【桜花賞】王道ローテを邁進、今週こそ人気に応えて 京大競馬研の本命は大外ナミュール

京都大学競馬研究会

桜花賞インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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やはりチューリップ賞組と直行組が有力。クイーンC組は見送り

4月10日(日)に阪神競馬場で桜花賞(GⅠ)が行われる。2歳女王サークルオブライフと阪神JFで1番人気だったナミュールが3度目の対戦。他にもウォーターナビレラやプレサージュリフト、ライラックなどの重賞馬が集結した。昨今は牝馬の活躍が著しく、今年もここから超のつく名馬が生まれるかもしれない楽しみな一戦だ。筆者自身も高松宮記念とダービー卿CTを当てており、今週も引き続きの的中を狙う。


過去10年桜花賞ローテーション,ⒸSPAIA


まずは過去10年の前走レース別成績を調べた。言わずもがなの最有力トライアル・チューリップ賞組は【5-7-6-29】で複勝率38.3%。昨年以外は毎年1頭以上好走馬を出しており無視できない。

一方でフィリーズレビュー組は【1-0-2-49】と不調。好走した3頭は阪神JFで掲示板に載っており、前走では1番人気で連対していた。ナムラクレアは好走条件を満たすため馬券に含めておきたい。アネモネS組に至っては【0-0-0-23】と全滅。検討しないでよいだろう。

その他路線では阪神JFからの直行が【1-2-0-2】。昨年は直行組がワンツーしたように近年のトレンドになっている。ゆとりあるローテで注目したいのはフェアリーS組。【0-0-1-3】とはいえ、チューリップ賞を挟んだスマイルカナも含め近2年はフェアリーS勝ち馬が桜花賞で好走しており、上位馬のレベルが上がっている点に注意。

クイーンC組は【0-1-1-16】、2016年にメジャーエンブレムが単勝1.5倍で馬券外に敗れるなど、桜花賞にはつながらない。馬券になった2頭はクイーンCを勝利した関西馬だった。関東圏への輸送をこなした上で勝つ実力があったが故の、桜花賞好走だと考えられる。なお、桜花賞では凡走した残りの16頭についてもオークスやNHKマイルCでの巻き返し例はあるため、ここでは見送って、人気を落とした関東圏のレースで積極的に狙いたい。


組み立てやすい5枠が優勢、8枠は基本2着まで

過去10年桜花賞枠別成績,ⒸSPAIA


次に過去10年の枠順別成績を調べた。八大競走は枠順発表が早く予想がしやすいため記事を書くに当たっては嬉しい限りだ。

最多の好走馬を輩出しているのは5枠で【3-0-4-13】の複勝率35.0%。スタートさえ失敗しなければ競馬を組み立てやすく、脚質や人気問わず好走例がある。他の枠は複勝率で横並びだが、今年注目したいのは人気上位の2頭が入った8枠だろう。

8枠は【1-3-0-26】で、唯一勝利した2014年のハープスターは枠順に一切左右されない最後方から直線一気の競馬だった。一方、一昨年のレシステンシアは17番から2番手を追走した結果、最後に差されてしまった。先行策や中団などで真面目に競馬をすると距離ロスが多く、8枠からでは勝ちきれないことが分かる。前走あっさり突き抜けたナミュールはともかく、先行して伸びきれなかったサークルオブライフはこの枠ではどうか。


能力一枚上のナミュール。マイナス要素のないウォーターナビレラ

本命選びにはかなり苦労した。今年は輸送に弱い関東馬が多く、マイナスの少ない馬から選ぶ形になった。

◎ナミュール
阪神JFは多数の不利が重なりながらも0.2秒差の4着。チューリップ賞は五分のスタートを切れたことであっさり突き抜け、能力が一枚上であることを示した。チューリップ賞は先述の通り【5-7-6-29】と最多の好走馬を送り出すローテで、阪神JFより勝ちタイムも上。チューリップ賞の方がハイレベルだった可能性が高い。辛い枠に入ってしまったが前走通りの騎乗なら勝ち負け。ハープスターやシャダイカグラを彷彿とさせる極端な競馬もアリかもしれない。

◯ウォーターナビレラ
阪神JFは逃げた2頭を見る形で競馬をしたが、距離延長のぶんか3着止まり。チューリップ賞は直線で詰まって追えない場面があり、敗因は明確。もっとも、最後の脚は前と同じだったため差す競馬だと辛い。折り合いがつくため今なら1600mは大丈夫で、枠も無難な3枠、輸送の短い関西馬。強調材料こそ少ないもののマイナス要素も無い。内から堂々先行して外のしくじりを待ちたい。

▲ライラック
こちらは2年連続好走中のフェアリーS勝ち馬。先行して抜けた2着馬を外からあっさりかわす強い内容だった。4年前の2着馬とは違って名前にラッキーは無いが、絶好枠を引き当て運にも恵まれた。しかし唯一大敗した京都2歳Sは馬体減が原因で、今回長距離輸送をするのはマイナス。間隔を空けての馬体増が好走の条件だ。

△ラブリイユアアイズ
阪神JFは先行策から伸びたものの勝ち馬の末脚に屈して2着。阪神JF組は大ミスをしたナミュール以外の上位馬が軒並み前哨戦で敗れており、この馬もGⅠ・2着の戦績を鵜呑みにはしたくない。【1-2-0-2】と結果が出ている直行ローテはプラスだが、馬体を戻すための直行と考えられる。よって本番でも馬体を減らしてくるようだと厳しい。

×サークルオブライフ
阪神JF勝ち馬自体が過去10年でソダシ以外桜花賞を勝っていない。前哨戦で負けた阪神JF勝ち馬の成績は過去10年【0-1-0-2】と物足りない上に枠も厳しい。2番人気に足るだけの信頼度は無い。

×ナムラクレア
フィリーズレビュー1番人気2着、阪神JFは5着と巻き返しの条件は揃っており、距離はこなせそうだが、坂で止まるため相手評価。

馬券は印の6頭で3連複ボックス20点とウォーターナビレラの単勝で勝負。荒れ続きの春GⅠだが、今週はあまり高配当に期待できないかもしれない。(文:福山)

桜花賞 予想印
◎ナミュール
◯ウォーターナビレラ
▲ライラック
△ラブリイユアアイズ
×サークルオブライフ
×ナムラクレア

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。部員は随時募集中。



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