【エプソムC】父サンデーサイレンス系“一強”のレース　東大HCの本命はヤマニンサンパ

2022/06/12 06:00

東大ホースメンクラブ

ⒸSPAIA

この記事のレース

エプソムカップ

GⅢ

6月12日(日)　東京11R

秋GⅠへのステップアップ

今週日曜、東京競馬場でGⅢエプソムCが行われる。湘南Sで圧巻の勝利を飾ったジャスティンカフェ、レーン騎手を鞍上に据えて連覇を狙うザダル、同コースの共同通信杯以来となる勝利を目指すダーリントンホール、ヴィクトリアマイルで上がり最速を記録した紅一点のシャドウディーヴァなど多彩なメンバーが顔を揃えた。

熱戦が続いたGⅠシーズンは宝塚記念まで小休止の期間に入るが、秋GⅠへのステップとなる意味で見逃せない一戦だ。過去10年のデータを用いて馬券のヒントを探りたい。

父サンデーサイレンス系の天下

過去10年エプソムC血統別成績,ⒸSPAIA

＜エプソムC 血統別成績＞
サンデーサイレンス系【7-7-7-77】勝率7.1%/連対率14.3%/複勝率21.4%
ミスタープロスペクター系【2-1-1-16】勝率10.0%/連対率15.0%/複勝率20.0%
サドラーズウェルズ系【1-0-0-4】勝率20.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%
ロベルト系【0-0-0-15】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
※過去10年

このレースは父サンデーサイレンス系が好走馬の大半を占めるのが特徴。母数が多い点は意識する必要があるものの、ディープインパクト【4-4-3-23】複勝率32.4%を筆頭に結果が出ている。ディープ産駒は不良【0-0-0-4】を除けば安定しており、ひと雨降った程度の馬場なら持ち味を削がれることはない。また、ディープ産駒×前走1着馬は【1-1-3-0】の複勝率100%。ここには3勝クラスからの臨戦となった2頭も含まれており、同ローテのヤマニンサンパに期待が高まる。

父ミスタープロスペクター系は4頭の馬券圏内があるが、全てが道悪の年。この3レースに限ると【2-1-1-8】と3頭に1頭が馬券圏内に入っている。渋った馬場で好走例がないタイムトゥヘヴンは微妙だが、一昨年に18番人気3着があるトーラスジェミニは買い目に入れておきたい。その他、ダーリントンホールが該当する父サドラーズウェルズ系は2017年にダッシングブレイズが勝っている。

一方で不振なのが父ロベルト系。15頭の出走例がありながら全滅に終わっている。平均人気の低さや5着が3回ある点は酌量するものの、1番人気濃厚のジャスティンカフェは過信禁物だろう。

痺れる異例ローテ、脚力は重賞でも

◎ヤマニンサンパ
以上のデータを踏まえ、本命はディープインパクト産駒の同馬に打った。未勝利を勝って以降3戦は馬券圏内に入れない苦戦を強いられたものの、2走前の1勝クラスでは大外を雄大なフットワークで射抜いて2着に0秒8差、まるで別馬かのような圧勝劇を披露した。格上挑戦で臨んだ前走の飛鳥Sでは直線で前が狭くなり、完全にバランスを崩すシーンがありながら体勢を立て直して勝利。ブレーキを踏んでからわずかな完歩で再加速して2着に1.1/4馬身差をつけて見せた。勢いは本物だろう。本来条件戦を一歩ずつ進む立場ながら、異例のショートカットで3勝クラスを突破しての重賞初挑戦。目前に広がるさらなるビッグレースへ飛び込んでいける素材だ。

◯ザダル
昨年覇者。伸びる進路を取った石橋脩騎手の好騎乗はあったものの、長く良い脚を使った馬の能力も評価したい。6歳馬ながらまだキャリア15戦、老け込む段階ではなく、前残りを差し切った2走前の京都金杯は衰えを感じさせない内容だった。ダービー卿CT10着からの参戦だが、追走に忙しさのある小回りの中山マイルから大箱ワンターンの東京替わりは絶好。連覇のシーンも。

▲ジャスティンカフェ
昨年10月のマイル戦で11.4-11.4-11.3の加速ラップを後方から差し切り、既に能力の片鱗は見せていたものの、前走はその印象を超える異次元のパフォーマンス。能力全開なら安田記念でも勝負になったのではないかと感じさせるレベルだった。脚力はメンバー中トップクラスだが、乗ってきた騎手・調教師が軒並み口をそろえるように非常に乗り難しい馬。キャリア9戦中8戦がマイル戦、唯一経験した1800m戦は7頭立てのスロー戦で経験不足も否めない。後方待機で展開向かず、またはメンタル面での課題を露呈しての不完全燃焼は十分考えられる。

以下、同コースの重賞勝ち馬であるダーリントンホールとシャドウディーヴァに印を回す。馬券は◎と◯のワイド、◎から印への馬連とする。

▽エプソムC予想▽
◎ヤマニンサンパ
◯ザダル
▲ジャスティンカフェ
△ダーリントンホール
×シャドウディーヴァ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。