【葵S】合言葉は「牝馬」「人気薄」「6月デビュー」 カイカノキセキ中心に手広く

SPAIA編集部

2022年葵S1週前インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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短距離馬のダービー

2022年5月28日、日本ダービーの前日に中京競馬場で行われるのが葵ステークス(GⅢ・芝1200m)だ。ダービーが「世代の頂点を決める」と言われるのに対し、こちらは短距離に専念した3歳馬たちが争う春の大一番だ。

競馬に限らず、とかく“多様性”が尊重される昨今、東京芝2400mで一番強いということ「だけ」に価値を置く考えは薄まってきた。言わば、これは短距離馬にとってのダービー。舞台やグレードは違えど、各馬が積み上げてきたものの結晶をしっかり見届けたい。ここでは京都開催、OP特別時代を含めた過去10年のデータを分析していく。

人気薄と牝馬

2022年葵S人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別成績から。1番人気【3-1-0-6】はいまひとつで、単勝オッズ2.4倍以上なら【1-1-0-6】とさらに低調。よほどの抜けた存在でなければ疑ってかかりたい。そして、今年の想定に圧倒的な存在はいないように思われる。

2番人気【1-1-2-6】、3番人気【0-1-0-9】も冴えず、穴に振っていきたいレース。10番人気以下【1-3-4-52】は昨年13番人気1着レイハリアなど3年連続で馬券に絡んでいて、単回収率138%、複回収率195%。この中から狙う馬を探していってもいいが、数字的には思考停止で全て買ってもいい。

2022年葵S性別成績,ⒸSPAIA


続いて性別。牡馬【3-4-6-66】が連対率8.9%の一方、牝馬【7-7-3-51】連対率20.6%とかなり優勢。牝馬のワンツーが5回(うち2着同着が1回)あり、ワンツースリーも16、21年の2回ある。はっきりとした理由は分からないが、クラシック一戦目が2000mの牡馬と、1600mの牝馬とでは育成やレース起用上の違いがあるのかもしれない。

2022年葵S前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別成績を見ると、連対馬の過半数がOPかリステッドからの参戦。重賞組はGⅡ【2-0-0-5】こそ率は目立つが、トータルでは意外にも苦戦している。連対率で比較すると1勝クラスが12.5%、OP・Lが17.2%、重賞が11.6%。大きな差ではないが、いわゆる「相手緩和」という考え方があまり機能しない点は留意したい。

2022年葵S前走レース別成績,ⒸSPAIA


前走レースの内訳では、橘Sが【4-4-1-28】で最多の連対馬を送り出す。橘Sで3~5着だった馬は【4-3-0-11】で連対率38.9%。ここに好走例が集中しているが、今年は該当馬なし。2着からの臨戦は例がないが、ジャスパークローネは抑えておきたい。反面、1着【0-0-0-3】なのでウインマーベルは過信できない。

マーガレットSも【1-1-3-12】で複勝率29.4%は橘Sより上。直近3年連続で好走しており、今年はショウナンマッハ、カイカノキセキなど。前述の牝馬データも加味して、カイカノキセキを有力候補として扱いたい。

重賞では出走数の多いファルコンS【1-0-1-20】、桜花賞【0-1-1-8】がいまひとつ。アネゴハダもデータ上は強調しにくい。

6月デビューのアドバンテージ

ざっくりとした方向性をつかんだところで、決め手になるようなデータがないか、もう一歩踏み込んでみる。

2022年葵Sデビュー月,ⒸSPAIA


着目したのがデビュー月。現3歳世代もキラーアビリティ、ジオグリフ、ダノンスコーピオンがGⅠを制すなど、近年存在感を増す「2歳6月デビュー馬」。短距離戦の葵Sでも結果が出ているのか調べてみた。

すると2歳6月デビュー馬は【4-5-4-29】で連対率21.4%。それ以外の組は【6-6-5-91】で同11.1%なので、やはり6月デビュー馬が上。妙味の上でも単回収率136%、複回収率246%と魅力満点だ。

先ほど名前が出たカイカノキセキは昨年6月に札幌でデビュー勝ち。函館2歳Sで2着になるなど早期から活躍した馬。「牝馬」かつ「前走マーガレットS」で、データ的には文句なしの存在。まずはここを高く評価する。

ほか、想定にいる6月デビュー馬はコラリン、ブッシュガーデン、ブレスレスリーなど。このあたりに加え、全部買いでもいいと述べた「10番人気以下」の人気薄を手広く抑えて、波乱を待つのが吉ではないだろうか。

2022年葵ステークスに関するデータ,ⒸSPAIA



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