【フローラS】過去10年で前走1勝クラスが7勝 君子蘭賞勝ち馬ヴァンルーラー勝負駆け

門田光生

フローラステークスアイキャッチ,ⒸSPAIA

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重賞組より1勝クラス組

2022年4月24日に東京競馬場で行われる第57回フローラS。オークスの優先出走権が得られるトライアルレースで、2000年まで「4歳牝馬特別」という素朴なレース名で行われていた。

桜花賞トライアルであるフィリーズレビュー、同様に「4歳牝馬特別」という名前だったが、2001年に馬齢表記が国際基準に倣ったのを機に、それぞれ新しいレース名が付けられた。

オークスは桜花賞組や忘れな草賞組が強いというデータがあるものの、昨年の勝ち馬ユーバーレーベンはこのフローラS(3着)を使っての参戦だった。本番に向けて見逃せないレースなのは間違いないだろう。そのフローラSにはどのような傾向があるのか。過去10年のデータを基に分析していく。


表・フローラS出走馬の所属,ⒸSPAIA

☆所属
美浦12連対、栗東8連対。勝ち馬はともに5勝ずつとなっている。出走頭数は美浦所属の方が多いので勝率は栗東所属馬が上だが、連対率と複勝率はほとんど変わらない。


表・フローラS出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA

☆前走クラス
最も結果が出ているのは1勝クラス組。7勝、2着4回で、連対馬の半分以上が経由していることになる。続いて6連対(1勝)のGⅢ組。GⅠ、GⅡ、そして新馬組は馬券に絡んでいない。昔のオークストライアルは桜花賞を使った馬が強かった記憶だが、どうやら2000年以前の話であって、2001年以降は桜花賞組が結果を出せていない。これは、1996年にNHKマイルCが創設されたことも関係しているかもしれない。


表・フローラS出走馬の前走距離,ⒸSPAIA

☆前走距離
連対馬が出ているのは、前走が1600、1800、2000、2400mの4パターン。このうち、1600m組だけ勝率、連対率でほかの距離よりかなり数字が落ちる。


表・フローラS出走馬の前走着順と着差,ⒸSPAIA

☆前走着順と着差
前走1着馬が8勝。8頭中、7頭が前走で0.1秒以上の差をつけていた。秒差なしだと【1-0-0-18】となり、馬券に絡む確率がぐんと下がってしまう。また、1秒以上離されて負けた23頭から勝ち馬は出ていない。

そして先ほど「前走1勝クラスが7勝」と書いたが、うち1勝クラスを勝って参戦の馬が6勝。このケースは好走確率がさらに上がる。


表・フローラS出走馬の前走人気,ⒸSPAIA

☆前走人気
前走で4番人気以上に支持されていた馬は9勝、2着8回。前走が5番人気以下だと勝率が1%台となってしまう。


表・フローラSにおけるその他のデータ,ⒸSPAIA

☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。好走確率の高い1勝クラスの中でも特に君子蘭賞を使った組が【2-2-1-6】となっており、高確率で馬券に絡んでいる。



君子蘭賞に注目

フローラSのデータをまとめてみよう。まず好走確率が上がるのはA「コンマ1秒差以上で前走1勝クラス勝ち」B「前走4番人気以上」C「君子蘭賞組」。

好走確率が下がってしまうのはD「前走距離がマイル」E「前走で1秒以上離された」F「前走勝ちが秒差なし」。そして、連対率0%のデータはG「前走GⅠ、GⅡ、新馬」H「前走が1600、1800、2000、2400m以外」。

まずは連対率0%のG「前走GⅠ、GⅡ、新馬」と、H「前走が1600、1800、2000、2400m以外」に該当する馬を消していく。桜花賞を走ったパーソナルハイ、そしてGⅡを走ったマイシンフォニー、モチベーション、ルージュスティリアの4頭が該当。このうち、パーソナルハイ、マイシンフォニー、そしてルージュスティリアの3頭はある程度の人気が予想される馬。これを消せるのは、馬券的に考えて大きい。

ではどれに◎を打つかだが、今回は【2-2-1-6】と結果を出している君子蘭賞組に注目。今年は1、2着馬が参戦しているが、連対した4頭の君子蘭賞での着順は1、1、1、2着。というわけで、勝ち馬ヴァンルーラーが◎、2着馬シンシアウィッシュが◯となる。

余談になるが、ヴァンルーラーの挙げた2勝は逃げ、または先行してのもの。母もダートではあるが、切れ味よりしぶとさが身上だった馬。半兄に門別で重賞勝ちしたイダペガサスがいるように、この先ヴァンルーラーがダートへ出走してくるようなことがあれば、初戦から狙ってみたい。

コンマ1秒差以上で1勝クラスを勝った馬が強いということで、ラスールも外せない。あと、前走GⅢ組も6連対と悪くなく、今回これに該当するのは、エリカヴィータとキタサンシュガー。この2頭を比較すると、プラスデータのB「前走4番人気以上」に当てはまっているエリカヴィータが4番手。一方、キタサンシュガーが走ったフラワーCは、ここ4年で5頭の馬券対象馬を輩出。これも押さえておいた方がいいだろう。

◎ヴァンルーラー
◯シンシアウィッシュ
▲ラスール
△エリカヴィータ
×キタサンシュガー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
メジャーでは鈴木誠也選手が、日本では佐々木朗希投手が大活躍。人気低下うんぬんがささやかれる野球ですが、スターが出現するとがぜん注目度が上がりますね。

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