中心に予想

◎ミスニューヨーク
大箱コースよりは小回り向きの馬で、勝利した5戦すべてが小回りコース。今回レースが行われる小倉芝1800mでは複勝率75%と抜群の相性を見せている。また、馬券内に入った全10戦中8戦が1800mと得意な距離でもあり、好走を期待できる。

前走ヴィクトリアマイルは不向きな左回り・前有利な展開・近走の中でもかなり高いレベルのレースで、この馬にとっては厳しい部分が多かった。しかしそんな中でも、優勝馬ソダシと0.7秒差、3着馬と0.4秒差の10着。先述のように小倉芝1800m重賞は差しが決まりやすく、先週からは外差しの傾向もみられる。また中京記念では5歳馬の成績がかなりいいことから、データ的にもこの馬を十分推すことができる。

調教の動きも問題なく、状態面での心配はない。相手関係的にも、牡馬で強力な相手もいないここでは勝負になる。唯一の不安材料はスタートだが、デムーロ騎手とのコンビでも頻繁に出遅れている訳ではなく、許容範囲だと判断し本命にする。

◯カテドラル
前走安田記念は18着と大敗を喫したが、持っている能力は重賞でも通用するものがあり、ここでも地力は上位だ。

近走はスタートから上手く流れに乗れず、後方からの競馬になってしまうことが多い。今回1800mに距離が伸び、これまでの1600mのレースよりも緩やかな流れになれば好走の期待を持てる。この馬も◎同様小回り向き。差しが決まりやすいレース、好走傾向の6歳であることも加味すればデータ上のプラスも大きい。近走の敗戦などで人気を落としそうだが、ここは狙い目だ。

▲ファルコニア
2020年11月の武田尾特別からは昨年の小倉記念を除いて、5着以内かつ着差0.3秒以内と抜群の安定感を見せている。

この馬自身速い上がりを使えるタイプではないが、好走傾向にある5歳というのはプラス。ただし地力はあるがどうしても決め手に欠ける馬なので、他の馬に比べて勝ち切る可能性は低いと判断し、この評価に留める。

△ヴァリアメンテ
昨年このレースを勝利したアンドラステの半弟で、素質自体はメンバーの中でもかなり高い。差しが決まりやすい展開はこの馬にとってプラスになるが、小回りより直線の長いコースの方が向きそうなところがマイナスだ。

×ワールドウインズ
末脚に関しては確かなものがあり、小回りも向く。力自体は重賞だと若干足りない部分もあるが、展開が向けば一発を狙える。

×コルテジア
前走は久々のレースかつ重馬場だったが、0.7秒差まで詰めて力を証明した。展開はあまり向きそうではないが、一叩きして変わり身に期待したい。

買い目は◎からの馬連、3連複で勝負する。

▽中京記念予想印▽
◎ミスニューヨーク
◯カテドラル
▲ファルコニア
△ヴァリアメンテ
×ワールドウインズ
×コルテジア

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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