【函館記念】中山芝2000m戦の勝ち馬が高回収率 東大HCの本命はアラタ

東大ホースメンクラブ

函館記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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波乱必至、難解な一戦

今週日曜、函館競馬場でGⅢ函館記念が行われる。昨年の天皇賞(秋)、ジャパンC4着など実績最上位のサンレイポケット、目黒記念で2着に健闘したマイネルウィルトス、函館コース2戦2勝のアラタなど粒ぞろいのメンバー構成だ。

毎年のように高配当が飛び出す難解なレース。過去10年のデータを紐解きながら、出走馬のコース相性に注目して予想を組み立てたい。


機動力が問われるコース

過去10年函館記念・芝2000m戦勝利経験別成績,ⒸSPAIA


<函館記念 芝2000m戦勝利経験別成績>
阪神【4-1-1-10】勝率25.0%/連対率31.3%/複勝率37.5%
中山【4-2-2-25】勝率12.1%/連対率18.2%/複勝率24.2%
福島【1-1-3-14】勝率5.3%/連対率10.5%/複勝率26.3%
函館【2-1-2-18】勝率8.7%/連対率13.0%/複勝率21.7%
東京【3-3-1-30】勝率8.1%/連対率16.2%/複勝率18.9%
※過去10年

函館コースはこぢんまりとしたつくりで勝負どころでの機動力が大きく問われるため、コース形態が似た競馬場での勝利経験が参考になる。ここでは他場の芝2000m戦で勝利経験があった馬の成績を、勝った競馬場ごとに確認していく。

最も安定しているのは阪神の芝2000m勝利経験馬。内回りコースという形状に加え、関西主場のため出走馬の質が高い点も要因のひとつだろう。今年の該当馬はサトノクロニクル、スカーフェイス、フェアリーポルカの3頭。

関東主場の中山芝2000m勝ち馬も悪くない数字で、中でも前走で5着以内だと【4-1-2-10】複勝率41.2%を記録。単勝回収率は195%をマークし、馬券的妙味も十分だ。福島、函館は複勝率ベースだと上記2場と遜色ないが、勝ち切れない傾向がみてとれる。

一方、数字が落ち込んでいるのは東京組。レースレベルを考えれば首をかしげたくなる成績で、函館記念で求められる適性とマッチしていないのだろう。該当馬はギベオン、ジェネラーレウーノ、ランフォザローゼス。回収率も単複60%台と平凡で評価を下げたい。またサンレイポケット、マイネルウィルトスが該当する新潟組は【2-0-0-6】。勝ち馬2頭はともに新潟のレースを4角4番手以内から制した実績があり、マイネルウィルトス(21年福島民報杯を4角4番手から勝利)はOKだが、サンレイポケットは疑う余地がありそうだ。


絶好の舞台、ここが買い時

◎アラタ
以上のデータを踏まえ、本命は中山芝2000mで勝ったことがある同馬に打った。3走前の福島記念はパンサラッサ、2走前の金鯱賞はジャックドールという個性派の逃げ馬がいたことで、先行してのしぶとい末脚という持ち味を生かせず。前走はスローの展開で逃げを打ったものの、決め手勝負になり一枚劣ったという印象。2戦2勝の函館に戻ったここが買い時だろう。若武者・横山武史騎手を背に重賞初制覇を飾ってほしい。

◯マイネルウィルトス
前走の目黒記念は見せ場十分の2着。昨年の同レースは8着も、叩いた次走の札幌記念で超強力メンバー相手に4着と、使った方がよいタイプ。休み明けで重賞好走の今年はさらなる上積みが期待でき、道中ポジションを上げる競馬で堅実に上位争いに食い込んできそうだ。

▲ウインイクシード
人気薄からは同馬を指名。小回りコースを中心に先行してしぶといスタイルで、前が比較的手薄な展開を味方につけられそうだ。巴賞でも小差の競馬を演じ、8歳になった今も衰えはない。福島芝2000mを制した経験もあり、直線で粘り切っての馬券絡みは十分ある。

以下サトノクロニクル、スカーフェイス、アイスバブルまで印を回す。サンレイポケットは前述したデータの不振に加え、洋芝・小回りコースへの適性を疑問視して買い目から外した。馬券は◎を軸に据え、印を打った馬へ流す馬連とする。

▽函館記念予想▽
◎アラタ
◯マイネルウィルトス
▲ウインイクシード
△サトノクロニクル
×スカーフェイス
×アイスバブル

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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