【マーメイドS】馬場悪化ならステイブルアスク 軽斤量実績と良以外の経験値で浮上

佐藤永記

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梅雨入りで馬場が悪化しそうなマーメイドS

斤量51kg以下の馬が4連勝しているマーメイドS。牝馬限定のハンデ戦、条件馬の挑戦も多く、人気がアテにならないレースだ。そのうえ、今年は梅雨入りとの兼ね合いをみなくてはいけない。関東はすでに梅雨入りが発表され、近畿地方も今週末あたりから雨予報がちらほらある。そこで今回は、良馬場ではない雨のマーメイドSを想定してみたいと思う。

とはいえ過去10年で良馬場以外だったのは2020年(稍重)のみ。大抵の年は梅雨入り前か、梅雨の合間でうまく馬場の悪化を回避していた。参考例は少ないが、2020年の結果を徹底的に振り返って今年の馬券につなげてみよう。

勝ち馬はサマーセント。逃げ馬を2番手でぴったりマークし、直線で抜け出してセンテリュオの追込を3/4馬身振り切った。3着には4角5番手だったリュヌルージュが逃げたナルハヤをクビ差とらえ切った。

まずは勝ったサマーセントから深掘りしよう。ハンデ50kgで、前走は3勝クラス・下鴨Sで3着とオープン馬ですらなかった。どうやって狙えばよかったのか、過去成績を見ると2つの材料が浮上する。

1つ目は「軽量実績」。マーメイドSと同じ阪神芝2000mの1勝クラスを勝ち上がっているが、この時の斤量が49kgだった。51kg以下でのレースはこの1勝クラスとマーメイドSのみで、軽斤量で実力を発揮する馬だった可能性はある。

2つ目は「近走で良馬場以外を走っていた」こと。前走は良だったが、2走前の美浦S(稍重6着)、3走前の初音S(稍重5着)と、連続して稍重を走っていた。つまりぬかるんだ馬場の経験を積んでいたといえる。

2着馬センテリュオも同様に前走の大阪城S(稍重5着)、2走前の愛知杯(重5着)と良馬場以外を走っており、3着リュヌルージュも2走前に、不良馬場だった中山牝馬Sを2着と好走している。直近3走以内に良馬場以外で掲示板に入る走りをしていた馬の上位独占だった。

軽量実績豊富なステイブルアスクの一発に期待

今年「2つの条件」を満たしている馬が1頭いる。斤量51kgのステイブルアスクだ。

まず「軽量実績」だが、全11戦中、古川奈穂騎手が減量特典ありで7回も騎乗しており、その7回すべてが51kg以下。しかも着度数は【2-3-0-2】と好成績だ。馬体重が430kg前後のステイブルアスクにとって、軽い斤量はプラスに働きやすいのだろう。

そして「近走で良馬場以外を走っていた」という条件もダートではあるが、2走前の3勝クラス・東北S(3着)でクリアしている。

デビュー3戦は芝、未勝利勝ち以降はダートで7戦という戦績だが、前走芝に戻ったシドニーS(5着)で上がり最速の33.3をマーク。これで5戦連続の上がり最速、デビュー戦を除く10戦で3位以内の上がりを記録しているように、最後は確実に伸びてくるのも魅力だ。ぜひ単複でも狙ってみたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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