【七夕賞】基本は逃げ先行も、雨降れば差し届くレースに 東大HCの本命はプリマヴィスタ

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七夕賞インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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夏を彩る「七夕三冠」

今週日曜、福島競馬場でGⅢ七夕賞が行われる。前走天皇賞(春)4着のヒートオンビートを筆頭格に、福島民報杯を圧勝したアンティシペイト、前年の福島記念2着があるヒュミドールなどがエントリー。同日施行の織姫賞・彦星賞と「七夕三冠」を構成する夏の名物レースに16頭が集結した。

ヒートオンビートを除けばほぼ横一線のメンバーで、ハンデ戦らしく難解な一戦。クセのある福島コースの適性を考慮しながら予想を組み立てたい。


ハナ争いと雨がポイント

過去10年七夕賞脚質別成績,ⒸSPAIA


<過去10年の七夕賞 脚質別成績>
逃げ【1-1-1-7】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率30.0%
先行【6-3-4-23】勝率16.7%/連対率25.0%/複勝率36.1%
差し【3-5-4-47】勝率5.1%/連対率13.6%/複勝率20.3%
追込【0-1-1-44】勝率0.0%/連対率2.2%/複勝率4.3%
マクリ【0-0-0-1】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

コースの性格を把握するため、過去10年の脚質別成績を概観する。

基本的には逃げ・先行勢が恵まれる舞台。ともに複勝率3割台で、好位から運ぶタイプが最後に前を捉える展開が多い。

ただ差し馬も3勝2着5回と無視できない数字。勝ち馬3頭中2頭が稍重・重馬場での差し切り、残る1頭(2018年のメドウラーク)も当週土曜時点では稍重の芝コンディションだった。今週土日の福島は一雨ありそうで、後方待機勢にも席はあると見る。とはいえ4角10番手以下は【0-1-1-45】、唯一連対した2012年のトーセンラーは翌年のマイルCSを勝っており、GⅠ級でもなければ直線一気の戦法は通用しない。道中で動ける機動力が必要となりそうだ。

今年のレースはトーラスジェミニ、ヤマニンデンファレ、ロザムールなどが逃げ候補。前半5F60秒台の逃げが多いロザムールが番手で、マイル戦でも逃げられるスピードを持ったトーラスジェミニと、50kgの軽ハンデで臨むヤマニンデンファレのハナ争い、ハイペースになりそうだ。2頭を前に見つつ勝負どころで長くいい脚を使う先行勢を中心に、前に付き合わず、3角あたりで中団からポジションを上げるタイプにも目を配りたい。


軽ハンデ生かして末脚伸ばす

◎プリマヴィスタ
以上のデータを踏まえ、本命は近2走が光る同馬に打った。1年以上馬券圏内がなかったものの、休養明けの2走前で見違えるような走りを見せて準オープンを突破、前走の目黒記念は8着ながら勝ち馬ボッケリーニと0秒3差にまとめた。道中は中団から徐々に進出、53kgの軽ハンデを生かしてしぶとく末脚を伸ばすイメージ。馬券的妙味もありそうだ。

◯ヒートオンビート
前走天皇賞(春)4着。タイトルホルダーに0秒1差まで迫った日経賞など、このメンバーでの実力上位は明白。ドスローから32秒台の上がりを使った昨年の目黒記念2着、上がりがかかった中山金杯3着などどのような展開でも堅実に走ってきた。ただ勝ち切れない側面があるのも事実で、断然の人気が想定されそうだが確勝級というほどの信頼は置けない。あくまで3連系の相手筆頭として評価したい。

▲ショウナンバルディ
昨年の同レース3着馬で舞台適性は十分。近3走の2000m戦で馬柱を汚しているものの、不得意な高速決着とハイレベルなメンバー構成で度外視できるだろう。57kgのハンデがカギとなりそうだが、昨年夏のGⅢ戦線での走り、陰りのない先行力を見直して狙いたい一頭だ。

以下ヤマニンデンファレ、アンティシペイト、エヒトまで印を回す。馬券は◎を軸に据え、印を打った馬へ流す3連複とする。

▽七夕賞予想▽
◎プリマヴィスタ
◯ヒートオンビート
▲ショウナンバルディ
△ヤマニンデンファレ
×アンティシペイト
×エヒト

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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