【JDD】3歳ダート王に輝いたノットゥルノ 武豊騎手は3回目の”ダブルダービー”制覇達成

三木俊幸

2022年JDD、ノットゥルノ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

大井コースで逆転

レースは前日から当日の朝にかけて激しい雨が降り続き、水が浮くほどの不良馬場となった。一旦雨はあがったものの、発走5分ほど前から再び雨が降り始めると、その勢いは激しくなっていった。

そうしたコンディションの中で行われたジャパンダートダービー(JpnⅠ・ダート2000m)。勝利したのは武豊騎手騎乗の4番人気ノットゥルノだった。

前走の兵庫CSでは、今回1番人気に支持されたブリッツファングから1.3秒離された2着。しかし、跳びの大きい走りをするタイプということもあり、大井の外回りコースで距離延長という条件替わりが逆転に繋がった。

スタート直後、正面スタンド前での先行争いは地元大井のリコーヴィクターが後続の様子を伺いながら先頭に立つ。2番手にブリッツファング、3番手には初ダートとなったコマンドラインが続いて12.2-11.3-12.0(35.5)というペースで2角に差し掛かると12.8とペースダウン。

ノットゥルノはそれらを見る形で5番手を追走。1000mを通過するあたりで先行グループが一団となると、武豊騎手は3角で3番手の外に押し上げる。4角でリコーヴィクターが後退していくと、ブリッツファングと並んで最後の直線へと向いた。

しばらく2頭が並んでの追い比べとなったが、残り200mでノットゥルノが先頭へ。そこへペイシャエスがジワジワと差を詰めてくるが、武豊騎手の右ムチに応えて3/4馬身差、2:04.6というタイムでゴール板を駆け抜けた。


2022年JDD、ノットゥルノ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


2着のペイシャエスは道中ノットゥルノとほぼ同じポジションのインコースをロスなく追走していた。伏竜Sではノットゥルノからアタマ差の3着、前走のユニコーンSで重賞を勝利していただけに力は示せた一戦だったと言えるだろう。

3着はブリッツファング。兵庫CSと同様に早めに抜け出す形に持ち込み、最後バタっと止まった感じではなかったが、ペイシャエスに1/2馬身差つけられた。能力は上位だが、やはり力のいる馬場の方がよりベストなのかもしれない。

JDDは17年ぶり4度目の制覇

武豊騎手は2002年ゴールドアリュール、2003年ビッグウルフ、2005年カネヒキリでジャパンダートダービーを勝利しており、17年ぶり4度目の制覇。「今日はチャンスがあると思い、なんとか結果を出したいという気持ちが強かったのですごく嬉しいです」と振り返った。

さらに今年は日本ダービーをドウデュースで制しており、2002年と2005年に続いて、3度目の芝・ダートでの”ダブルダービー”制覇を達成した。最後は「僕は53歳ですが、馬は3歳なので今後も一緒に頑張っていけたらと思います」と武豊騎手らしい言葉で締めくくった。


2022年JDD表彰式、武豊騎手,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


また管理する音無秀孝調教師は次走の予定について、これからオーナーと相談すると前置きした上で、秋ごろになるとの見解を示した。夏休みを経て、古馬との対戦でどのような走りを見せてくれるのか楽しみにしたい。


2022年JDD口取り式,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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