【ラジオNIKKEI賞】前走皐月賞は危険信号!? フェーングロッテン、ソネットフレーズで福島開幕ダッシュ!

勝木淳

ラジオNIKKEI賞インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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53~55キロが好走ゾーン

クラシック戦線は日本ダービーでひと段落ついたわけだが、そこに駒を進められなかった馬たちは早くも最後の一冠・菊花賞を睨んだ戦いへと進む。秋のトライアルを前に貴重な夏の3歳限定芝中距離重賞は勝ちとりたいレースだ。

一方で06年からハンデ戦に条件が変わり、春にある程度結果を出した馬にとっては斤量という課題も残る。前走クラシック出走馬が必ずしも結果を残すとは限らないという傾向はこのレースを読み解く上で欠かせないファクターだ。開催6日目の施行だった12年を含む過去10年間のデータを使用する。

過去10年ラジオNIKKEI賞人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【2-3-0-5】勝率20%、複勝率50%はこのレースの難しさを物語る。ハンデ戦になった06年以降でも1番人気は2勝のまま。15年アンビシャス、16年ゼーヴィントしかいない。2番人気【3-0-0-7】勝率、複勝率30%、3番人気【1-0-0-9】勝率、複勝率10%と上位人気は極端で、5番人気【1-0-3-6】勝率10%、複勝率40%、8番人気【2-1-0-7】勝率20%、複勝率30%などゾーンを広くとりたい。

過去10年ラジオNIKKEI賞斤量別成績,ⒸSPAIA


ハンデ戦ということで斤量の傾向をみる。3歳同士で、実力伯仲のメンバー構成になりやすいので極端なハンデ差はつかない。53キロ【1-3-5-34】勝率2.3%、複勝率20.9%、54キロ【6-3-3-32】勝率13.6%、複勝率27.3%、55キロ【1-4-0-11】勝率6.3%、複勝率31.3%が好走ゾーンで、オープンではイマイチ結果を残せなかった組の逆襲が多い。56キロ【1-0-1-16】勝率5.6%、複勝率11.1%、57キロ【0-0-0-3】、56.5キロでアンビシャスが勝利しているが、基本的にオープン実績があるトップハンデ付近は疑ってかかりたい。


フェーングロッテン、ソネットフレーズに期待

ではいったい、どんな馬が好走するのか。ここからは前走成績を頼りに具体的に見つけていきたい。

過去10年ラジオNIKKEI賞前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走GⅠが【0-4-2-19】複勝率24%と好走馬こそ出すものの、勝っていない。ここがこのレースの難しさで、クラシック出走馬が必ずしも期待に応えられていない。

過去10年ラジオNIKKEI賞前走GⅠ組レース別成績,ⒸSPAIA


さらに今年、ボーンディスウェイ、サトノヘリオスが該当する前走皐月賞が【0-1-0-6】複勝率14.3%と機能していない。好走は21年皐月賞12着ワールドリバイバルのみ。これがラジオNIKKEI賞11番人気での激走で、5番人気以内【0-0-0-3】と皐月賞出走を根拠に人気に推された組は結果を出していない。

GⅠ組で計算が立つのは前走NHKマイルC【0-1-2-6】複勝率33.3%。好走3頭はいずれもNHKマイルC9着以下であり、ソネットフレーズは好走パターンに合致する。また前走桜花賞は【0-0-0-3】。クロスマジェスティもやや苦しい。

過去10年ラジオNIKKEI賞前走L・オープン組レース別成績,ⒸSPAIA


次に前走オープン・リステッド組【4-2-1-23】勝率13.3%、複勝率23.3%について。その内訳をみると、プリンシパルS【3-0-1-9】勝率23.1%、複勝率30.8%、白百合S【1-2-0-10】勝率7.7%、複勝率23.1%が二枚看板。

今年のプリンシパルS組は5着グランディア、11着ショウナンマグマ。5着以下は【0-0-1-5】とデータ全体を考えると、やや推しにくい。

白百合S組には勝ったフェーングロッテンがいる。3着以内【1-2-0-5】、4着以下【0-0-0-5】なので、フェーングロッテンを推したいところ。重賞2、3着経験がある馬たちにハンデが課せられ、55キロに留まるようなら、中心視まである。

過去10年ラジオNIKKEI賞前走1勝クラス組レース別成績,ⒸSPAIA


最後に前走1勝クラス【3-4-4-49】勝率5.0%、複勝率18.3%について。波乱を期待するとなると狙いたいゾーンだが、数が多く、絞りにくいところでもある。そこで距離別成績を出す。1800m【2-1-1-16】勝率10.0%、複勝率20.0%、1800m超【0-2-2-17】複勝率19.0%と同距離か長い距離での経験がポイントだが、該当馬は大敗が続くミッキーブンブンのみ。1800m未満も【1-1-1-16】勝率5.3%、複勝率15.8%と好走馬を出すものの、やはり確率を考えると、買いにくい。

ラジオNIKKEI賞インフォグラフィック2,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


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