【函館SS】ナムラクレアら3歳中心、大穴激走キルロード、連覇狙うビアンフェ、サマーシリーズ開幕戦は大混戦!

勝木淳

函館SSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

斤量有利の3歳に注目

夏の北海道シリーズ開幕を告げる函館SSは昨年、東京五輪の影響による変則開催のため札幌施行だったが、今年は通常通り函館に戻る。函館6週間、札幌7週間。開放感たっぷりの北海道シリーズ、現地観戦も含め、存分に楽しみたい。そのためにも開幕戦の函館SSで資金を確保したい。ここでは昨年の札幌も含め、過去10年間のデータを使用する。


過去10年函館SS人気別成績,ⒸSPAIA


人気別成績では1番人気【1-2-2-5】勝率10%、複勝率50%、2番人気【1-2-0-7】勝率10%、複勝率30%、3番人気【2-0-2-6】勝率20%、複勝率40%とサマースプリントシリーズ開幕戦は波乱含み。とはいえ、6~9番人気の確率はさほど高くなく、10番人気以下【1-3-2-47】勝率1.9%、複勝率11.3%、大穴の出現まで考えたい。


過去10年函館SS年齢別成績,ⒸSPAIA


昨年のサマースプリントシリーズで活躍したピクシーナイトがスプリンターズSまで駆けあがったようにこの時期の短距離戦は斤量に恵まれる3歳に注目。ここも【2-2-2-11】勝率11.8%、複勝率35.3%と好成績。今年もナムラクレア、プルパレイとマイルGⅠ経由の有力馬が複数エントリー。断然注目したい。

古馬は4歳【2-3-3-13】勝率9.5%、複勝率38.1%、5歳【4-2-3-39】勝率8.3%、複勝率18.8%と若い世代ほど優勢。6歳【1-2-1-27】勝率3.2%、複勝率12.9%などベテランも軽視禁物ながら、本命候補は3、4歳中心で考えたい。


連続好走あるぞ、キルロード

軽量3歳、古馬は4歳。夏のスプリント戦特有のデータをしっかり思い出したところで、ここからは前走成績から好走ゾーンをよりはっきりさせたい。


過去10年函館SS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まずは前走GⅠ【4-3-4-27】勝率10.5%、複勝率28.9%。特に3歳に限定すると【2-1-2-7】勝率16.7%、複勝率41.7%とさらに確率上昇。前走桜花賞は【2-0-0-2】勝率、複勝率50%。やや極端だが、3歳、前走GⅠで勝利したのはすべて桜花賞組なので、ナムラクレアには心強い。

16年桜17着ソルヴェイグ、17年桜9着ジューヌエコールが巻き返した。距離の壁、GⅠにはじき返された馬がスプリント戦で出直しといったイメージ。桜花賞3着からここに出走した馬はレース史上はじめて。とはいえ、ナムラクレアも小倉2歳S1着、ファンタジーS2着という戦歴からスプリント戦は歓迎。上記2頭と同じパターンではある。

プルパレイの前走NHKマイルは【0-1-1-5】複勝率28.6%。15年NHKマイルC16着レンイングランド3着、16年同12着シュウジ2着とこちらも大敗からの巻き返し。ハイペースのファルコンS勝ち、NHKマイルC15着プルパレイは、スプリント戦初出走ではあるが、距離短縮は臨むところ。追走に苦労しなければ通用しても不思議ではない。


過去10年函館SS前走高松宮記念組着順別成績,ⒸSPAIA


古馬のGⅠは高松宮記念【2-1-1-18】勝率9.1%、複勝率18.2%が主要。その着順別成績は3着【1-1-1-0】勝率33.3%、複勝率100%、10着以下【1-0-0-11】勝率、複勝率8.3%。ここは3着に注目。今年はキルロードが出走予定。前走はハイペースを3番手から粘り、勝ち馬ナランフレグとタイム差なし。17番人気の激走は中身も濃い。フロック視はできない。

ほかの高松宮記念組は洋芝巧者レイハリア、ライトオンキューと北海道で息を吹き返しそうな馬がズラリ。有力だろう。


連覇を狙うビアンフェも虎視眈々

次に前走GⅡ【2-0-2-8】勝率16.7%、複勝率33.3%だが、ここはほぼ京王杯SC【2-0-2-7】で該当なし。となると前走GⅢ【1-2-0-9】勝率8.3%、複勝率25%でもチャンスがありそうだ。


過去10年函館SS前走オーシャンS組脚質別成績,ⒸSPAIA


オーシャンS【1-1-0-3】勝率20%、複勝率40%は3着ビアンフェが出走予定。その位置取り別成績は逃げ・先行【1-1-0-1】。ハイペース必至の中山での先行経験が開幕直後の函館でいきる。ビアンフェは昨年札幌の函館SSを32.8-34.8で逃げ切った現役屈指のスピードタイプ。今年も一気に決着をつけるか。

最後に前走オープン【2-5-2-56】勝率3.1%、複勝率13.8%。鞍馬S【0-2-0-13】複勝率13.3%、春雷S【0-0-0-6】、韋駄天S【1-1-0-10】勝率8.3%、複勝率16.7%といった内訳。


過去10年函館SS前走鞍馬S組着順別成績,ⒸSPAIA


鞍馬Sは20年まで京都、21、22年は代替中京という点は注意。ちなみに中京だった21年は3頭出走6、10、12着。着順別でみると、鞍馬S4着以内【0-2-0-8】複勝率20%なので、シゲルピンクルビー、アスタールビーが好走候補。


過去10年函館SS前走韋駄天S組着順別成績,ⒸSPAIA


今年もそうだが、大半がアイビスSDに回る韋駄天S組は先行【1-0-0-3】、中団【0-1-0-3】、後方【0-0-0-3】とある程度流れに乗って競馬できた馬がいい。9着ダイメイフジと13着イーサンパンサーは道中後方から。今回も苦戦しそうだ。

函館SSインフォグラフィック2,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


《関連記事》
3連単の最高額は2073万8890円 2021年中央競馬の高額配当ランキング
ルメール騎手の鉄板条件は 頭に入れておきたい2021年の傾向振り返り
1位は「1.8秒差」つけたサイレンススズカ&メジロブライトの伝説2レース! JRA平地重賞の着差ランキング

おすすめ記事