【函館SS】先行できる若い馬を狙うべし！　京大競馬研の本命はシゲルピンクルビー

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4角位置が勝負の決め手

2022年6月12日に行われる函館スプリントS。まず過去10年の同レースにおける4角位置別成績について調べると、5番手以内と6番手以降で成績に大きな差がある。前者は【8-7-4-39】で勝率13.8%、連対率25.9%、複勝率32.8%と好成績。一方後者は【2-3-6-72】、勝率2.4%、連対率6.0%、複勝率13.3%とかなり劣る。開幕から間もない芝コースで前が残りやすい馬場状態にあることや、スプリント戦の性質上そもそも差しが決まりにくい点、直線が262m（注：21年開催の札幌芝コースも直線264m）しかない点などが要因として挙げられる。

4角6番手以降の馬が勝利したのは2度のみで、2014年は勝ち馬が6番手。もう一方の2015年は前後半33.0-35.3のハイペースで差しが圧倒的に恵まれる展開になり、1200m戦ながら上位4頭が4角10番手以降という極端なレースであった。これを踏まえれば、今回は4角で前にいそうな馬を中心に予想していくべきであろう。候補としてはビアンフェ、シゲルピンクルビー、キルロード、レイハリア、ジュビリーヘッド、ボンセルヴィーソなどが挙げられる。

若い馬中心

次に馬齢別成績について調べた。3歳勢は【2-2-2-11】で勝率11.8%、連対率23.5%、複勝率35.3%となっており、4歳勢は【2-3-3-13】で勝率9.5%、連対率23.8%、複勝率38.1%。斤量で恵まれる3歳勢、脂が乗った4歳勢が順当に好走する傾向がみられる。

一方5歳馬は【4-2-3-39】で勝率8.3%、連対率12.5%、複勝率18.8%、6歳以上は【2-3-2-48】で勝率3.6%、連対率9.1%、複勝率12.7%で、絶対的な数値としては悲観するほどのものではないが、3歳勢・4歳勢と比較すると成績は奮っておらず、狙う上での優先度は下がる。

先行勢×3・4歳馬が狙い目

◎シゲルピンクルビー
データ上の好走要件を満たす4歳馬。昨年のセントウルSまでは1200mでの経験が足りておらず、中々先行することが出来なかったが、京阪杯以降は1200mでも先行競馬ができている。今年は4角5番手以内の位置で競馬を進められる可能性が高い。先行できた過去3走は重賞でも掲示板に入っているように、ここでも地力は上位。前走の内容は以前より一段階上の内容で、覚醒の兆しを見せている。調教でもしっかり動けており、状態面でも特に心配な点もないので勝ち負けを期待できる。

◯ビアンフェ
先行力が極めて高い馬で、モズスーパーフレアが引退した今、現役でこの馬よりテンが速い馬は少ない。今回も逃げられる可能性が極めて高く、脚質的に有利だ。この馬は左回りよりも右回りが向くタイプで、右回りでは【4-1-2-3】、馬券外に沈んだのは全てGⅠだ。このGⅢクラスであれば信用できる。また洋芝巧者で函館・札幌の成績は【3-1-0-0】。5歳という点で本命の評価とはならなかったが、力上位。

▲レイハリア
好データの4歳馬。前走と前々走は展開や馬場が向かなかったことを踏まえても大敗であったが、昨年のキーンランドCで勝利するなど、重賞でも通用する力は十分ある。過去のレースを見る限り1200mでの先行力は高いので、今回も4角5番手以内を取れるだろう。調教からも状態は悪くないので、展開が楽になりしっかりと走ることができれば勝負になる。今年不調の亀田温心Jから、一発狙える松岡正海Jへの乗り替わりもプラス。

△ヴェントヴォーチェ
前走春雷Sの勝ち方が強烈。開幕週で時計が速くなるのであれば、この馬に向く。

×ナムラクレア
桜花賞3着は先行、内有利の展開がかなり向いたため、そこまで評価はできない。1200mかつこのメンバーで先行するのは難しそうだが、さすがに軽すぎる斤量50kgとあって抑えておきたい。

×ボンセルヴィーソ
1200mでも先行できる力はある。人気もあまりしなそうなのでここは抑えておきたい。

消プルパレイ、キルロード
前者は斤量面の有利はあるが、古馬との初対戦かつ1200mも初挑戦と未知数な面が多く、また出遅れも心配。後者は高松宮記念で先行勢に厳しい展開の中残った（3着）のは評価できるが、開幕週の速い時計への対応には疑問符が付く。2頭とも人気を集めそうな今回は見送りたい。

買い目は◎◯-◯▲×の馬連で勝負する。上半期のGⅠも残すは宝塚記念のみ。昨年よりもメンバーが揃いそうなので、今から楽しみな気持ちで一杯です。

▽函館スプリントS予想▽
◎シゲルピンクルビー
◯ビアンフェ
▲レイハリア
△ヴェントヴォーチェ
×ナムラクレア
×ボンセルヴィーソ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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