【注目2歳馬】評判馬集結の阪神芝1600m戦はファントムシーフが勝利 デビュー前に垣間見た脚力は本物

三木俊幸

注目2歳馬、ファントムシーフ,ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

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調教のよさを実戦でも発揮

3回阪神開催の開幕週、6月18日(土)に行われた芝1600mの新馬戦には評判馬が集結。制したのは、ハービンジャー産駒のファントムシーフ(栗東・西村真幸厩舎)だった。

好スタートからクリノヒーローがハナを切り、2番手にピヌスアモリス、3番手集団の外にファントムシーフ、内にガルヴァナイズ、そして間にユハンヌスと上位人気の馬たちが先行集団につける形で外回りコースの3角へと向かっていく。

スタートから12.9-11.8-12.7-12.9とゆったり流れ、800m通過は50.3というスローペース。4角から直線にかけての1000〜1200mで徐々にペースが上がり、11.8を刻んだ。

直線に向いて先頭へと並びかけたピヌスアモリス、それをピッタリとマークしてほぼ馬なりで馬体を併せたファントムシーフ。この攻防があった1200〜1400mは10.8と一気にペースアップ、2頭が後続を一気に引き離した。

ファントムシーフの鞍上・和田竜二騎手は残り200mの標識通過とともに追い出し、ピヌスアモリスを振り切ると、最後は余裕を持ちながら11.5でまとめ、1.1/4馬身差で勝利した。

勝ちタイムは1:36.8と平凡ながら、デビュー前に栗東CWコースで2度ラスト10.9をマークした脚力は本物と見せつけたデビュー戦だった。距離が延びてさらに持ち味を発揮しそうなタイプであり、今後どのようなレースを見せてくれるか楽しみにしたい。

そして敗れはしたものの、2着ピヌスアモリスも3着ガルヴァナイズには2馬身半差をつけており、次走すぐに勝ち上がれるレベルにある。

注目2歳馬ファントムシーフの評価,ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

東西の芝1800m戦に注目

今週末は土曜日に東京で、日曜日に阪神でそれぞれ芝1800m戦が組まれている。東京は昨年、のちの皐月賞馬ジオグリフが勝利したレースにあたり、阪神はのちのホープフルS馬キラーアビリティ(新馬戦は5着)を輩出している。目が離せないレースとなりそうだ。

東京で注目したいのはエピファネイア産駒のシャンドゥレール(美浦・国枝栄厩舎)。2週前には美浦Wコースで3頭併せの真ん中に入り、動きの良さを見せ、1週前は6F82.5-65.6-50.7-36.4-23.6-11.6というタイムをマークするなど仕上がりの良さが窺える。

阪神ではチャンスザローゼス(栗東・中内田充正厩舎)。こちらもエピファネイア産駒で2021年のセレクトセールでは藤田晋氏が2億2000万円(税込)で落札した。

1週前には栗東CWコースで5F69.9-54.3-37.8-22.6-10.9という好タイムをマークし、躍動感ある走りを披露している。

その他にもドゥラメンテ産駒・ドゥラエレーデ(栗東・池添学厩舎)、シルバーステート産駒・カルロヴェローチェ(栗東・須貝尚介厩舎)など動きの良さを見せている馬たちも出走予定。素質馬揃いで今年も大物が潜んでいそうだ。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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