ダミアン・レーン騎手が2年ぶり来日予定! 「芝」「逃げ・先行」で信頼度大

三木俊幸

ダミアン・レーン騎手,ⒸSPAIA

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2019年は重賞7勝の大活躍

ダミアン・レーン騎手,ⒸSPAIA詳細


春のGⅠシーズンに来日し、活躍を見せるダミアン・レーン騎手。天皇賞(春)の週から短期免許取得予定で、どうやら今年は2年ぶりにその姿を日本の競馬場で見ることができそうだ。1994年2月6日生まれのオーストラリア出身、競馬一家に生まれ2009年に15歳でデビューした。

その後、2014年にインビテーションSでGⅠ初勝利を果たすと、2017年にはオーストラリアンダービーを制覇。同年には日本産馬のトーセンスターダムとのコンビでもマッキノンSなどを勝利した。

短期免許での初来日は2019年、初週の日曜日には1日4勝の活躍を見せると、3日間開催最終日の月曜日に行われた新潟大賞典をメールドグラースでJRA重賞初勝利。2週間後に行われたヴィクトリアマイルではノームコアに騎乗しJRAにおけるGⅠ初勝利も達成。”レーン旋風”を巻き起こした。

しかしそれだけで旋風はおさまらず、リスグラシューで宝塚記念、地方競馬の短期免許を取得してオメガパフュームとのコンビで帝王賞を制覇。オーストラリアに帰国して、秋には遠征してきたメールドグラースでコーフィールドC、リスグラシューでコックスプレートも勝利した。

リスグラシューでJRA年間GⅠ・2勝をあげた特別条件該当者として暮れの有馬記念に再び来日すると、このレースも勝利し、日本調教馬でGⅠ・7勝。勢いは止まることを知らなかった。

コロナ禍で来日が難しい状況にも関わらず、翌2020年も来日。春のクラシックではサリオスに騎乗し、皐月賞と日本ダービーはともに2着という結果に終わった。初年度のインパクトが強すぎただけに、重賞2勝という成績は物足りないように映ったが、一定の存在感は見せた。

2021年は来日できなかったが、先日ドバイで行われたUAEダービーではクラウンプライドに騎乗して勝利。メイダン競馬場初騎乗で結果を残すあたりは流石という印象。日本の関係者からの信頼が厚い理由の一つとも言えるだろう。

ダートより芝

ここからは過去2回のレーン騎手来日時の成績から、様々な傾向について見ていく。

勝利数は2019年が38勝、2020年が41勝で通算79勝。通算の勝率は24.9%、複勝率は51.4%という驚くべき数字となっている。

コース別では芝が【53-24-27-88】に対して、ダートが【26-17-16-66】。勝率では芝が27.6%、ダートが20.8%。どちらでもハイレベルであることに変わりはないが、地元オーストラリアのメイントラックである「芝」を得意としていることが見て取れる。

レーン騎手 主な厩舎別成績(2019年以降),ⒸSPAIA



厩舎別の成績を見ると、過去のJRA短期免許でいずれも身元引受調教師となっている堀宣行厩舎が【24-10-8-34】で勝率31.6%、連対率44.7%、複勝率55.3%。

同じ関東の手塚貴久厩舎は【6-2-2-7】と騎乗数自体は少ないが、勝率35.3%、連対率47.1%、複勝率58.8%、単回収率121%と率では上回っている。

関西で注目しておきたいのは矢作芳人厩舎と藤原英昭厩舎。矢作厩舎は【3-1-1-1】で勝率50.0%、連対率66.7%、複勝率83.3%、特に2019年は全て3着内という成績だった。藤原英厩舎【3-0-1-1】も5回しか騎乗していないが、全て4着以内。2019年は1鞍のみだったが、2020年は4鞍騎乗している。

いずれにせよ、ノーザンファーム系の馬が多い厩舎が上位を占める。今年はここに宮田敬介厩舎なども名を連ねる可能性がありそうだ。

逃げると複勝率88.2%

最後に脚質別の成績についても触れておく。

レーン騎手 脚質別成績(2019年以降),ⒸSPAIA



脚質別成績を見ると、勝利数では差しが【31-20-21-71】と最も多く、勝率21.7%、連対率35.7%、複勝率50.3%、単回収率83%、複回収率88%という数字。先行は【28-14-15-38】、勝率29.5%、連対率44.2%、複勝率60.0%、単回収率102%、複回収率91%と率は差しを上回る成績となっている。

サートゥルナーリアに騎乗した2019年の日本ダービーでの出遅れを記憶しているファンも多いと思うが、同年の安田記念や2020年のNHKマイルCなど、出負け気味のスタートが多いことも関係していそうだ。

逃げた場合の成績は【10-3-2-2】、勝率58.8%、連対率76.5%、複勝率88.2%、単回収率186%、複回収率124%と圧倒的な成績。先行できれば上手く持たせる技術があり、データからは「逃げ・先行」で特に強さを発揮するタイプだと言っていいだろう。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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