【中京記念】社台系生産のドゥラメンテ産駒が勝率50%以上! 東大HCが小倉芝1800mを徹底検証

東大ホースメンクラブ

小倉芝1800m、コースレイアウト,ⒸSPAIA

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コース紹介

今週は小倉芝1800mを舞台に、サマーマイルシリーズ第2戦・GⅢ中京記念が行われる。マイル路線の重賞でも堅実な走りを見せるファルコニア、ターコイズSをしんがり一気で差し切ったミスニューヨーク、横山典弘騎手とのコンビでおなじみのカイザーミノル、小倉巧者ダブルシャープなど粒ぞろいのメンバー構成だ。

まずはコースの紹介。スタンド正面をスタートし、2コーナーの入りにかけて3mほどの坂を駆け上がる。向こう正面へひとつめの下り坂が設置され、平坦な道のりを通過して3角からふたつめの下り。スパイラルカーブとあいまって加速した各馬が最後の300mに満たない直線で雌雄を決する。

当該コースの重賞は冬の名物レース・GⅢ小倉大賞典のみ。今年は京都競馬場改修に伴う番組変更のため、GⅢ中京記念も行われる(使用するデータは2017年7月29日~2022年7月17日)。

前走先行×一桁着順に安定感

小倉芝1800m・過去5年の枠別成績,ⒸSPAIA


<小倉芝1800m・過去5年の枠別成績>
1枠【16-27-23-227】勝率5.5%/連対率14.7%/複勝率22.5%
2枠【29-24-27-231】勝率9.3%/連対率17.0%/複勝率25.7%
3枠【18-22-20-269】勝率5.5%/連対率12.2%/複勝率18.2%
4枠【19-26-29-272】勝率5.5%/連対率13.0%/複勝率21.4%
5枠【37-21-26-282】勝率10.1%/連対率15.8%/複勝率23.0%
6枠【26-35-30-291】勝率6.8%/連対率16.0%/複勝率23.8%
7枠【36-28-29-301】勝率9.1%/連対率16.2%/複勝率23.6%
8枠【29-27-26-316】勝率7.3%/連対率14.1%/複勝率20.6%

枠別成績では大きな偏りはなく、2枠と中枠からやや外あたりが比較的安定している。特に注意すべき点はないが、小回りコースにしては1枠の回収率が芳しくないことは頭の片隅に入れておきたい。

重賞に限定すると8枠が【1-2-3-6】と半数が馬券圏内に入っている。開催が進んで内のアドバンテージが消えた舞台では外々を通ってもロスが許容される場合が多いのがその理由だろう。また該当馬のうち、前走上がり最速は【1-1-1-0】とパーフェクトだ。

小倉芝1800m・過去5年の脚質別成績,ⒸSPAIA


<小倉芝1800m・過去5年の脚質別成績>
逃げ【28-16-20-162】勝率12.4%/連対率19.5%/複勝率28.3%
先行【105-104-79-444】勝率14.3%/連対率28.6%/複勝率39.3%
差し【53-69-76-808】勝率5.3%/連対率12.1%/複勝率19.7%
追込【14-15-30-754】勝率1.7%/連対率3.6%/複勝率7.3%

小回りコース、かつ直線が短く平坦とあって前が圧倒的に有利。後方勢はスパイラルカーブを活かして勝負所までにポジションを確保する必要がある。

重賞ではよりその傾向が顕著で、追込が【0-0-3-21】と連対がない。逃げも【0-0-1-5】と連対がなく、番手のポジションが最も好成績。前走先行で一桁着順を確保した馬が【4-2-1-9】複勝率43.8%、単複回収率200%超え。安定感・妙味ともに文句なしで、該当馬から馬券を組みたいところだ。

社台系のドゥラメンテ産駒を信頼

小倉芝1800m・過去5年の種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<小倉芝1800m・過去5年の種牡馬別成績>
ディープインパクト【33-26-22-131】勝率15.6%/連対率27.8%/複勝率38.2%
ハーツクライ【12-9-15-101】勝率8.8%/連対率15.3%/複勝率26.3%
ドゥラメンテ【8-3-4-20】勝率22.9%/連対率31.4%/複勝率42.9%
ロードカナロア【4-4-8-71】勝率4.6%/連対率9.2%/複勝率18.4%

種牡馬別成績ではディープインパクト産駒が質・量ともに素晴らしい成績。4割近い複勝率のほか、単勝回収率も100%を上回っており、困ったらディープで問題ないだろう。重賞でも4番人気以内では【1-1-1-0】と崩れていない。

長らくディープと二大巨頭を張ってきたハーツクライは一枚劣るもののまずまず。今年は【0-2-3-18】と今一つの数字だが、単勝回収率は全体で86%と水準以上だ。近年数字を上げているドゥラメンテは社台系生産だと【6-2-1-2】と素晴らしく、今年の小倉大賞典もアリーヴォが見事に勝ち切っている。一方同じキングカメハメハ系でもロードカナロアは低調だ。

小倉芝1800m・過去5年の騎手別成績,ⒸSPAIA


<小倉芝1800m・過去5年の騎手別成績>
川田将雅【17-11-5-16】勝率34.7%/連対率57.1%/複勝率67.3%
福永祐一【14-5-4-13】勝率38.9%/連対率52.8%/複勝率63.9%
今村聖奈【1-1-1-5】勝率12.5%/連対率25.0%/複勝率37.5%
松山弘平【13-11-9-62】勝率13.7%/連対率25.3%/複勝率34.7%

騎手別では川田将雅騎手と福永祐一騎手のツートップ。川田騎手は複勝率67.3%で、3回中2回は3着以内に好走している計算だ。重賞でも【2-1-0-1】とむしろ信頼度が向上する。福永騎手は継続騎乗なら【6-0-1-3】と勝ち切るケースが多く、単系馬券を仕込む価値がありそうだ。

先日うれしい重賞初勝利を挙げた今村聖奈騎手も悪くない数字で、カデナとのコンビで早くも重賞2勝目を飾るチャンスがある。その他松山弘平騎手も単勝回収率108%と買えるジョッキーに名を連ねている。

小倉芝1800m、コースデータ,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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