【京都新聞杯】日本ダービーへの切符を掴むのはどの馬か 本命は好走条件が揃ったリアド

高橋楓

中京・芝2200m 騎手ランキング,ⒸSPAIA

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ダービー出走に滑り込む馬は

学生時代に部活動に打ち込んだことがある人なら、何かしらチームメイトや他校と競い合った経験があるのではないか。私もスポーツをやっていたので事あるごとに競わせられた思い出がある。部内のポジション争い、大会に出場すれば地区の代表枠争い。県大会を勝ち抜いた先には全国が待っていた。そして嫌という程、井の中の蛙という事を思い知らされた。さて、今週は日本ダービー出走へのチャンスを賭けた京都新聞杯が行われる。栄光を掴むためには、まずはゲートインできなければならない。若駒たちの熱き戦いを予想していきたい。

前走1着馬は軽視禁物! 毎日杯組と1勝クラス組に注目!

過去10年 前走クラス別成績,ⒸSPAIA


今年も昨年に続き中京競馬場で行われる京都新聞杯。舞台は違えどローテーションに大きな変化はないと考え、まずは近10年間の前走クラス別成績を振り返ってみる。

GⅠ [1-1-0-10]
GⅡ [0-1-2-6]
GⅢ [3-1-3-7]
オープン特別 [0-1-1-14]
1勝クラス [6-6-4-49]
未勝利 [0-0-0-27]

前走GⅠ組は全馬が皐月賞からで、2020年1着ディープボンドと2012年2着ベールドインパクトの2頭しか馬券に絡めていない。

次にGⅡ組。スプリングSや弥生賞で皐月賞の出走権利をとれなかった馬たちが日本ダービーへの切符を獲りにこのレースへ挑むのだが、勝ち馬はでていない。

1つ目のポイントになりそうなのがGⅢ組。特に毎日杯組が[2-1-2-5]となっており、2013年キズナ、2016年スマートオーディンがここを勝ち連勝を飾っていた。昨年はルペルカーリアが4着からこのレースに挑み2着となっている。この3頭で共通しているのはレース当日1番人気に支持されていること。

そして2つ目のポイントの前走1勝クラス組。[6-6-4-49]と馬券圏内の半数以上がこの組だ。トーセンホマレボシ、ハギノハイブリッド、サトノラーゼン、プラチナムバレット、レッドジュニアル、レッドジェネシスがこのレースを制している。このメンバーの内レッドジュニアル以外の5頭は、前走1着、かつレース当日5番人気以内に支持されていた。

2着馬を見渡しても4頭が1着で勝ち上がってこのレースに挑んでおり、残りの2頭は2、6着だった。前走1勝クラスを勝ちあがってきた馬は軽視禁物だ。

オープン特別組は馬券圏内に2頭のみで、未勝利組は苦戦傾向だ。

舞台巧者を探せ! 松田大作騎手の複勝率に注目だ!

中京・芝2200m 騎手ランキング,ⒸSPAIA


先にも書いたが中京競馬場の芝2200mで行われる京都新聞杯。2012年1月1日から2022年の4月29日まで行われた192レースを集計して、舞台巧者を調べてみた。まずは騎手部門だ。

第1位 川田将雅[14-13-6-25]
第2位 福永祐一[12-13-13-30]
第3位 藤岡康太[10-9-8-53]
第4位 武豊[9-4-6-30]
第5位 C.ルメール[8-5-2-8]

トップは川田将雅騎手。勝率24.1%、連対率46.6%、複勝率56.9%はさすがの数字になっている。福永祐一騎手も差がなく複勝率55.9%と安定している。そして、C.ルメール騎手が勝率34.8%、連対率56.5%、複勝率65.2%と驚異的な数字を残している。

ランク外で注目は松田大作騎手。[3-1-8-22]で複勝率は35.3%をマークしている。3着が多く3連単でも面白い存在だ。

中京・芝2200m 種牡馬ランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。

第1位 ディープインパクト産駒[29-22-15-168]
第2位 ハーツクライ産駒[20-24-19-124]
第3位 ルーラーシップ産駒[10-9-7-67]
第4位 キングカメハメハ産駒[9-6-13-89]
第5位タイ ステイゴールド産駒[8-13-17-115]
第5位タイ ハービンジャー産駒[8-7-11-82]

トップは予想通りディープインパクト産駒なのだが、ハーツクライ産駒も頑張っている。連対率23.5%、複勝率33.7%はディープ産駒を上回るだけに馬券検討の際には注目しておきたい。

ランク外で注目したいのはエピファネイア産駒。[7-2-4-17]とまだ出走回数は多くはないが勝率23.3%、連対率30.0%、複勝率43.3%は胸を張ってよいだろう。

本命は超高額馬リアド!

セレクトセールにて5億6100万円で取引されたショウナンアデイブ、5億760万円のリアドなど高額馬が顔を揃えた一戦。日本ダービー出走へ向け凡走は許されないだろう。

本命はその高額馬リアドとする。このレースと好相性の前走毎日杯組で、当該舞台で結果を残しているディープインパクト産駒。そして川田将雅騎手が騎乗予定。期待が高まるばかりだ。

母タイタンクイーンからはNHKマイルC3着をはじめ重賞で好走しているギルデッドミラー、古馬になってから活躍したストロングタイタン、長い休養を挟みながらも条件戦からオープンまで4連勝したミラアイトーンなど全て別の父親ながら活躍馬を多く輩出している。前走は小雨が舞い稍重となった舞台で弾け切れなかったが、変わり身に期待したい。

2番手は2戦2勝のブラックブロッサム。前走の大寒桜賞では後続を1.3秒、8馬身も突き放す圧勝劇。ここまで2戦共に2000m以上のレースを経験し、しっかりと先団に取り付くことが出来ていることも好印象だ。レースレベルを考えるとここが試金石の一戦になりそうだが、名手D.レーン騎手で参戦予定。本気度は十分に感じられる。

3番手はメイショウラナキラに注目したい。ここまで阪神競馬場を中心に使われてきたが、4走前の若駒Sの時に中京で走った経験がある。この時の1着がニュージーランドT3着のリューベックで2着がリアド。そして3着が本馬である。少頭数ながら道中も先団争いが落ち着かない流れとなったが、最後までしっかり走り切り、連対馬から1馬身ずつしか離されない競馬が出来ていた。

ドゥラメンテ産駒は当該舞台で[2-4-2-13]とサンプルは少ないが複勝率38.1%と決して苦手ではない。若駒Sのような競馬が出来れば、上位を脅かしても何ら不思議ない。

以下、すみれSを勝利したポッドボレット、当該舞台で好成績をあげている松田大作騎手騎乗予定でゆきやなぎ賞を制したボルドグフーシュまで印を回しておきたい。

◎リアド
〇ブラックブロッサム
▲メイショウラナキラ
△ポッドボレット
×ボルドグフーシュ

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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