【スプリングS】好相性ローテの前走1勝クラス組! 東大HCの本命はアルナシーム

東大ホースメンクラブ

スプリングSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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基本的に前有利

3月20日(日)に中山競馬場で行われるスプリングS(GⅡ・芝1800m)。上位3頭に皐月賞への優先出走権が与えられる伝統の一戦に、3歳馬13頭が集結した。東スポ杯2歳S2着のアサヒや再びの中山で巻き返しを狙うアライバルなどが出走を予定しているが、信頼できるのは果たしてどの馬なのか。今週もデータを踏まえて検討していこう。

初めに、過去10年の傾向を分析する。


過去10年スプリングSペース,ⒸSPAIA


良馬場での施行時は、前半5Fはおおむね59~60秒台を記録しており、ペースは平均的といってよい。小回りで直線の短い中山ということで、4角3番手以内の馬が10レース中7レース連対するなど、基本前有利の傾向となっている。

ただし、差し馬も【4-5-4-31】と好走数自体はまずまず多く、極端なスローペースになった20年にはマクリを選択した馬が1、3着に入っている。後方待機勢も買い目から完全に外すというわけにはいかない。


最多勝は前走1勝クラス組、前走重賞組の好走条件は

過去10年スプリングSローテ,ⒸSPAIA


続いて前走クラス別成績に注目する。前走GⅠ組は【2-3-1-6】複勝率50.0%と優秀だが、馬券的な狙い目は【6-4-3-39】と最多の6勝を挙げている前走1勝クラス組。勝率、連対率、複勝率の全てにおいて【4-6-3-42】の前走重賞組を上回っており、成績は申し分ない。

昨年は水仙賞から挑んだアサマノイタズラが7番人気ながら2着に入り、一昨年は同じく水仙賞から挑んだガロアクリークが6番人気で勝ち切った。前走1勝クラス組の単勝回収率は149%を記録しており、重賞経験の面で軽視されやすい分妙味があるといえる。


過去10年スプリングS前走JRA重賞組着順別成績,ⒸSPAIA


上位人気馬の大半が重賞からのローテということで、前走重賞組の好走条件も調べてみる。前走着順別成績を眺めると、前走1着馬の複勝率は45.5%と安定している。前走2、3、4着馬も22~36%の複勝率を収めているため軽視は禁物だ。一方、前走5着以下に敗れていた馬は18頭中1頭も馬券に絡んでいない。大敗からの巻き返しは厳しく、素直に実力が反映されるレースだといってよいだろう。


皐月への最終便、いざクラシックの舞台へ

◎アルナシーム
前走1勝クラス組からこの馬を本命視したい。つばき賞では上がり32秒9と抜群の末脚を使った。それでも逃げ馬を捕えきれず2着に敗れているが、超スローの流れを考えれば致し方なし。朝日杯FSでは出遅れに加え、直線で荒れた内を突かなければいけない不利な展開。それでも4着にまで追い上げていることから、GⅡの舞台でも十分戦えるだろう。

◯ビーアストニッシド
粘り強い逃げを見せる馬。重賞戦線でも通用しており、前走共同通信杯ではダノンベルーガ、ジオグリフといったクラシック候補に次いで3着を確保した。シンザン記念では馬券から外れているが、控えたために折り合いを欠いた様子。それでも4着に入っているのだから実力は確かなものだ。今回は本来のように逃げてくれれば力を発揮できるだろう。

▲ソリタリオ
こうやまき賞では直線で抜け出すと他馬の猛追をしのぎ連勝を果たした。前走シンザン記念でも勝ち馬を粘り強く追い2着に入っている。キレる脚こそないものの、しぶとく伸びるという点で中山の舞台は合いそうだ。横山武史騎手とは初のコンビとなるが、先行策の得意なイメージがある鞍上とは呼吸が合いそうだ。

△アサヒ
前走共同通信杯では出遅れ最後方からの競馬に。それでもダノンベルーガに次ぐ上がり2位の末脚を繰り出した。東スポ杯2歳Sではダービー馬候補イクイノックスに食い下がって2着を確保している。5戦全て1800mを使っており、距離経験の面でも信頼度は高い。ただ今回も出遅れが心配な上、前走5着という戦績が気にかかる。

以下、相手として、2度レコードを叩き出しているサトノヘリオス、水仙賞2着から挑むオウケンボルトを押さえておく。

◎アルナシーム
◯ビーアストニッシド
▲ソリタリオ
△アサヒ
×サトノヘリオス
×オウケンボルト

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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