【日経賞】タイトルホルダー揺るぎなし! 相手筆頭はウインキートス
勝木淳
ⒸSPAIA
上位人気拮抗、4歳優勢
メジロライアン、ライスシャワー、セイウンスカイ、マツリダゴッホ、ゴールドアクターとGⅠ馬が勝利、一方でテンジンショウグン、ネコパンチが12番人気で勝つなど、日経賞はときに堅く、またあるときは大波乱という歴史を繰り返してきた。超A級の休み明けは当然ながらその先を見すえての調整。必ずしも万全ではない。
今年は菊花賞0.8差の逃げ切りVのタイトルホルダーが、春の盾に向けここから始動する。菊花賞当時に騎手の父と子を比較する形で引き合いに出されたセイウンスカイ、その日経賞は2番手に控え、最後は2着セイウンエリアに0.9差をつけ、2.35.3で勝利した。さて引き続き兄・横山和生騎手が騎乗予定のタイトルホルダーはどんな走りを見せるのだろうか。ここでは過去10年間のデータから日経賞の好走傾向を調べていく。
人気別成績をみると、勝ち馬は12年12番人気ネコパンチを除くと、ここ9年はすべて4番人気以内。1番人気【3-3-1-3】勝率30.0%、複勝率70.0%など4番人気までは比較的堅実で、5番人気【0-1-0-9】複勝率10.0%とここに開きがある。とはいえ、7番人気【0-2-1-7】複勝率30.0%と中穴も出現する。基本的には上位人気拮抗と考えたい。
年齢別の主力は4歳【5-6-1-17】勝率17.2%、複勝率41.4%。ここが断然強く、5歳【2-2-4-27】勝率5.7%、複勝率22.9%、6歳【3-1-2-26】勝率9.4%、複勝率18.8%、7歳以上【0-1-3-36】複勝率10.0%と続く。4歳タイトルホルダー、アサマノイタズラを中心に5歳アリストテレス、ヒートオンビート、ウインキートス、6歳ディバインフォースと今年はほぼ人気順通りの評価でよさそうだ。
ポイントは先行力
上位人気拮抗、4歳優勢、ここまではタイトルホルダー信頼の傾向を示す。では前走成績はどうだろうか。さらに掘り下げてみる。
前走クラス別成績はさすが日経賞。前走GⅠ【3-5-3-13】勝率12.5%、複勝率45.8%で目立つ。ついで前走GⅡ【5-4-6-43】勝率8.6%、複勝率25.9%、この2クラスで8勝2着9回3着9回なので、格重視でいい。なお前走海外は【0-0-0-4】。
前走GⅠのなかでも有馬記念は【2-3-3-7】勝率13.3%、複勝率53.3%と好成績。5着タイトルホルダー、6着アリストテレス、11着ウインキートスと候補は多い。その着順別成績は5着【0-1-1-0】、6~9着【0-0-0-1】、10着以下【0-1-1-4】複勝率33.3%。サンプル数が多くないので、断言は難しいが、掲示板以内【2-2-2-2】勝率25.0%、複勝率75.0%、掲示板以下【0-1-1-5】複勝率28.6%と考えると、タイトルホルダー優位といえる。有馬記念で先行した馬は【1-1-1-3】勝率16.7%、複勝率50.0%。ウインキートスも候補に入れたい。
前走GⅡ組についてはレース内訳をみる。エフェクトオンが当てはまる日経新春杯【3-1-1-6】勝率27.3%、複勝率45.5%、アサマノイタズラのAJCC【2-1-3-13】勝率10.5%、複勝率31.6%、ディバインフォースのステイヤーズS【0-0-1-1】複勝率50.0%。
日経新春杯は今年も中京芝2200mだった点は考慮しないといけないが、その着順別成績は2着以内が【2-1-1-4】勝率25.0%、複勝率50.0%。3着以下の好走は19年1着メイショウテッコン(前走9着)1頭。また前走ステイヤーズSの好走は15年3着ホッコーブレーヴ(前走5着)。中山芝2500mはペース次第でステイヤー寄りの適性になる。ディバインフォースのスタミナが生きるかどうか、レース展開を読んで判断したい。
日経新春杯が中京芝2200mだったことから、GⅡ組でもっとも計算が立つのは前走AJCC組だろう。同じ中山でもあり、ポイントになる。その位置取り別成績を出すと、後方が【0-0-0-4】。アサマノイタズラはデータ上苦しい。今年のAJCCは例年通り馬場が悪く、外差し優勢。まして残り1000mから11秒台が連続するロングスパート、4ハロン型の競馬になり、ゴール前で逆転が起こった。展開を味方につけたクチで、ここは試金石といえる。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。
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