【鳴尾記念】本命は4歳馬ジェラルディーナ モーリス産駒×中京芝2000mは好相性

高橋楓

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当日人気に要注目 馬券は4、5歳馬が優勢!

今年も明日で6月。暦を見ると「水無月」と書いてある。なぜ梅雨時なのに「水が無い月」と書くのだろう、と考えるより先に水無月ステークスを思い浮かべるのは競馬人の性だろうか。

今年は6月25日の土曜日に行われる水無月ステークス。以前は1200mで行われ、過去10年間の勝ち馬のなかにファインニードル、ビッグアーサー、サドンストームなど後に種牡馬となった快速馬たちが名を連ねる。3勝クラスではあるが目が離せない一戦だ。さて今週は6月に入って最初の重賞、鳴尾記念を予想していきたい。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


2012年から距離が2000mに延長され6月に移動してきた当レース。しかも昨年に続き今年も舞台が中京競馬場になるだけに、どれくらいデータを生かせるか少々不安だが、過去10年間の前走クラス別成績を振り返ってみよう。

GⅠ(海外含む) [3-3-3-9]
GⅡ [3-1-2-16]
GⅢ [1-4-3-30]
OP・リステッド [2-2-2-34]
3勝クラス [1-0-0-2]
2勝クラス [0-0-0-1]

どの条件からも馬券に絡んでおり、海外を含む前走GⅠ組の成績が優秀。その中でも前走がGⅠで当日人気が3番人気以内なら[2-3-0-1]、4番人気以下なら[1-0-3-8]と大きく差がでた。ただGⅠを走っただけでなく、それなりの結果を残し、当日も支持されなければならない。

前走GⅡ組も同様で、当日2番人気以内なら[2-1-0-3]、3番人気以下なら[1-0-2-13]。GⅠ、GⅡ組は前走着順不問、当日の人気が重要と覚えておきたい。

前走GⅢ組でこのレースを制したのは、2019年メールドグラースただ1頭(前走は新潟大賞典)。ただ、2、3着には前走二桁着順の馬も入っている。

OP・リステッド組は6頭が馬券に絡んでおり、都大路S組が4頭、福島民報杯と大阪城S組から1頭ずつ出ている。前走条件戦組は昨年はじめてユニコーンライオンが馬券に絡んだのみ。狙い辛い。

年齢別成績,ⒸSPAIA


次に年齢別成績を振り返ってみよう。

3歳 [0-0-0-1]
4歳 [2-3-5-7]
5歳 [5-3-1-16]
6歳 [2-2-3-34]
7歳 [0-2-1-20]
8歳以上 [1-0-0-14]

率のうえでは4、5歳馬が優勢。勝率は5歳馬が20.0%と抜けており連対率も32.0%。また複勝率は4歳が58.8%とハイアベレージだ。頭は5歳、複勝圏に4歳を狙いたい。

鳴尾記念過去10年年齢別成績,ⒸSPAIA

中京芝2000mは川田将雅騎手&ディープインパクト、モーリス産駒を狙え!

中京芝2000m 騎手ランキング,ⒸSPAIA


次に2012年1月1日から2022年5月27日までに行われた中京芝2000mの432レースを集計して舞台巧者を調べたい。まずは騎手部門から。

第1位 川田将雅[35-21-18-63]
第2位 福永祐一[26-25-18-83]
第3位 松山弘平[24-24-24-166]
第4位 藤岡康太[19-21-14-134]
第5位タイ 武豊[18-13-10-74]
第5位タイ M.デムーロ[18-10-8-45]

トップは川田将雅騎手。騎乗機会が100回以上で勝率25.5%、連対率40.9%、複勝率54.0%は立派の一言。騎乗機会100回未満ではM.デムーロ騎手が[18-10-8-45]で複勝率44.4%、ランク外ではC.ルメール騎手が[12-11-9-33]で複勝率49.2%とハイアベレージを残している。

中京芝2000m 種牡馬ランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。

第1位 ディープインパクト産駒[70-67-53-345]
第2位 ハーツクライ産駒[38-42-29-304]
第3位 キングカメハメハ産駒[29-27-27-178]
第4位 ステイゴールド産駒[26-13-18-217]
第5位 ハービンジャー産駒[23-17-22-191]

上位2頭が母数も多く、勝利数のうえではディープインパクト産駒が抜きんでている。ランク外で注目なのは複勝率30%超えのエピファネイア産駒[8-13-10-62]、モーリス産駒[7-2-5-32]の2頭だ。

特にモーリス産駒は勝率15.2%と、上位30頭の中ではエンパイアメーカー産駒の16.1%に続き2位の好成績。またジャスタウェイ産駒は[4-10-7-43]で勝ち星は多くないものの複勝率が32.8%。これらの産駒が登場した際には注目したい。

良血の力が覚醒 本命はジェラルディーナ!

本命は4歳馬だが父モーリス×母ジェンティルドンナという超良血馬のジェラルディーナ。この舞台での産駒の活躍はジャックドールの金鯱賞が記憶に新しい。

デビュー当初は歯がゆい競馬が続いていたが徐々に成長を見せ、近5走では上がり3ハロン最速を4回マークしている。福永騎手とコンビを組んでからは6戦3勝、チャレンジカップと京都記念はともに4着。ここまでの勝ち星は全て1800mであげたものだが、成長著しい今ならば距離の壁を乗り越えても何ら不思議ない。

対抗はカイザーバローズ。前走の新潟大賞典は初のオープン特別以上にも関わらず2着に好走、力がある事を示した。騎乗予定の川田将雅騎手とはこれまで4戦3勝3着1回。そしてディープインパクト産駒はこの舞台で力を発揮している。前走新潟大賞典組も過去10年で7頭が馬券に絡んでいて好相性。頭まで狙える存在だ。

3番手はこのメンバーなら上位争いできそうなヤシャマル。父は当該コースのランキングで10位にランクインするキズナ[8-6-8-61]。騎乗予定の松田大作騎手は[9-2-7-72]で13位と成績は安定している。初重賞挑戦以降は少々苦戦を強いられたが、今年に入り日経新春杯、新潟大賞典で3着と好走を続けている。

前走は対抗にあげたカイザーバローズとはハナ差。内容を考えればここで重賞初勝利をあげる可能性は十分だ。以下、都大路S3着のパトリックまで印を回しておきたい。

◎ジェラルディーナ
〇カイザーバローズ
▲ヤシャマル
△パトリック

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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