【高松宮記念】現役屈指のレースセンス、レシステンシア まだまだ健在の7歳馬2頭にも要注目!

坂上明大

イメージ画像,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

先行力とレースセンスは現役屈指

春の芝スプリント最強馬決定戦・2022年高松宮記念。昨年高松宮記念以前のスプリントGⅠ馬は既に現役を退き、新王者ピクシーナイトは香港でのアクシデントにより戦線離脱。確固たる主役不在の顔ぶれで、マイル路線からも有力馬が参戦してきた。まずは、有力馬の参考レースを整理していきたい。

2022年高松宮記念の参考レース,ⒸSPAIA



【スプリンターズS】
モズスーパーフレアの単騎逃げで前後半3F33.3-33.8。スプリンターズSとしてはこれでも落ち着いた流れだが、2番手以降は33.6-33.5の後傾0.1秒とさらに緩いペースを刻み、内前有利の決着となった。

2着馬レシステンシアは勝ち馬ピクシーナイトをピッタリマーク。同馬には4角で外を回ったとはいえ完敗を喫したが、安定した先行力とレースセンスの良さは現役屈指の実力馬だ。次走の香港スプリントでも2着。このレースの好走馬はほとんどが翌年高松宮記念を制しており、本馬にも悲願のスプリントGⅠ初制覇が懸かる。

4着馬メイケイエールはスタートこそ遅めで後方からとなったが、外に出してからは掛かり気味にポジションアップ。終始外々を回る形にもなったが、それでも直線は末脚を伸ばして3着争いに加わった。素質はGⅠ級。ただ、これだけ粗いレースっぷりで勝ち負けになるほどスプリントGⅠは甘くもない。ビッグタイトルを手にするには前半の改善は必須要件だろう。

8着馬クリノガウディー、11着馬ジャンダルム、13着馬エイティーンガールは中団以降で展開が向かず。ただ、末脚はレシステンシアと同程度だっただけに、これでは展開の助けを借りないと逆転までは難しいか。

鋭い末脚で先行勢を一掃

【阪神C】
開催終盤の傷んだ馬場状態で時計はやや遅めだが、内外に極端な差は感じられず。レースはファストフォースがハナを取り切ってペースを落とそうとするも、他の先行勢が競りかけたことで中盤も緩まない展開に。前後半3F34.3-35.0の前傾0.7秒は直線向かい風を考慮すれば近年の阪神Cらしい落ち着いた数字だが、中盤もここまで緩まない流れとなると、さすがに行った行ったの決着にはならなかった。比較的全馬が力を出しやすい展開だったといえるだろう。

1着馬グレナディアガーズは発馬で後手を踏んだが、すぐさまリカバーして中団馬群を追走。4角での故障馬のアクシデントにもうまく対応し、直線は上がり3F最速の末脚で先行勢を一掃した。マイルCSでは折り合いを欠いたが、前半3F34秒台前半ならスムーズに折り合える馬。初の1200m戦でポジションは下げそうだが、追い込みの届く展開になればチャンスはあるだろう。

7歳馬のワンツー決着

【阪急杯】
開催3週目でも馬場状態は良好。速めの時計、かつ内有利のトラックバイアスが続いた。レースは前後半3F34.0-34.5と阪神芝1400m重賞としては緩めの流れ。トラックバイアス通り、内有利と評価する。

1着馬ダイアトニックは好スタートから先手を取ったが、すぐに外のモントライゼにハナを叩かれる形に。その後はやや行きたがる面を見せたが、直線は相当狭いところを割って重賞3勝目を挙げた。狭い空間を割ってこられるのは体力面、気力面ともに余力があってこそ。7歳馬だが、衰えは感じない。

2着馬トゥラヴェスーラは馬体重22キロ増でさすがに余裕残しの仕上げと感じたが、ドリームジャーニー産駒らしい俊敏さを活かした競馬でクビ差2着。上がり3Fは2位ダイアトニックに0.4秒差をつけており、7歳馬だが鋭い末脚は健在だ。

3着馬サンライズオネストはトゥラヴェスーラから2馬身離されてのゴールイン。現状は力差を見せつけられる結果となった。

悲願のスプリントGⅠ優勝なるか

国内外の芝1200mGⅠで3戦連続2着のレシステンシア。特に、レベルの高い香港での好走には高い評価が必要で、今回も上位争い濃厚の一頭だろう。メイケイエールは前走シルクロードSで成長を感じさせる走り。同様の競馬ができれば、勝ち負けにも加われる素質馬だ。阪急杯の上位2頭も7歳馬ながら元気一杯だ。

注目馬:レシステンシア、メイケイエール、ダイアトニック、トゥラヴェスーラ

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。



《関連記事》
【高松宮記念】本命はメイケイエールとグレナディアガーズの2択! レシステンシア消しで爆穴馬にもチャンス?
【高松宮記念】好データは「前走1着」「阪急杯組」など GⅠ制覇へ、機は熟したダイアトニック
【高松宮記念】レシステンシア中心もグレナディアガーズの可能性とメイケイエール、ナランフレグの適性にかける!

おすすめ記事