【さきたま杯】「差し返してくれた根性に頭が下がる」 大接戦を制したのは8歳牝馬サルサディオーネ

三木俊幸

2022年さきたま杯、サルサディオーネ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

日本テレビ盃以来、交流重賞5勝目

「一回出られたのですが、差し返してくれた根性に頭が下がります」

レース後のインタビューでそう語ったのは矢野貴之騎手。浦和競馬場で行われたさきたま杯(JpnⅡ・ダート1400m)はゴール前3頭による大接戦、制したのは南関東・大井所属の8歳牝馬サルサディオーネだった。

8枠10番から出ムチを入れてハナに立つ展開。およそ半馬身間隔で2番手にシャマル、3番手にサクセスエナジーとJRA勢が続き、最初の600mは12.0-11.8-12.1(35.9)で通過する。

向正面に入り、12.4とペースが緩むが3角でヘリオスが外から徐々にポジションを押し上げるなど、勝負どころの800〜1000mでは再び11.5とペースアップ。

内にサルサディオーネ、外にシャマルと2頭が全く並んで最後の直線へと向いた。馬体を併せた追い比べは続き、ゴール手前でサルサディオーネが再び盛り返したが、今度は大外からティーズダンクが強襲。3頭並んでのゴールとなったが、アタマ差制して昨年の日本テレビ盃以来となる交流重賞5勝目を飾った。

2022年さきたま杯直線,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


これまではいずれも1600m以上の距離での勝利だったため、距離への対応が懸念点だったが、1400mのスペシャリスト相手でも全く問題なし。むしろ近2走でいずれも敗れた相手が、かしわ記念を制したショウナンナデシコだということを考えれば当然の勝利だったのかもしれない

2022年さきたま杯口取り,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


1番人気ヘリオスは5着

2着のティーズダンクは中団のインを追走し、直線だけ外に持ち出すというロスのない競馬。浦和1400mで3勝という巧者ぶりを存分に見せつけた。

3着シャマルも前走の東京スプリントを制した勢いそのままに挑み、最後の最後まで食い下がる見せ場十分のレースだった。初の1400m、コーナー4回の競馬だったが難なく対応、今後のレースの選択肢が広がる内容だと言ってもいいだろう。

そして今年に入ってからの3戦いずれも重賞で2着だったヘリオスは、1番人気に支持されたが5着。前が残る展開だったことに加え、向正面から終始外を回る形となったことが影響し、最後は苦しくなってしまった。巻き返しに期待したい。

2022年さきたま杯、ヘリオス,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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