【プロキオンS】先行勢有利な小倉ダ1700m 京大競馬研の本命はゲンパチルシファー

京都大学競馬研究会

プロキオンSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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先行勢圧倒的有利な小倉ダ1700m

7月10日(日)に小倉競馬場で行われるプロキオンS(GⅢ・ダート1700m)。昨年は9番人気メイショウカズサが押し切り、また2、3着馬は14、12番人気と波乱の結果となった。以下では、過去の小倉ダ1700mの傾向に着目して予想を進めていく。

2017年以降同条件脚質別成績,ⒸSPAIA


まず2017年以降に小倉ダ1700mで行われた3勝クラス以上のレース(計25レース)における、4角位置別成績について調べた。

4角5番手以内の馬と6番手以降の馬では成績に大きな違いがある。5番手以内の馬は【19-24-11-86】で勝率13.6%、連対率30.7%、複勝率38.6%と好成績を残しており、特に2着馬に関しては25頭中24頭を占めていた。唯一の例外となったのは2019年阿蘇Sだが、このレースは1~3着馬の4角位置が13,8,13番手(15頭立て)という稀なケース。基本的に2着馬までは先行勢で考えるのが得策であろう。理由としては小回りで直線が短い点、3・4角がやや下り坂かつ直線が平坦で先行馬が垂れにくい点などが考えられる。

一方、4角6番手以降の馬は【6-1-14-197】。勝率2.8%、連対率3.2%、複勝率9.6%となっており、先行勢と比べると厳しい結果となっている。今回人気を集めそうな馬だとサンライズウルス、サンライズノヴァの同馬主2頭は後方からの競馬となりそうなので、評価を割り引きたい。


小倉ダ1700mでも実績十分・川田将雅

2017年以降小倉ダ1700m騎手別成績,ⒸSPAIA


次に、今回のレースに騎乗する有力ジョッキーの小倉ダ1700mにおける成績を調べた。

圧倒的な成績を残しているのは現在のリーディングジョッキーである川田将雅騎手だ。勝率29.8%、連対率47.4%、複勝率は50.9%で他の騎手と比べて2倍に迫る数値を記録している。次に注目したいのは北村友一騎手。勝率は10%を超えており、複勝率も30%超など安定した成績を残しているが、最も注目すべきは回収率だ。単回収率は109%、複回収率は99%で川田騎手を上回る。人気馬ではなくても北村騎手騎乗なら注意したい。復帰後は本調子ではなさそうだが、先週の日曜小倉7Rでは同コースで3着に入っており、このコースであれば十分買える。

今回騎乗する他のジョッキーでは、鮫島克駿騎手、和田竜二騎手、松山弘平騎手は安定しているが、川須栄彦騎手(ユニコーンライオン)は他の人気馬に騎乗する騎手と比べると数値上は劣っている。


先行馬中心の予想、天候にも注意

◎ゲンパチルシファー
前走スレイプニルSは先行勢には比較的楽な展開になったとはいえ、少し長い印象を受ける2100mで3着。近走は出遅れてまともな競馬にならなかったベテルギウスS以外で距離問わず4角を5番手以内で通過できており、今回のメンバーなら先行できそうだ。鞍上も前述の通りコース相性のよい川田騎手を配し、同馬自身、小倉ダ1700m【1-1-2-0】と好相性だ。状態面もひと叩きして良化しているようなので心配はない。重賞初挑戦となった東海Sでは0.9秒差の7着に敗れたが、その際より展開・相手関係・騎手の全てにおいてプラスの要素があるので、勝ち負けになるだろう。

◯メイショウウズマサ
昨年は12番人気で3着に食い込む波乱を巻き起こした。先行力がかなり高く、近3走は1400m~1700mと距離はバラバラながら逃げの競馬ができており、このメンバーであればハナを切れるだろう。前走アハルテケSでは59kgの斤量を背負いながら3着、OPクラスで戦える力は付けている。昨年同様、展開的にかなり恵まれそうなので、56kgに斤量減となる点も含めて評価したい。

▲ヒストリーメイカー
前走は後方で大敗を喫したが、アンタレスSでは前にいた馬には厳しい展開になりながらも3着と0.5秒差の9着、マーチSでは錚々たるメンバーの中3着に入るなどまだまだ重賞で通用する力は持っている。このメンバーで先行できるかどうかは未知数だが、若手騎手に乗り替わって前走より積極的な競馬が出来れば、馬券内に食い込んでくる可能性は十分ある。前走の敗戦でオッズ的な魅力も生まれそうだ。

△アルドーレ
近走は斤量面で苦しい状況に置かれることが多く成績が安定してこないが、56kgであれば重賞でも通用する力は見せている。気持ちの面でレースに集中しきれない所があるために、常に先行できている訳ではないが、剛腕系の騎手である和田騎手起用は位置取りの面でかなりプラス。とはいえ◎◯に推した馬と比べて不確実な面が大きいのでこの評価に留める。

×ラーゴム
前走内容は強い。しかしダートであれば良馬場より道悪の方がよさそう。砂を被りにくい大外はプラス。

×エクレアスパークル
アルドーレと同じような競馬が出来れば好走の可能性はある。

買い目は◎◯-◯▲△×の馬連、◎1頭軸から◯▲△×への3連複で勝負。個人的に昨年は大当たりとなったレース。今年はそれほどの波乱が起きるとは考えにくいが、しっかりと当てたい。

▽プロキオンS予想印▽
◎ゲンパチルシファー
◯メイショウウズマサ
▲ヒストリーメイカー
△アルドーレ
×ラーゴム
×エクレアスパークル

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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