【マイラーズC】無欲の追い込みで大穴演出だ 京大競馬研の本命はロードマックス

京都大学競馬研究会

マイラーズCインフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

6週連続GⅠに向けた資金作り

4月24日(日)に阪神競馬場でマイラーズC(GⅡ)が行われる。重賞2勝目を狙うカラテを筆頭に、リステッド競走で力をつけたエアファンディタにエアロロノア、3勝クラスを勝って挑むソウルラッシュ、ロードマックスなど多彩なメンバー15頭が揃った。

桜花賞と皐月賞が終わり、今週はGⅠの谷間週。来週以降また6週連続GⅠが待っている。「今週はひと休み」ではなく、資金作りのために「今週こそ」予想に力を入れないといけない。魅力的な穴馬が多数おり、必ずや財布を暖めてくれるはずだ。


勝ち数で圧倒ディープインパクト。メイショウミモザに続きたいハーツクライ

過去10年同条件種牡馬別成績,ⒸSPAIA


まずは阪神芝1600mのオープンクラス以上における種牡馬別成績(過去10年)を調べた。死してなお絶大な影響力を持つ二大巨頭、ディープインパクトとキングカメハメハだが、このコースにおいてはディープが【26-22-22-140】の複勝率33.3%に対して、キンカメは【6-5-5-62】の複勝率20.5%と差は歴然。ともに人気になりやすい傾向があり、回収率の面ではどちらも妙味はないが、どちらかと言えばディープ産駒がベターだ。今年はサトノアーサー、ファルコニア、レッドベルオーブ、ロードマックスと4頭の産駒が出走する。

回収率が優秀なのはハーツクライ産駒。【5-6-7-44】の複勝率29.0%で単勝回収率は136%、複勝回収率は103%あった。これは先々週の阪神牝馬Sでメイショウミモザが大穴をあけた影響が大きい。基本的には狙いづらいが、穴で一考の余地はある。今年の出走産駒はシュリとヴィクティファルス。

その他ではHat Trick産駒が【1-0-0-0】で、これはエアファンディタ自身が洛陽Sを勝ったもの。前走の内容は優秀でここでも引き続き注目だ。上がり馬ソウルラッシュの父ルーラーシップは【0-2-4-12】と勝ちきれない。カラテの父トゥザグローリーは今回が阪神マイルのオープンクラスでは産駒初出走になる。


4・5歳中心、6歳は不調気味

過去10年マイラーズC年齢別成績,ⒸSPAIA


次に過去10年のマイラーズCで年齢別成績を調べた。勝ち星を最も挙げているのは5歳馬で【5-1-6-22】の連対率17.6%、複勝率35.3%。2015年にレッドアリオンが8番人気で勝利したこともあって単勝回収率は132%とこちらも優秀。4歳馬は【3-5-2-33】、5歳ほどではないが好走例多数、連対率は18.6%と5歳馬をわずかに上回っており連軸に向いている。一方で6歳馬は【1-1-1-28】と大幅に成績が落ちるため、カラテから買うのはデータ上おすすめできない。


人気馬ではエアファンディタ信頼度高め、だが今回は穴馬から勝負

◎ロードマックス
前走長期休養明けながら馬体を戻して快勝。展開に恵まれた印象はあるが、内有利の馬場を外から脚力の違いで勝ったという内容。昨年のNHKマイルカップのレベルの高さが伺える。距離延長となるが今回人気のホウオウアマゾンとはGⅠで2回戦い、どちらも先着しているように、マイルでの能力も高いはず。先行勢の少ない相手で切れ味勝負なら展開はハマる。

◯レッドベルオーブ
前走は休み明けで大幅馬体増、リーディング下位騎手、掛かって暴走と何もいいところがない中で1着と0.7秒差にとどめた。デイリー杯以降毎レース掛かって力を発揮できておらず、今回も掛かる可能性は高い。しかしロードマックス同様、ホウオウアマゾンを完封したことがあり実力は確か。スムーズに走れたときの破壊力は高く、突き抜けての勝利まで考えられる。叩き2走目、乗り替わりでの前進に期待したい。

▲エアファンディタ
洛陽Sでは先行して突き抜けた2着馬を、馬群を捌きながらの競馬で捉えた。前走で下した2着馬ダーリントンホールと4着馬フォルコメンが次走のダービー卿CTでも好走しており非常にレースレベルが高かった。阪神では既に3勝と適性も申し分ない上に、データ上有利な5歳馬であることもプラス。評価が低いわけではなく、ディープ産駒の切れ味を上に取った分の3番手評価。

△カラテ
今年は重賞で3、2着と堅実で実績上位な上、GⅡ別定であるため56kg据え置きで出られるのはあまりに有利。だが6歳は若干マイナス。

×シュリ
前走は内で詰まって追えず、2走前は内有利の馬場で外を回るなど近走の敗因は明確。逃げて谷川岳Sを勝つなどオープンなら上位。重賞では足りない印象もあるが、条件戦は先行して勝利しているため、当時のような先行策がここでも取れれば。

×ファルコニア
オープンでは崩れず走る。能力不足を立ち回りのうまさでカバーしているためあくまで善戦候補。不利があると厳しい。

×ホウオウアマゾン
前走の負けが不可解。直線でぶつけられる不利はあったとはいえ、そこから全く伸びなかった。メンタルのダメージ、あるいはマイルが長くてこなせなくなった可能性を考えたい。しかし、4歳馬で阪神実績も豊富と巻き返しデータが多数揃っているため切ることはできなかった。

馬券はロードマックスの単複と、印を打った7頭の内ファルコニアとホウオウアマゾンはパドックまで見てからどちらか1頭を切る。6頭に絞った上で、三連複ボックス20点で勝負する。ロードマックスの脚質上、もし好走するならば無欲の追込みがはまるパターンだと思う。同様の走りで馬券的に大勝ちしたタイムトゥヘヴンのダービー卿CTが頭から離れない。もう一度夢を見せてもらえないだろうか。(文:福山)

2022マイラーズカップ 予想印
◎ロードマックス
◯レッドベルオーブ
▲エアファンディタ
△カラテ
×シュリ
×ファルコニア
×ホウオウアマゾン

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。部員は随時募集中。



《関連記事》
【フローラS】過去10年で前走1勝クラスが7勝 君子蘭賞勝ち馬ヴァンルーラー勝負駆け
【フローラS】中1週パーソナルハイは真っ先に消し! ホウオウバニラが本命最有力
【マイラーズC】ディープインパクト産駒が断然 一発狙うならコース実績馬レッドベルオーブ

おすすめ記事