【ダービー卿CT】リフレイム、インテンスライト激走だ 東風S敗退組2頭も侮れない!

勝木淳

ダービー卿CTインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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牝馬53キロ、牡・セン馬55キロ

1969(昭和44)年、イギリスからエプソムダービー9勝などの記録を持つレスター・ピゴット騎手らを招き、英国騎手招待競走を開催。その際に第18代ダービー卿からトロフィーを寄贈されたことを記念し、ダービー卿CTは創設された。ハンデ戦になったのは02年。春の荒れる重賞のひとつだ。反面、1200m時代にはサクラバクシンオーが勝ち、ブラックホーク、ダイワメジャー、ショウワモダン、モーリスなど名マイラーもその名を連ねる。ここからGⅠへ飛躍する馬が今年は現れるだろうか。ここでは過去10年間のデータから攻略の糸口を探っていきたい。


過去10年ダービー卿CT人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別成績から。1番人気【1-2-0-7】勝率10.0%、複勝率30.0%、2番人気【1-0-3-6】勝率10.0%、複勝率40.0%となかなか人気と結果がリンクしない。4番人気【3-3-0-4】勝率30.0%、複勝率60.0%、5番人気【3-0-2-5】勝率30.0%、複勝率50.0%が好走ゾーンで、ややズレている印象。とはいえ、6番人気以下の勝利はなく、人気薄は複穴まで。買い目の難易度が高い。


過去10年ダービー卿CT年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別では5歳が【6-2-7-27】勝率14.3%、複勝率35.7%で抜けた存在。以下、4歳【3-4-1-30】勝率7.9%、複勝率21.1%、6歳【0-3-1-30】複勝率11.8%と続く。また7歳以上は【1-1-1-42】勝率2.2%、複勝率6.7%。5歳は単複回収値120、112と穴も出現する。今年は人気のダーリントンホールから穴っぽいギルデッドミラー、ノルカソルカなど候補は多い。


過去10年ダービー卿CT斤量別成績,ⒸSPAIA


ハンデ戦なので斤量の傾向もつかむ。53キロ【2-0-0-3】勝率、複勝率40.0%、55キロ【4-4-3-24】勝率11.4%、複勝率31.4%と重賞実績が足りなくても通用する。53キロ2勝はいずれも牝馬なので、55キロ評価がカギを握る。57キロ【1-1-2-24】勝率3.6%、複勝率14.3%、57.5キロ【2-0-1-6】勝率22.2%、複勝率33.3%と背負わされる組は半端に課される組より重賞実績があるトップハンデに近い馬を重視したい。


昇級戦でも通用する

5歳優勢、ハンデは牝馬53キロ、牡、セン馬55キロ、または57.5キロ以上の実績馬。こういった傾向を踏まえ、ここからは前走成績に注目して掘り下げたい。


過去10年ダービー卿CT前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラスは重賞出走より3勝クラスが【5-1-1-9】勝率31.3%、複勝率43.8%と好成績。ここがこのレースのポイント。格下から挑む馬に注目したい。今年は節分Sを勝ったリフレイムと幕張S1着インテンスライトがいる。


過去10年ダービー卿CT前走3勝クラス・芝1600m組競馬場別成績,ⒸSPAIA


前走3勝クラスは1600mだった馬に限ると、【3-1-1-6】勝率27.3%、複勝率45.5%、単複回収値200、129。その競馬場別成績を出すと、東京は【1-0-0-0】。21年1着テルツェットが節分Sから連勝した。リフレイムはまるで同じ臨戦過程。同馬は左回り専用、最後の直線で外に行く癖がある。右回りは3歳時フラワーC10着以来の出走。そこをどう評価するか。右手前が強いのであれば、右回りはプラスになる可能性はある。一発狙っても面白い。

また中山芝1600mだと【0-1-1-3】複勝率40.0%、こちらも好成績。幕張Sを勝ったインテンスライトも評価していい。中山マイルはこれまで1、2、1、4、3、2、1着のコース巧者。これまで1番人気はたった2回のみ。地味な印象だが、チャンスはある。


過去10年ダービー卿CT前走GⅢ組レース別成績,ⒸSPAIA


次に今年も大挙出走の前走GⅢ【4-4-3-51】勝率6.5%、複勝率17.7%について。その内訳を見る。阪急杯【2-1-0-8】勝率18.2%、複勝率27.3%。東京新聞杯【1-2-2-16】勝率4.8%、複勝率23.8%は8着カテドラルがいる。ギルデッドミラーの京都牝馬Sは【1-0-0-2】、ノルカソルカの小倉大賞典は【0-0-1-7】。そして京都金杯は【0-0-0-3】。今年は1着ザダル、3着カイザーミノルが出走予定。数こそ少ないが不吉なデータだ。


過去10年ダービー卿CT前走GⅢ組着順別成績,ⒸSPAIA


続いて前走GⅢの着順別成績。1着は【0-0-0-2】、3着【0-0-0-1】、6~9着【0-1-1-11】複勝率15.4%。単純にデータだけをみると、今年のGⅢ組はそこまで怖くない。


過去10年ダービー卿CT前走東風S組着順別成績,ⒸSPAIA


最後に前走OP・リステッド【1-3-3-47】勝率1.9%、複勝率13.0%について。ダーリントンホールの洛陽Sは【0-0-0-1】。好走は東風S【1-3-2-23】勝率3.4%、複勝率20.7%。今年は1着ボンセルヴィーソ、2着ミッキーブリランテ、5着グラティアス、8着ワーケア、11着タイムトゥヘヴンが出走予定。

その着順別成績はバラバラだが、1着が【0-1-0-7】複勝率12.5%と不振。好走は2、3着【1-0-2-3】、10着以下【0-1-0-2】なので、ミッキーブリランテ、タイムトゥヘヴンが好走ゾーン。前者は昨年ニューイヤーS勝ちを含め、中山は合うので、連続好走の可能性は高い。また後者は前走出遅れて競馬に参加していない。使って良化する余地はある。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


ダービー卿CTインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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