【新潟大賞典】1番人気15連敗中 狙いはトーセングラン、プレシャスブルー、アイコンテーラーのコース巧者
勝木淳
ⒸSPAIA
2年ぶりの開幕週
昨年の新潟開催は急遽4月上旬からはじまり、例年、雪の影響で立ち上がりが遅い芝は、状態が整わなかった。新潟大賞典も内側が掘れる馬場で行われ、マイスタイルが1000m通過57.1のハイペースを演出、サンレイポケットが馬場の中央を力強く伸びた。今年は開幕が1週繰り下がり、結果的に20年と同じ開幕週に設定された。昨年に限らず、春の新潟は芝の状態がつかみにくい。今年も前日の傾向をしっかり把握したい。ここでは過去10年間のデータから傾向をつかんでいく。
まず人気別成績から。1番人気は【0-2-3-5】複勝率50.0%、06年オースミグラスワンの勝利以後、15連敗中だ。とはいえ、昨年2着ポタジェなど3着以内に半数が突入。超がつくほど難解なレースなので、連軸としては頼りになる。2番人気はさらに悪く、【0-1-0-9】複勝率10.0%。3番人気は【3-2-0-5】勝率30.0%、複勝率50.0%と成績がよく、以下、5、7、9番人気がよく、4、6、8番人気がやや下がる、なぜか奇数人気がいいという不思議な傾向がある。また10番人気以下は【2-3-2-60】勝率3.0%、複勝率10.4%。とにかく手広く攻めたい。
年齢の傾向を見ると、4歳から7歳以上まで万遍なく勝利しており、こちらも傾向を見出しにくい。出走頭数が少ない4歳が【3-3-3-17】勝率11.5%、複勝率34.6%と率上はリード。5歳【3-1-2-26】勝率9.4%、複勝率18.8%までが勝率上位。6歳は【1-3-5-33】勝率2.4%、複勝率21.4%で複勝回収値125。複穴に警戒したい。
新潟4戦4勝のアイコンテーラー
1着候補は4、5歳も6歳複穴を拾うという一つの形が見えたところで、ここからは前走成績に注目し、なんとか好走しそうな馬を絞っていきたい。
前走クラス別成績から。数こそ少ないが前走GⅠ【1-1-0-2】勝率25.0%、複勝率50.0%、今年はステラリアが該当する。ただ好走2頭は間隔をとったフェブラリーSと有馬記念。大阪杯は18年トリオンフ1番人気4着1頭しかいない。重賞組はGⅡ【1-5-3-30】勝率2.6%、複勝率23.1%、GⅢ【3-2-2-49】勝率5.4%、複勝率12.5%。ここを見極めたい。
前走重賞組の着順別成績をみると、1着は【0-0-0-4】だが、2着【0-1-2-3】複勝率50.0%、3着【1-1-0-2】勝率25.0%、複勝率50.0%など5着以内が好走の目安。荒れるハンデ戦といえど、重賞好走組がよく、6着以下は【2-5-2-65】と注意は必要ながら、率は下がり、狙いにくい。アドマイヤハダル、ヤシャマルあたりは狙いがたつ。
次は前走オープン・L【3-1-3-36】勝率7.0%、複勝率16.3%について内訳を出すと、前開催福島のオープン特別である福島民報杯が【3-0-3-20】勝率11.5%、複勝率23.1%で目立つ。コースの親和性が低いものの、直近の中距離戦ということでつながることがある。今年は3着プレシャスブルー、8着ラインベックが出走予定。
前走福島民報杯組の傾向は着順でくっきり。4着以下【0-0-1-16】、3着以内が【3-0-2-4】。コースの親和性が低いので、福島で負けた組の巻き返しを想像しそうだが、実際は順当につながる。プレシャスブルーは20年新潟大賞典3着、新潟で行われた昨年の福島民報杯2着。終い勝負の同馬にとって平坦、長い直線の新潟は得意舞台。今年も注目したい。
ちなみに、ほかのオープン・Lはゴールドギアの白富士S【0-0-0-4】、アルサトワ、アイコンテーラーなどの大阪城Sは【0-0-0-2】。サンプル数が少ないので、断言は避けたいところ。特にアイコンテーラーは新潟【4-0-0-0】のコース巧者。ここは陣営も力が入る一戦だろう。
最後に【2-1-2-9】勝率14.3%、複勝率35.7%と好成績を残す前走3勝クラスについて。そのコース別成績をみる。一見、つながりにくそうな中山芝1800m、阪神芝2200mがそれぞれ【1-0-0-0】。似た条件の東京芝2000mが【0-1-2-2】複勝率60.0%。カイザーバローズの阪神芝2000mは【0-0-0-2】、トーセングランの中京芝2000mは出走なし。トーセングランにとって新潟芝2000mは未勝利馬ながら1勝クラスを勝ち、次走も勝利したかっこうの舞台。重賞でどこまで通用するか力を試したい。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。
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