【プロキオンS】サンライズウルスの前走は重賞級の好時計 血統的に小回り適性もあり!

坂上明大

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船橋ダ2400mでのスタミナ勝負

昨年同様に小倉競馬場を舞台に行われるプロキオンS。中京ダ1400mから小倉ダ1700mとまったく異なる条件に移るうえ、今年も登録馬には逃げ馬がズラッと並んだ。ペース適性も含め、参考レースから各馬の特徴を整理していきたい。

【ダイオライト記念】
ノーヴァレンダが先手を取り、淀みないペースでの逃げ。前後半1000m63.7-67.0の前傾3.3秒、かつラスト1F14.6秒とかなり上がりがかかっており、船橋ダ2400mらしいスタミナ勝負となった。

2着エブリワンブラックは集団馬群の後方で脚をタメ、2周目向正面から進出開始。前半で楽をした分の展開利は大きく、早仕掛けからしぶとく2着を確保した。キタサンブラックの全弟で、豊富なスタミナが持ち味。ただ、小倉ダ1700mは少々忙しいか。

6着ヴェルテックスは中団外目で流れに乗ったが、直線も目立った脚を使えず。馬体重9キロ増が影響したか。川崎記念3着の実績は今回のメンバーでは上位であり、立て直せているかがポイントだろう。

好内容でダート戦初勝利

2022年プロキオンSの参考レース,ⒸSPAIA



【吾妻小富士S】
金曜からの断続的な雨の影響で重馬場での開催。レースはメイショウウズマサが先手を取ったが、向正面に向くとニュートンテソーロが掛かり気味に並び掛けてきたため、ラスト800mのロングスパート勝負となった。

1着ラーゴムは押して好位の外目を確保。直線半ばで2着馬サンライズラポールに前に出られたが、ゴール前で差し返してダート戦初勝利を挙げた。斤量58キロ、かつ終盤の失速度を考慮すれば数字以上の評価が必要だろう。課題はゲート。

7着エクレアスパークルはスタート後に挟まれてゴチャつく形に。その後はスムーズに運べたが、直線は目立った脚を使えなかった。5、6着馬との差は感じないが、ラーゴムには力差を見せつけられた形だ。

9着メイショウウズマサはスッと先手を取ったが、向正面でペースを上げざるを得なかったことが響いた形。展開の助けが必要だが、マイペースの逃げなら昨年のような粘り込みも見込めるか。

良血馬が好時計でOP入り

【立夏S】
1着サンライズウルスは好位追走から上がり3F最速の末脚で3馬身差の快勝。東京ダ1600m(良)で走破時計1.36.0以下、かつ上がり3F35.2以下を計時したのは本馬が10頭目で、重賞級の数字と評価してよさそうだ。下総Sでは初の2ターン競馬でコーナリングに課題を見せたが、フェアリードール牝系らしい頭の高い走りをしており、血統的には小回り向きの可能性が高い。2度目で課題を克服できれば、重賞でも十分に通用する器だろう。

4歳馬の勢いに期待

今年も逃げ馬多数のメンバー構成。昨年は高速馬場で行った行ったの競馬となったが、馬場が変われば差し馬にも台頭の余地がありそうだ。サンライズウルスは前走が好時計での快勝。血統的には小回り適性も高く、今年も勢いに乗る4歳馬に注目したい。人気薄では昨年2着のトップウイナーに要注意。暖かい時季の軽いダ1400~1700mがベストだけに、昨年のような馬場になれば激走があっても不思議ではない。

注目馬:サンライズウルス、トップウイナー

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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