【函館2歳S】好データは関西馬×キンシャサノキセキ産駒 2017年優勝馬に重なるミシェラドラータ

門田光生

函館2歳Sの所属別成績(過去10年 ※地方馬は全て着外),ⒸSPAIA

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関西馬が優勢

2022年7月16日に行われる第54回函館2歳ステークス。ついこの間新馬戦が始まったと思ったら、もう今年最初の2歳重賞である。この仕事をしていると、あっという間に時が過ぎている気がするが、ほかの業種も同様の感覚なのだろうか。

それはさておき、この時期の2歳重賞といえば、スピードと仕上がりの早さが重要なイメージがある。果たして実際にそのような傾向は出ているのか。今回も過去10年の成績を基にして好走データに合致する馬を探り出していきたい。

函館2歳S出走馬の所属,ⒸSPAIA
函館2歳S出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆所属と性別
中立の地といえる北海道で行われるこのレース。東西の出走頭数は美浦68頭、栗東64頭でほぼ互角。ただ、栗東8勝に対して美浦2勝と大きな差がある。勝ち馬を探すなら栗東所属馬の方がよさそうだ。

性別は牡馬・セン馬、牝馬とも5勝10連対。出走頭数もほぼ変わらないので互角だ。ただ、美浦所属の牡馬・セン馬に限れば未勝利。これに当てはまる馬は少し割り引く必要がある(今年の該当馬はオマツリオトコ、スプレモフレイバー、ニシノシークレット)。

函館2歳S出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆キャリア
キャリア1戦の馬が7勝15連対、キャリア2戦は3勝5連対。それを超えると馬券に絡んだ馬すらいないが、今年は該当馬なし。また、栗東所属の牡・セン馬で、かつキャリア2戦だと【2-0-0-2】となり、半分が勝利している。

函館2歳出走馬の前走場所,ⒸSPAIA


☆前走場所
函館デビュー馬、または前走で函館を走っていた馬が10勝18連対。残る2頭の2着馬は阪神、札幌で走っていた。なお前走札幌は、函館と開催の順番が前後した昨年のみ該当。今年は当てはまらないので無視できる。よって、函館か阪神以外で走っていた馬は連の対象から外していいことになる。

函館2歳S出走馬の前走脚質,ⒸSPAIA


☆前走脚質
連対馬20頭はすべて前走1着で、そのほとんどが短距離戦。逃げ、先行が多くなるのも当然の結果といえる。その内訳は、逃げ3勝7連対、先行7勝12連対。勝率、連対率も先行馬の方が上回っている。一方、後方待機馬の成績はひと息で、差し【0-0-0-7】、追い込み+まくりは【0-1-0-8】と、勝ち馬が出ていない。

函館2歳Sにおけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
その他で気になったデータを挙げていく。まず種牡馬だが、キンシャサノキセキが1勝3連対でトップ。出走頭数も8頭だから悪くない数字だ。

一方マイナスデータだが、関東馬に栗東所属騎手が騎乗すると【0-0-2-20】と結果が出ていない。滞在馬が多く、調教師と騎手で所属の違う組み合わせはよく発生する。今年もゴキゲンサンとミスヨコハマが該当している。

また地方馬が多いのだが、前走でダートを走っていた馬も【0-1-0-35】と苦戦。唯一連対したのは2020年2着のルーチェドーロで、デビュー戦となったダート1000mでレコード勝ちを収めていた。最後におまけデータだが、なぜか前走で10頭立てのレースで勝利した馬が4勝。ほかの頭数と比べて成績がよくなっている。

実績あるキンシャサノキセキ産駒

函館2歳Sのデータをまとめてみよう。まず好走データだが、A「栗東所属」B「前走で先行」C「キンシャサノキセキ産駒」D「前走が10頭立て」。

好走確率が下がってしまうのはE「美浦所属の牡馬・セン馬」F「前走が差し・追い込み」G「前走がダート戦」。連対がないのはH「キャリア3戦以上」I「前走が北海道、阪神以外」J「関東馬×栗東所属騎手」。

2歳世代初めての重賞ということで使えるデータが少なく、さらに今年はキャリアも1~2戦の馬のみ。データ予想的には難解な部類に入ると思うが、限られた材料しかないので当てはめやすいとも考えられる。

今回、好走データに最も多く該当したのがミシェラドラータ。ここ10年で連対馬を最も多く出しているキンシャサノキセキ産駒というのが特に魅力だ。栗東所属(清水久詞厩舎)で2戦1勝というのは、2017年の勝ち馬で、同産駒のカシアスと全く同じパターンとなる。

前走で逃げた馬より、先行馬の好走確率がいいということで、その中でも勝率がいい栗東所属馬、かつマイナスデータを持っていないのはアスクドリームモア、クリダーム、ブトンドールの3頭(オボロヅキヨは過去10年で連対なしの未勝利馬なので除外)。残る馬はAとB両方の条件を持っていないということで、今回はこの4頭BOXで勝負してみたい。

◎ミシェラドラータ
◯アスクドリームモア
▲クリダーム
△ブトンドール

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
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