【七夕賞】ハイブリッド式消去法で残ったのは3頭! 良馬場ならアンティシペイト、道悪なら昨年2着ロザムール

八木遊

過去10年の七夕賞 『休み明け2戦目』かつ 『前走初角7番手以内』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『CBC賞』は、タイセイビジョンとファストフォースの二強と見ていたが、枠順を見て本命をレジェーロに変更。これが裏目に出てしまった(いずれにしても外していたが……)。

今週は日曜日に福島競馬場で行われる『七夕賞』を予想していく。いつも通り過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を順番に消去していきたい。

『休み明け2戦目』×『前走初角7番手以内』★0.0%★

まず注目したのは、七夕賞に至るローテーションだ。ここでは、中9週以上を“休み”と定義したときの休み明け2戦目の馬を取り上げたい、過去10年の成績は【1-1-0-30】(複勝率6.3%)と好走例は少なかった。

この時点で複勝率は10%を切っているが、ハイブリッド式ではもう一つのデータを掛け合わせる。今回用いるのは前走時の初角通過順。最初のコーナーを7番手以内で通過していた馬は【0-0-0-19】(同0.0%)と、七夕賞では全19頭が4着以下に沈んでいた。

今年この条件に当てはまったのは、除外対象(*)のゴールドスミス、昨年の覇者トーラスジェミニ、そしてマウントゴールドの3頭だった。いずれの馬も近頃は凡走が続いており、今年のメンバー相手では馬券圏内は厳しいだろう。

【今年の該当馬】
・ゴールドスミス*
・トーラスジェミニ
・マウントゴールド

『前走1800m』×『前走時馬体重増』★0.0%★

続いては距離に注目。ここでは前走1800mを走っていた馬を取り上げたい。過去10年の成績は【3-1-2-34】(複勝率15.0%)と、1ハロンの距離延長は好結果につながっているとは言い難い。特に苦戦しているのが、前走時に馬体重を増やしていた馬。この条件には16頭が当てはまっていたが、全て4着以下に敗れていた。

今年は1頭だけがこの条件に合致。3勝クラスからの格上挑戦となるヤマニンデンファレを消去する。

【今年の該当馬】
・ヤマニンデンファレ

『前走から距離短縮』×『非SS系』★0.0%★

続いても距離に注目した。ここでは前走2000m超を使われていたいわゆる距離短縮組をピックアップ。過去10年の成績は【1-2-2-30】(複勝率14.3%)とやや苦戦傾向だ。これに掛け合わせるのは血統データ。ポイントとなるのは父系がサンデーサイレンス(SS)系かどうかで、SS系の【1-2-2-16】(同23.8%)に対し、非SS系は【0-0-0-14】(同0.0%)と全滅だった。

今年この条件に当てはまったのは以下の4頭。1番人気が予想されるヒートオンビートは前走から間隔が空いているとはいえ、3200mの長丁場を走った疲労が残っていてもおかしくない。ここでは思い切って消しという判断を下したい。

【今年の該当馬】
・エヒト
・シークレットラン
・ヒートオンビート
・モズナガレボシ

『前走中央4場』×『前走9番人気以下』★3.8%★

4つ目は開催場所をピックアップ。注目したのは前走を中央4場(東京・中山・京都・阪神)で走っていた馬だ。過去10年の成績は【10-4-6-97】(複勝率17.1%)で、複勝率は前走ローカル(札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉)の【0-5-4-24】(同27.3%)をかなり下回っている。特に、前走で9番人気以下だった馬は【2-0-0-50】(同3.8%)と、52頭中2頭しか馬券に絡んでいない。

今年は以下の7頭がこの条件に当てはまった。3頭は消去済みなので、新たに消去リストに載るのはヒュミドールやレッドジェネシスなどとなった。

【今年の該当馬】
・(エヒト)
・(トーラスジェミニ)
・ヒュミドール
・フォルコメン
・プリマヴィスタ
・(モズナガレボシ)
・レッドジェネシス

『関西馬』×『今回7~8枠』★5.3%★

ここまで4つの条件を終えて、17頭中12頭を消去した。最後は所属厩舎と七夕賞での枠順の組み合わせを取り上げたい。関西馬は過去10年で【5-5-6-60】(複勝率21.1%)と決して悪くない。ただし、外目の7~8枠に入った馬は【0-1-0-18】(5.3%)と苦戦していた。

残っている5頭のうち、関西馬はショウナンバルディとヴァンケドミンゴの2頭。もし7~8枠に入ったときは迷いなく消去する。

【今年の該当候補】
・ショウナンバルディ
・ヴァンケドミンゴ

5つの条件を終えて、確実に残るのは、アンティシペイト、エヴァ―ガーデン、ロザムールの3頭となった。これまでの戦績から良馬場ならアンティシペイト、稍重、重、不良のいずれかならロザムールを本命としたい。週末にかけての天気予想を見る限り、昨年2着のロザムール向きの馬場になりそうだが、果たしてどうか。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は61.4%(7月3日現在)。

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