【競馬】ベテランの買い時は7月! 「高齢馬」の買える条件・買えない条件

東大ホースメンクラブ

7歳以上馬の買える・買えない条件

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7歳以上馬が大挙出走

今週日曜、函館競馬場でGⅢ函館記念が行われる。昨年秋の東京GⅠで大健闘したサンレイポケット、前走目黒記念2着のマイネルウィルトス、大阪杯で目を引くキレ味を披露したスカーフェイスなどが夏の伝統レースに集結した。

この一戦にはサンレイポケットを筆頭に、先行してたびたび穴を開けるウインイクシード、ギベオン、昨年の同レースで14番人気2着と大波乱を巻き起こしたアイスバブルなど、7歳以上の「高齢馬」が実に6頭出走予定。今回はデータを参考に「高齢馬」(ここでは7歳以上と定義)の買える条件・買えない条件を概観していく。(データは2012年1月1日~2022年7月13日)

7月は比較的好調

7歳以上馬の買える条件,ⒸSPAIA


<高齢馬(7歳以上馬)を買える条件>
7月【60-82-89-1287】勝率4.0%/連対率9.4%/複勝率15.2%
キャリア16-20戦【49-46-49-664】勝率6.1%/連対率11.8%/複勝率17.8%
芝3000m以上【7-11-13-222】勝率2.8%/連対率7.1%/複勝率12.3%
障害戦【354-390-331-2794】勝率9.1%/連対率19.2%/複勝率27.8%

まずは「買える条件」を概観していく。

前提として、高齢馬は全体で複勝率12.9%と苦戦傾向。単複回収率も60%前後に留まっており、狙えるケースはそう多くない。

そんななか月別で最も複勝率が高いのはなんと7月。先週のプロキオンSで8歳馬のヒストリーメイカーが14番人気2着、7歳馬のサクラアリュールが12番人気3着と激走し、3連単70万馬券を演出したのが記憶に新しい。おととしの函館記念でも7歳馬ドゥオーモが13番人気2着、過去10年で7頭が馬券に絡んでいる。猛暑に負けないベテランを我々も見習いたいところだ。

キャリアが浅い、いわゆる「使い減り」していない馬も好調。特にキャリア16~20戦の枠に入っている馬がよく、芝に限ると複勝率2割超え。馬券的な盲点となっているために単勝回収率139%・複勝回収率101%と黒字域だ。函館記念の出走馬ではジェネラーレウーノがキャリア19戦で該当。函館出身の丹内祐次騎手を背に久々の重賞好走があるかもしれない。

距離別では経験が問われやすい長距離戦で好調。芝3000m以上での単回収率155%はおととしのダイヤモンドSを16番人気で制したミライヘノツバサに因るところが大きいが、人気馬も一定の安定感を誇る。これとリンクするように、障害戦でも好成績となっている。

牝馬は苦しい戦いに

7歳以上馬を買えない条件,ⒸSPAIA


<高齢馬(7歳以上馬)を買えない条件>
12月【28-45-42-998】勝率2.5%/連対率6.6%/複勝率10.3%
父ナスルーラ系【33-44-48-1161】勝率2.6%/連対率6.0%/複勝率9.7%
牝馬【35-62-81-1943】勝率1.7%/連対率4.6%/複勝率8.4%

次に「買えない条件」をみる。

最も厳しいのが12月。力をつけてきた3歳馬が依然斤量面で恵まれるため、ベテランは当然ながら劣勢に立たされる。芝では単勝回収率23%・複勝回収率45%、複勝率7.1%と妙味、好走確率ともに乏しいため、評価を下げたい。

血統では父ナスルーラ系が複勝率1割以下。ダートはともかく、主戦場としている芝では複勝率6.4%とより低調な数字だ。また、現役生活を長く続けることが少ない牝馬も勝率1.7%。ごくわずかな例外を除いて苦しい。

7歳以上馬の買える条件・買えない条件,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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