【七夕賞】ハンデはむしろ重い方がいい 不調の昨年上位組よりヒートオンビート信頼

佐藤永記

七夕賞過去10年_斤量別成績,ⒸSPAIA

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昨年上位組がそろって低迷中

先週は猛暑到来で梅雨も終わりかと思ったところ、今週に入って雨模様の日々が続いている。週末まで天気は崩れっぱなしのようで、このままいけば荒れるハンデ重賞の七夕賞は4年連続で良馬場以外の開催という可能性が高い。そうなると昨年稍重だった七夕賞の1~4着馬が今年も出走してくるのだから、その馬たちが中心になるのが自然。ところが、正直いずれも順調な戦歴とはいえない。

昨年勝ち馬のトーラスジェミニは七夕賞以降【0-0-0-8】と大敗続き。交流重賞の黒船賞8着以外は全て二桁着順で精彩を欠いているためアテにはしづらい。

2着のロザムールも同じく、七夕賞以降【0-0-0-5】で全て二桁着順。3着のショウナンバルディは【1-0-0-7】で中日新聞杯を昨年末に勝っているが、果たしてここで結果を出せるか未知数だ。4着のマウントゴールドは9歳馬で13着が2回だ。

どちらかといえば新たなる福島重巧者を探したほうがよさそうだが、人気上位になりそうなのは天皇賞(春)4着のヒートオンビートや、福島民報杯勝ち馬アンティシペイト、そして昨年11月に福島記念2着のヒュミドールなど。昨年の七夕賞に出走していない有力馬が揃っている状況で、順位付けは非常に難しいところだろう。

ハンデ戦らしくない57kg優勢傾向

過去10年の七夕賞、斤量別成績,ⒸSPAIA


意外なことに、過去10年の七夕賞を見てみると軽ハンデだった馬の勝利はほとんどない。2018年に勝ったメドウラークの54kgが最軽量なのだが、この年はそもそも12頭立てと少頭数だった。また、最重量ハンデ57kgの一頭で3番人気だったプラチナムバレットが4コーナーで競走中止になっており例外感が強い。

直近は3年連続で57kg以上のハンデだった馬が勝利しており、過去10年でも7勝となっている。福島は小回りでゴール前に緩いながらも坂がある関係上、斤量に負けないような馬がコース適性をもって走ってくる印象だ。

そして2着馬も54kg以上が直近10年で9回と、とにかく53kg以下はあって3着といった印象だ。つまり、荒れるといえど波乱を見据えるなら軽ハンデ馬よりもハンデを背負っている人気薄のほうがよい。斤量の差程度では福島適性を逆転できないのだろう。

重ハンデが活躍している近年の例を考えると、57kgのハンデとなったヒートオンビートを人気でも信頼する一手になりそうだ。他の57kg以上組は昨年七夕賞の1、3、4着馬で占められているが、先に説明したように本調子ではない。ここは重賞戦線で善戦が続くヒートオンビートを信頼してみたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。



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